Twitterで「#さよなら朝日新聞」が拡散中 “統一教会”報道に「OBと愛読者」は不信感

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#さよなら朝日新聞──こんなハッシュタグがTwitter上で今も拡散を続けている。朝日新聞を批判する論調自体は珍しくも何ともないが、今回は投稿者の“思想的立ち位置”が以前とは全く異なるところに大きな特徴があるという。
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【写真】「合同結婚披露宴」での安倍晋三元首相 昭恵夫人は当時25歳 その“思想性”の違いだが、簡単に実感できる方法がある。Twitterの検索窓に「売国奴 朝日」と入力した場合と、「#さよなら朝日新聞」を入力した場合では、表示されるツイートの内容がまるっきり変わってしまうのだ。

前者が「右翼的」であるのに対し、後者は「左翼的」ということになるのだが、本題に入る前に、朝日新聞が2014年、相次いで不祥事を起こしたことを確認しておきたい。朝日新聞社 同紙の公式サイトには、以下の記述がある。《朝日新聞社は、1982年9月2日付大阪本社朝刊に掲載した故・吉田清治氏の慰安婦に関する証言の誤報取り消しが遅きに失したこと、吉田調書報道の取り消し、池上彰氏の連載掲載見合わせをおわびし、3つの検証委員会を立ち上げました》 3件とも朝日新聞の信頼を著しく毀損する不祥事だったことは言うまでもない。社長の謝罪会見など、今も鮮明な記憶をお持ちの方も多いだろう。担当記者が言う。「昔から朝日新聞は知的レベルの高い、いわゆるリベラルな層に愛読される“高級紙”という位置づけでした。そのため、もともと保守的な思想を持つ層や、いわゆる“ネット右翼”から批判の対象となる傾向があったのです」OB記者が激烈批判 14年に朝日新聞が不祥事を連発すると、当然ながら保守層やネット右翼は厳しい批判を繰り広げた。しかし、そうした声が愛読者に届いたかといえば、そうでもなかった。 もちろん同紙の信頼性は低下し、部数が減少したという報道も散見された。だが、依然として朝日新聞を支持する層も少なくなかったのだ。「例えば原発の問題ですが、リベラル層は“反原発”の考えを持つ人が目立ちます。従軍慰安婦の問題も、日本側の責任を重視する傾向が認められます。つまり“記事自体は間違っていたかもしれないが、朝日新聞の報道姿勢は正しかった”というロジックで擁護する向きもあったのです。ところが今回の『#さよなら朝日新聞』は、同紙のOB記者や愛読者が厳しく批判しているところに大きな特徴があります」(同・記者) なぜOB記者や愛読者は朝日新聞を批判しているのか、それは旧統一教会(現・世界平和統一家庭連合。以下「統一教会」)に対する報道姿勢が問題視されているからだ。薬莢と脅迫状 1987年5月6日、朝日新聞は「本社に薬きょう・脅迫状が届く 朝日新聞記者殺傷事件」との記事を東京版の夕刊に掲載した。「この年の5月3日、朝日新聞阪神支局襲撃事件が発生しました。記者2人が散弾銃で撃たれるというテロ事件で、1人が死亡、1人が重症。翌6日には時事通信と共同通信に『赤報隊一同』の名で犯行声明が届きました」(同・記者) 一方、朝日新聞に送られたのは、使用済の散弾銃の薬莢(やっきょう)2個と、ルーズリーフ1枚に書かれた脅迫状だった。文面は《とういつきょうかいの わるくちをいうやつは みなごろしだ》と書かれていた。抗議電話「統一教会は朝日新聞の取材に、『ひどい濡れ衣だ』と回答しています。警視庁捜査1課が調べますが、都内の銀行などにも統一教会の名前を使った脅迫状が送られていたことが判明しました。朝日新聞は独自取材の結果、7日の朝刊に『阪神支局襲撃事件とは無関係』と結論づけた記事を掲載しました」(同・記者) 赤報隊事件は未解決で、いまだに謎が多い。だが、当時の朝日新聞が、統一教会を批判する記事を精力的に掲載していたのは紛れもない事実だ。「朝日新聞は2002年、阪神支局襲撃事件を取り上げた連載企画を掲載しました。4月12日の記事では、統一教会に批判的だった同社発行の週刊誌『朝日ジャーナル』(1959~1992)に対する抗議電話が、1985年4月には週4万6000件に達したと明かしています。翌86年、担当記者の自宅周辺には、不審な男が数人うろつくようになったそうです。記者の自宅にも抗議電話や無言電話がかかり、その数も1日100件を超えたとあります」(同・記者) 過去に“実績”があったからこそ、「今回も朝日新聞は統一教会の問題を詳報してくれるだろう」と愛読者やOB記者は期待していたようだ。消極的な報道姿勢「ところが蓋を開けてみると、全く逆でした。そのためOB記者がTwitterで批判したのです。例えば、エネルギー問題に関する編集委員を務めたOB氏は、《朝日新聞は私たちと違う世界に存在している》と手厳しいツイートを投稿しています。その理由として、8月18日の朝刊で統一教会を扱った記事が2本しか掲載されなかったことを挙げました」(同・記者) 2本の記事の見出しは以下の通り。◆生稲氏、施設訪問「事実だ」 選挙前、萩生田氏と 旧統一教会関連◆(声)旧統一教会との関係、説明を望む「1本目は、参院選の公示前、生稲晃子・参院議員(54)と萩生田光一・政調会長(58)が統一教会の関連施設を訪問したという記事でした。ところが、この件はもともと、週刊新潮のスクープ記事が初報だったのです」(同・記者)「国際ニュースに逃避」 週刊新潮(8月25日号)に掲載された特集記事のタイトルを紹介しておこう。◆改造しても「統一教会」ベッタリ内閣 「萩生田政調会長」がつないだ「カルト」と「生稲晃子」「この記事を元に、デイリー新潮は16日、『萩生田光一政調会長、生稲晃子氏の選挙支援を統一教会に要請か 教会関係者は「萩生田さんは家族同然」』の記事を配信しました。朝日新聞はデイリー新潮の報道を契機に取材をスタートさせたわけですから、これは“後追い記事”と呼ばれます。元編集委員のOB氏はTwitterで『朝日新聞は統一教会問題では他のメディアを追いかけてばかり』と批判しました」(同・記者) 2つ目の記事は、読者の投稿だ。埼玉県に住む72歳の男性が、統一教会と自民党の関係に関して、岸田文雄首相(65)に《国民が納得できる丁寧な説明》を求めたものだ。 これは記者が書いた記事ではない。つまり、朝日新聞の8月18日朝刊で統一教会を扱った記事は、実質的に1本しかなかったのだ。「2人目のOB氏は、ホワイトハウスや財務省などを担当していた元記者です。このOB氏は《この数日の朝日新聞の朝刊は、連日、不急の国際ニュースが1面トップで、日本の新聞の価値判断として、ひどいと思います》とTwitterに投稿しました。統一教会問題から背を向け、国際ニュースに《逃避》していると批判しています」(同・記者)ファクトチェック 2人のOB記者がツイートした指摘が事実かどうか、ファクトチェックを行ってみよう。 まず8月10日から18日までの各紙朝刊1面を比較してみる。「天声人語」などを除き、朝日新聞が1面で「統一教会」を見出しに使ったのは11日だけだった。 10日に内閣改造が行われたことから、「旧統一教会 接点認めた7人交代」、「6閣僚、旧統一教会と接点」、という見出しが掲載されている。 一方、1面トップを調べてみると、国際ニュースが選ばれたのは9日間のうち5日間だった。半分を超えており、確かに《逃避》と批判されても不思議はない。 Twitter上では、東京新聞が統一教会の問題を精力的に報じていると評価が高い。こちらの1面を調べてみると、11日から14日までの4日間、統一教会の問題を報じる記事が1面に掲載された。 次に、10日から18日まで「統一教会」の文字が見出しに使われた記事の総数を、データベースを使って調べてみた。1週間の動きをまとめた記事やコラム、読者投稿は除外した。【1位】37本:毎日新聞【2位】35本:朝日新聞【3位】30本:読売新聞【4位】22本:東京新聞【5位】10本:産経新聞「ミヤネ屋」との比較 記事本数でも、朝日新聞は毎日新聞より少ないという結果になった。2位という順位を評価する向きもあるかもしれないが、これには注意点がある。「朝日の記事は、いわゆる“県版”に掲載されたものが多数含まれています。各都道府県のローカルニュースを掲載する面で、要するに『地元の市長や知事に統一教会との接点があった』といった記事です」(同・記者) 一方、東京新聞は関東のローカル紙だ。北海道、東北、そして西日本のローカルニュースが紙面に掲載されることはまずない。「となると、東京新聞が統一教会に関する記事を20本以上、掲載しているというのは、評価が違ってきます。やはり1面と同じように、東京新聞は詳報していると言っていいでしょう。確かにTwitterで批判されているように、朝日新聞が統一教会の問題について消極的な姿勢なのは明らかです」(同・記者) そもそもTwitter上では、朝日、読売、毎日、産経、東京の5紙を比較して朝日を批判しているわけではない。「Twitter上で統一教会に対する報道姿勢が評価されているのは、『情報ライブ ミヤネ屋』(読売テレビ制作・日本テレビ系列・平日・13:55)です。番組では統一教会の問題を毎日のように詳報しています。Twitterでは『ミヤネ屋は全力で問題を報じているが朝日新聞は報道を放棄している』という批判の声に賛意が集まっています」(同・記者)弱腰なのは上層部? 単純な比較はできないかもしれないが、夕刊紙・日刊ゲンダイの10日から18日までの1面も調べてみた。 結果は、8月11日以外、全て1面の見出しに「統一教会」の文字が使われていた。世論の関心を考えても、こちらのほうがむしろ当たり前だろう。 先に見た通り、少なくとも70年代から90年代にかけて、朝日新聞は精力的に統一教会を批判する記事を掲載していた。文字通りトップランナーだったと評しても過言ではない。 ところが今回は、一転して消極的な報道姿勢になっている。これにOB記者や愛読者が異議を唱えているというわけだ。「『なぜ朝日新聞は統一教会の問題に消極的なのか』という疑問に関しても、複数のOB記者がTwitterに分析を投稿しています。それによると、『朝日新聞はネット上の批判を心底怖がっている。そのため、社の上層部は論争を巻き起こしそうな記事をチェックし、“毒にも薬にもならない内容”に変換することに血道を上げている』というのです」(同・記者) 朝日新聞の記者は東大卒を筆頭とする“優等生”揃いで、いわゆる“官僚化”も進んでいるという。もし今、80年代に朝日新聞を襲ったような抗議電話が再発したら、今の上層部は耐えられるのだろうか──。「とはいえ、統一教会の問題点を追及することは、ジャーナリズムの使命でしょう。それができていないのですから、OB記者や愛読者が失望するのは当然だと考えられます。朝日新聞にとっては、ネット右翼の批判より大問題であり、致命傷になり得る可能性があるはずです」(同・記者)デイリー新潮編集部
その“思想性”の違いだが、簡単に実感できる方法がある。Twitterの検索窓に「売国奴 朝日」と入力した場合と、「#さよなら朝日新聞」を入力した場合では、表示されるツイートの内容がまるっきり変わってしまうのだ。
前者が「右翼的」であるのに対し、後者は「左翼的」ということになるのだが、本題に入る前に、朝日新聞が2014年、相次いで不祥事を起こしたことを確認しておきたい。
同紙の公式サイトには、以下の記述がある。
《朝日新聞社は、1982年9月2日付大阪本社朝刊に掲載した故・吉田清治氏の慰安婦に関する証言の誤報取り消しが遅きに失したこと、吉田調書報道の取り消し、池上彰氏の連載掲載見合わせをおわびし、3つの検証委員会を立ち上げました》
3件とも朝日新聞の信頼を著しく毀損する不祥事だったことは言うまでもない。社長の謝罪会見など、今も鮮明な記憶をお持ちの方も多いだろう。担当記者が言う。
「昔から朝日新聞は知的レベルの高い、いわゆるリベラルな層に愛読される“高級紙”という位置づけでした。そのため、もともと保守的な思想を持つ層や、いわゆる“ネット右翼”から批判の対象となる傾向があったのです」
14年に朝日新聞が不祥事を連発すると、当然ながら保守層やネット右翼は厳しい批判を繰り広げた。しかし、そうした声が愛読者に届いたかといえば、そうでもなかった。
もちろん同紙の信頼性は低下し、部数が減少したという報道も散見された。だが、依然として朝日新聞を支持する層も少なくなかったのだ。
「例えば原発の問題ですが、リベラル層は“反原発”の考えを持つ人が目立ちます。従軍慰安婦の問題も、日本側の責任を重視する傾向が認められます。つまり“記事自体は間違っていたかもしれないが、朝日新聞の報道姿勢は正しかった”というロジックで擁護する向きもあったのです。ところが今回の『#さよなら朝日新聞』は、同紙のOB記者や愛読者が厳しく批判しているところに大きな特徴があります」(同・記者)
なぜOB記者や愛読者は朝日新聞を批判しているのか、それは旧統一教会(現・世界平和統一家庭連合。以下「統一教会」)に対する報道姿勢が問題視されているからだ。
1987年5月6日、朝日新聞は「本社に薬きょう・脅迫状が届く 朝日新聞記者殺傷事件」との記事を東京版の夕刊に掲載した。
「この年の5月3日、朝日新聞阪神支局襲撃事件が発生しました。記者2人が散弾銃で撃たれるというテロ事件で、1人が死亡、1人が重症。翌6日には時事通信と共同通信に『赤報隊一同』の名で犯行声明が届きました」(同・記者)
一方、朝日新聞に送られたのは、使用済の散弾銃の薬莢(やっきょう)2個と、ルーズリーフ1枚に書かれた脅迫状だった。文面は《とういつきょうかいの わるくちをいうやつは みなごろしだ》と書かれていた。
「統一教会は朝日新聞の取材に、『ひどい濡れ衣だ』と回答しています。警視庁捜査1課が調べますが、都内の銀行などにも統一教会の名前を使った脅迫状が送られていたことが判明しました。朝日新聞は独自取材の結果、7日の朝刊に『阪神支局襲撃事件とは無関係』と結論づけた記事を掲載しました」(同・記者)
赤報隊事件は未解決で、いまだに謎が多い。だが、当時の朝日新聞が、統一教会を批判する記事を精力的に掲載していたのは紛れもない事実だ。
「朝日新聞は2002年、阪神支局襲撃事件を取り上げた連載企画を掲載しました。4月12日の記事では、統一教会に批判的だった同社発行の週刊誌『朝日ジャーナル』(1959~1992)に対する抗議電話が、1985年4月には週4万6000件に達したと明かしています。翌86年、担当記者の自宅周辺には、不審な男が数人うろつくようになったそうです。記者の自宅にも抗議電話や無言電話がかかり、その数も1日100件を超えたとあります」(同・記者)
過去に“実績”があったからこそ、「今回も朝日新聞は統一教会の問題を詳報してくれるだろう」と愛読者やOB記者は期待していたようだ。
「ところが蓋を開けてみると、全く逆でした。そのためOB記者がTwitterで批判したのです。例えば、エネルギー問題に関する編集委員を務めたOB氏は、《朝日新聞は私たちと違う世界に存在している》と手厳しいツイートを投稿しています。その理由として、8月18日の朝刊で統一教会を扱った記事が2本しか掲載されなかったことを挙げました」(同・記者)
2本の記事の見出しは以下の通り。
◆生稲氏、施設訪問「事実だ」 選挙前、萩生田氏と 旧統一教会関連◆(声)旧統一教会との関係、説明を望む
「1本目は、参院選の公示前、生稲晃子・参院議員(54)と萩生田光一・政調会長(58)が統一教会の関連施設を訪問したという記事でした。ところが、この件はもともと、週刊新潮のスクープ記事が初報だったのです」(同・記者)
週刊新潮(8月25日号)に掲載された特集記事のタイトルを紹介しておこう。
◆改造しても「統一教会」ベッタリ内閣 「萩生田政調会長」がつないだ「カルト」と「生稲晃子」
「この記事を元に、デイリー新潮は16日、『萩生田光一政調会長、生稲晃子氏の選挙支援を統一教会に要請か 教会関係者は「萩生田さんは家族同然」』の記事を配信しました。朝日新聞はデイリー新潮の報道を契機に取材をスタートさせたわけですから、これは“後追い記事”と呼ばれます。元編集委員のOB氏はTwitterで『朝日新聞は統一教会問題では他のメディアを追いかけてばかり』と批判しました」(同・記者)
2つ目の記事は、読者の投稿だ。埼玉県に住む72歳の男性が、統一教会と自民党の関係に関して、岸田文雄首相(65)に《国民が納得できる丁寧な説明》を求めたものだ。
これは記者が書いた記事ではない。つまり、朝日新聞の8月18日朝刊で統一教会を扱った記事は、実質的に1本しかなかったのだ。
「2人目のOB氏は、ホワイトハウスや財務省などを担当していた元記者です。このOB氏は《この数日の朝日新聞の朝刊は、連日、不急の国際ニュースが1面トップで、日本の新聞の価値判断として、ひどいと思います》とTwitterに投稿しました。統一教会問題から背を向け、国際ニュースに《逃避》していると批判しています」(同・記者)
2人のOB記者がツイートした指摘が事実かどうか、ファクトチェックを行ってみよう。
まず8月10日から18日までの各紙朝刊1面を比較してみる。「天声人語」などを除き、朝日新聞が1面で「統一教会」を見出しに使ったのは11日だけだった。
10日に内閣改造が行われたことから、「旧統一教会 接点認めた7人交代」、「6閣僚、旧統一教会と接点」、という見出しが掲載されている。
一方、1面トップを調べてみると、国際ニュースが選ばれたのは9日間のうち5日間だった。半分を超えており、確かに《逃避》と批判されても不思議はない。
Twitter上では、東京新聞が統一教会の問題を精力的に報じていると評価が高い。こちらの1面を調べてみると、11日から14日までの4日間、統一教会の問題を報じる記事が1面に掲載された。
次に、10日から18日まで「統一教会」の文字が見出しに使われた記事の総数を、データベースを使って調べてみた。1週間の動きをまとめた記事やコラム、読者投稿は除外した。
【1位】37本:毎日新聞【2位】35本:朝日新聞【3位】30本:読売新聞【4位】22本:東京新聞【5位】10本:産経新聞
記事本数でも、朝日新聞は毎日新聞より少ないという結果になった。2位という順位を評価する向きもあるかもしれないが、これには注意点がある。
「朝日の記事は、いわゆる“県版”に掲載されたものが多数含まれています。各都道府県のローカルニュースを掲載する面で、要するに『地元の市長や知事に統一教会との接点があった』といった記事です」(同・記者)
一方、東京新聞は関東のローカル紙だ。北海道、東北、そして西日本のローカルニュースが紙面に掲載されることはまずない。
「となると、東京新聞が統一教会に関する記事を20本以上、掲載しているというのは、評価が違ってきます。やはり1面と同じように、東京新聞は詳報していると言っていいでしょう。確かにTwitterで批判されているように、朝日新聞が統一教会の問題について消極的な姿勢なのは明らかです」(同・記者)
そもそもTwitter上では、朝日、読売、毎日、産経、東京の5紙を比較して朝日を批判しているわけではない。
「Twitter上で統一教会に対する報道姿勢が評価されているのは、『情報ライブ ミヤネ屋』(読売テレビ制作・日本テレビ系列・平日・13:55)です。番組では統一教会の問題を毎日のように詳報しています。Twitterでは『ミヤネ屋は全力で問題を報じているが朝日新聞は報道を放棄している』という批判の声に賛意が集まっています」(同・記者)
単純な比較はできないかもしれないが、夕刊紙・日刊ゲンダイの10日から18日までの1面も調べてみた。
結果は、8月11日以外、全て1面の見出しに「統一教会」の文字が使われていた。世論の関心を考えても、こちらのほうがむしろ当たり前だろう。
先に見た通り、少なくとも70年代から90年代にかけて、朝日新聞は精力的に統一教会を批判する記事を掲載していた。文字通りトップランナーだったと評しても過言ではない。
ところが今回は、一転して消極的な報道姿勢になっている。これにOB記者や愛読者が異議を唱えているというわけだ。
「『なぜ朝日新聞は統一教会の問題に消極的なのか』という疑問に関しても、複数のOB記者がTwitterに分析を投稿しています。それによると、『朝日新聞はネット上の批判を心底怖がっている。そのため、社の上層部は論争を巻き起こしそうな記事をチェックし、“毒にも薬にもならない内容”に変換することに血道を上げている』というのです」(同・記者)
朝日新聞の記者は東大卒を筆頭とする“優等生”揃いで、いわゆる“官僚化”も進んでいるという。もし今、80年代に朝日新聞を襲ったような抗議電話が再発したら、今の上層部は耐えられるのだろうか──。
「とはいえ、統一教会の問題点を追及することは、ジャーナリズムの使命でしょう。それができていないのですから、OB記者や愛読者が失望するのは当然だと考えられます。朝日新聞にとっては、ネット右翼の批判より大問題であり、致命傷になり得る可能性があるはずです」(同・記者)
デイリー新潮編集部

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