「料理教室の男性生徒とW不倫」で夫と離婚、再婚を約束して10年関係を続けた女性講師の末路

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短期連載(3)『女が離婚を決めた瞬間ーー』自分には夫が、彼にも奥さんが…「不倫はいけない」とわかっていつつ“W不倫”という禁断の関係に踏み出してしまった女性。彼との再婚を支えに10年、家庭も仕事も失った彼女がすがるものとはーー。
【写真】離婚しそうな芸能人ランキング 麻由美さん(仮名・49歳)が3歳年下の彼と出会ったのは、彼女がクッキング教室の講師だった10年前のことだ。彼はクッキング教室の設備に必要な物品を納入する営業マンだった。

「最初の出会いは事務所でした。特に強い印象はなかったんですが、翌月から平日の夜間の教室に生徒として参加してきたんです。彼の快活な性格が授業の雰囲気を明るくしてくれました」 半年間の授業が終了後、ほかの生徒らと一緒に打ち上げに参加。彼と帰りの方向が一緒だったこともあり、麻由美さんはバーに誘われた。「2人きりで飲んでいるうちに、仕事やプライベートのことなどもざっくばらんに話してくれました。クッキング教室に通うようになったきっかけが、奥さんの料理がまずいからだと笑いながら言っていました」 今後はどんな講師を目指すのかと彼から質問された麻由美さん。実はクッキング教室の講師の職をいったん休止して、営業代行をしている夫の会社の仕事を手伝うと打ち明けると、「寂しいなあ」と彼がため息をついたという。「その後、彼からワイン会のお誘いがあったんです。いつか料理講師に復職したいという思いもあったので、ディナー付きの会も勉強になると思って参加しました」 一緒に参加しているうちに、ほかの参加者からカップルだと勘違いされた。否定しているうちに、心のどこかで「そうなったらいいな」と思うようになっていた。だがそのたびに、自分の気持ちを心の中で打ち消したという。「地方赴任」を打ち明けられて「“不倫はいけない”と、ずっと心に刻まれていました。というのは親しい友人が不倫相手に夢中になって、つらい別れをしたからです。そのため彼に対する気持ちを抑えていました」 そんな関係が続く中、その年の暮れに、何回目かのワイン会が終わってから彼に誘われたバーで「地方赴任が決まった」と打ち明けられた。「もう会えないのかなと思うとすごくショックでした。その気持ちを伝えると、“僕も”と言って、彼は私の手を握ってきたんです。思わず彼に対する気持ちがあふれてきて“私も”と答えると、私の手を握る彼の手がますます強くなって。そのままホテルに行きました」 東京を去る前に、1度きりの大人の関係にするつもりだった。ところが麻由美さんの心と身体に火がついてしまったのだ。「夫とは数年前から、1年に数えるほどしかセックスをしていなかったので、急に燃え上がってしまったんです。彼のことが欲しくてたまらなかった」 恋しくなるたび、彼にも自分にも家庭があると自分に言い聞かせ、不倫の後につらい別れを経験した友達のことを思い出した麻由美さん。「でも会いたい気持ちが抑えられなくて……。東京を離れる少し前に、彼から“もう1度会いたい”と連絡があって。どうしたらいいか困ってしまったんです。そこで不倫を経験した友達に相談することにしました。彼女ならきっと止めてくれるだろうと」 ところが予想に反して、友達から「自分の気持ちのとおりに行動してみたら。人生は1度きりなんだから」との言葉が。「友達に背中を押された私は、流れに従おうと思いました。彼にすぐに連絡をしてその日のうちに会うと、彼は地方赴任が終わったら一緒に暮らそうと言ってくれて……。彼は妻と、私も夫と別れて独身に戻ってから結婚しようって」不倫を隠して夫に離婚を持ちかけた 地方赴任は3年間。その間、麻由美さんは夫と話し合って離婚をしようと決めた。だが、いざ彼のことを話そうとすると、“大反対される”と直感のようなものが働いたという。「私が夫以外の男性を愛していることがわかってしまうと、プライドの高い夫は離婚してくれないでしょう。そこで講師としてキャリアを積みたいから離婚してほしいと離婚に同意を求めました。夫が承諾しなかったので、私の判を押した離婚届を置いて家を出ました」 友達の家に間借りしながら、夫の返事を待っていた。ところが夫は“好きな仕事と両立してもいいので、離婚に同意しない”と断固拒絶の姿勢を伝えてきた。麻由美さんは離婚訴訟などで泥沼化することを覚悟したのだが─。「その半年後、手のひらを返したように、夫が離婚に応じてきたんです。“今、会社を手伝ってくれる人と結婚したい”って。肩透かしをくらいましたが、その女性に感謝しています」 離婚後、麻由美さんが彼の赴任先のワンルームマンションを訪れて、2人の将来について話し合った。「彼には専業主婦の妻と小学生と中学生の息子がいました。妻は働きたくないため、慰謝料のほか毎月の生活費と養育費を要求されるだろうと。でも、そのために稼ぐから心配しないで、と言ってくれた彼の頼もしさに感動しました。“私も働くからひとりで背負い込まないで”と労ると、抱きしめられました」 愛を確認した麻由美さんは東京に戻り、講師に復職。一方、彼のほうは3年後に赴任先から戻ってくると家を出た。そして家賃20万円の瀟洒なマンションで一緒に暮らし始めたという。しかし─。「彼は妻に何度も離婚を申し出たそうですが、ことごとく断られてしまい……。将来が見えなくて不安でしたが、今思うと、2人で暮らしていたあのころがいちばん幸せでした」生徒との不倫がバレて懲戒免職 だが、そんな幸せは長く続かない。1年後、彼の会社の業績が右肩下がりになってしまい、彼の年収も激減。妻子への生活費に加え、麻由美さんと暮らすマンションの家賃を払い続けることが困難となったため、賃貸マンションを解約。2人の関係は終わった。「そのころ、私の勤務先に匿名で不倫の告発と、証拠写真が送られました。彼の奥さんが仕組んだのでしょう。生徒と不倫したことで懲戒免職になり、業界にも噂が広まってしまったので、講師の仕事も断念せざるをえなかった」 いつか結婚しようと約束していた彼。ところが思い描いていたように進まない現実を突きつけられ、麻由美さんに残ったのは絶望感だけだった。「彼は妻と子どものいる家に戻り、私は小さなアパートに部屋を借りて飲食店でバイトしながら次の仕事を探していました。そんな中、彼のほうから会いたいと連絡があり、たまらなく恋しくなって“1回だけ”と……」 その後、麻由美さんはようやく某企業の営業職の仕事が決まり、収入も増えて2LDKのマンションに引っ越した。彼と別れて一からやり直そうと思っていたのだが、孤独に耐えられなくなり、自分から彼に連絡してしまい、再び会うように。それからは別れてはまたくっつくという繰り返しで年月が流れていく。「いつの間にか増えた不倫友達らと煮え切らない男性の不平不満を漏らし合ったり、状況を嘆いたりしました。でも最後に“彼のことを愛している。頑張ろう”と自分を鼓舞しました。いつしか自分の目的が彼との結婚ではなく、彼と別れないことになっていたんですね」10年不倫の結末はあっけなく そんな彼との関係に変化の兆しが表れたのは、不倫10年目のことだった。「毎日彼は私のマンションで夕食を食べます。私の手料理を褒める回数もだんだん少なくなって、何げなく“最近私たち、会話がないわね”とぼやいたんです。すると彼も頷きました。出会ったころのときめきも失せてしまい、彼が夜になると必ず子どもたちのいる自宅に戻ろうとする様子にも、飽き飽きしていました」 ズルズルとした関係で過ぎた10年。とうとう11年目の正月、初詣に出かけた帰りに蕎麦屋で酒を飲んでいるうちに、どちらからともなく「別れようか」という話が出た。「別れ話は淡々と終わりました」 熟しすぎた果実が腐敗して地面に落ちてしまったように、麻由美さんの10年不倫の最後はあっけなかった。10年にわたる2人の気持ちのズレが、澱のようにたまっていたことがわかったという。 その後、麻由美さんは再び引っ越しをして転職した。皮肉にも、元夫から紹介された会社で働きながら婚活中だ。再婚した元夫は2児のパパ。自分の思いが朽ちるまで、ひとりの男性を思い続けた麻由美さんと新しい生活を手に入れた元夫。一体どちらが幸せなのだろう─。「後悔はしていません。あんなに好きになった人はいなかったから」 見栄ではなく心からそう思っていると麻由美さん。燃え尽きるまでの思い出はきっと彼も同じだから。取材・文/夏目かをる
麻由美さん(仮名・49歳)が3歳年下の彼と出会ったのは、彼女がクッキング教室の講師だった10年前のことだ。彼はクッキング教室の設備に必要な物品を納入する営業マンだった。
「最初の出会いは事務所でした。特に強い印象はなかったんですが、翌月から平日の夜間の教室に生徒として参加してきたんです。彼の快活な性格が授業の雰囲気を明るくしてくれました」
半年間の授業が終了後、ほかの生徒らと一緒に打ち上げに参加。彼と帰りの方向が一緒だったこともあり、麻由美さんはバーに誘われた。
「2人きりで飲んでいるうちに、仕事やプライベートのことなどもざっくばらんに話してくれました。クッキング教室に通うようになったきっかけが、奥さんの料理がまずいからだと笑いながら言っていました」
今後はどんな講師を目指すのかと彼から質問された麻由美さん。実はクッキング教室の講師の職をいったん休止して、営業代行をしている夫の会社の仕事を手伝うと打ち明けると、「寂しいなあ」と彼がため息をついたという。
「その後、彼からワイン会のお誘いがあったんです。いつか料理講師に復職したいという思いもあったので、ディナー付きの会も勉強になると思って参加しました」
一緒に参加しているうちに、ほかの参加者からカップルだと勘違いされた。否定しているうちに、心のどこかで「そうなったらいいな」と思うようになっていた。だがそのたびに、自分の気持ちを心の中で打ち消したという。
「“不倫はいけない”と、ずっと心に刻まれていました。というのは親しい友人が不倫相手に夢中になって、つらい別れをしたからです。そのため彼に対する気持ちを抑えていました」
そんな関係が続く中、その年の暮れに、何回目かのワイン会が終わってから彼に誘われたバーで「地方赴任が決まった」と打ち明けられた。
「もう会えないのかなと思うとすごくショックでした。その気持ちを伝えると、“僕も”と言って、彼は私の手を握ってきたんです。思わず彼に対する気持ちがあふれてきて“私も”と答えると、私の手を握る彼の手がますます強くなって。そのままホテルに行きました」
東京を去る前に、1度きりの大人の関係にするつもりだった。ところが麻由美さんの心と身体に火がついてしまったのだ。
「夫とは数年前から、1年に数えるほどしかセックスをしていなかったので、急に燃え上がってしまったんです。彼のことが欲しくてたまらなかった」
恋しくなるたび、彼にも自分にも家庭があると自分に言い聞かせ、不倫の後につらい別れを経験した友達のことを思い出した麻由美さん。
「でも会いたい気持ちが抑えられなくて……。東京を離れる少し前に、彼から“もう1度会いたい”と連絡があって。どうしたらいいか困ってしまったんです。そこで不倫を経験した友達に相談することにしました。彼女ならきっと止めてくれるだろうと」
ところが予想に反して、友達から「自分の気持ちのとおりに行動してみたら。人生は1度きりなんだから」との言葉が。
「友達に背中を押された私は、流れに従おうと思いました。彼にすぐに連絡をしてその日のうちに会うと、彼は地方赴任が終わったら一緒に暮らそうと言ってくれて……。彼は妻と、私も夫と別れて独身に戻ってから結婚しようって」
地方赴任は3年間。その間、麻由美さんは夫と話し合って離婚をしようと決めた。だが、いざ彼のことを話そうとすると、“大反対される”と直感のようなものが働いたという。
「私が夫以外の男性を愛していることがわかってしまうと、プライドの高い夫は離婚してくれないでしょう。そこで講師としてキャリアを積みたいから離婚してほしいと離婚に同意を求めました。夫が承諾しなかったので、私の判を押した離婚届を置いて家を出ました」
友達の家に間借りしながら、夫の返事を待っていた。ところが夫は“好きな仕事と両立してもいいので、離婚に同意しない”と断固拒絶の姿勢を伝えてきた。麻由美さんは離婚訴訟などで泥沼化することを覚悟したのだが─。
「その半年後、手のひらを返したように、夫が離婚に応じてきたんです。“今、会社を手伝ってくれる人と結婚したい”って。肩透かしをくらいましたが、その女性に感謝しています」
離婚後、麻由美さんが彼の赴任先のワンルームマンションを訪れて、2人の将来について話し合った。
「彼には専業主婦の妻と小学生と中学生の息子がいました。妻は働きたくないため、慰謝料のほか毎月の生活費と養育費を要求されるだろうと。でも、そのために稼ぐから心配しないで、と言ってくれた彼の頼もしさに感動しました。“私も働くからひとりで背負い込まないで”と労ると、抱きしめられました」
愛を確認した麻由美さんは東京に戻り、講師に復職。一方、彼のほうは3年後に赴任先から戻ってくると家を出た。そして家賃20万円の瀟洒なマンションで一緒に暮らし始めたという。しかし─。
「彼は妻に何度も離婚を申し出たそうですが、ことごとく断られてしまい……。将来が見えなくて不安でしたが、今思うと、2人で暮らしていたあのころがいちばん幸せでした」
だが、そんな幸せは長く続かない。1年後、彼の会社の業績が右肩下がりになってしまい、彼の年収も激減。妻子への生活費に加え、麻由美さんと暮らすマンションの家賃を払い続けることが困難となったため、賃貸マンションを解約。2人の関係は終わった。
「そのころ、私の勤務先に匿名で不倫の告発と、証拠写真が送られました。彼の奥さんが仕組んだのでしょう。生徒と不倫したことで懲戒免職になり、業界にも噂が広まってしまったので、講師の仕事も断念せざるをえなかった」
いつか結婚しようと約束していた彼。ところが思い描いていたように進まない現実を突きつけられ、麻由美さんに残ったのは絶望感だけだった。
「彼は妻と子どものいる家に戻り、私は小さなアパートに部屋を借りて飲食店でバイトしながら次の仕事を探していました。そんな中、彼のほうから会いたいと連絡があり、たまらなく恋しくなって“1回だけ”と……」
その後、麻由美さんはようやく某企業の営業職の仕事が決まり、収入も増えて2LDKのマンションに引っ越した。彼と別れて一からやり直そうと思っていたのだが、孤独に耐えられなくなり、自分から彼に連絡してしまい、再び会うように。それからは別れてはまたくっつくという繰り返しで年月が流れていく。
「いつの間にか増えた不倫友達らと煮え切らない男性の不平不満を漏らし合ったり、状況を嘆いたりしました。でも最後に“彼のことを愛している。頑張ろう”と自分を鼓舞しました。いつしか自分の目的が彼との結婚ではなく、彼と別れないことになっていたんですね」
そんな彼との関係に変化の兆しが表れたのは、不倫10年目のことだった。
「毎日彼は私のマンションで夕食を食べます。私の手料理を褒める回数もだんだん少なくなって、何げなく“最近私たち、会話がないわね”とぼやいたんです。すると彼も頷きました。出会ったころのときめきも失せてしまい、彼が夜になると必ず子どもたちのいる自宅に戻ろうとする様子にも、飽き飽きしていました」
ズルズルとした関係で過ぎた10年。とうとう11年目の正月、初詣に出かけた帰りに蕎麦屋で酒を飲んでいるうちに、どちらからともなく「別れようか」という話が出た。
「別れ話は淡々と終わりました」
熟しすぎた果実が腐敗して地面に落ちてしまったように、麻由美さんの10年不倫の最後はあっけなかった。10年にわたる2人の気持ちのズレが、澱のようにたまっていたことがわかったという。
その後、麻由美さんは再び引っ越しをして転職した。皮肉にも、元夫から紹介された会社で働きながら婚活中だ。再婚した元夫は2児のパパ。自分の思いが朽ちるまで、ひとりの男性を思い続けた麻由美さんと新しい生活を手に入れた元夫。一体どちらが幸せなのだろう─。
「後悔はしていません。あんなに好きになった人はいなかったから」
見栄ではなく心からそう思っていると麻由美さん。燃え尽きるまでの思い出はきっと彼も同じだから。
取材・文/夏目かをる

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