“世界遺産”で転落事故 柵が腐食で折れ… “老朽化”で危険な橋は全国各地に

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島根県にある世界遺産「石見銀山遺跡」で川沿いの柵が折れ、もたれていた女性が転落し亡くなりました。柵は腐食していて、このような“老朽化”による危険な橋が、昨年度末の時点で全国に6万1407箇所あるといいますが、その約6割で修理などが未着手だといいます。 ◇島根県大田市が誇る世界遺産「石見銀山遺跡」は、どこか懐かしさを感じるレトロな町並みです。その一角で8日、観光で訪れた女性が木の柵にもたれかかったところ、木の柵が破損。愛知県から訪れていた田上やすえさん(68)は、約4メートル下の川に転落し、亡くなりました。

現場の近くには、石造りのアーチが特徴の羅漢町橋(らかんちょうばし)があります。人気撮影スポットの1つで、何があったのでしょうか。観光客「水がきれいだから、のぞきたくなるのかな」「寄りかかるだけじゃ崩れなさそうだと思うんですけど。木も太いですし…」木の柵は、女性がもたれかかるだけで折れました。2010年に町並みに合わせて作られたものでしたが、“腐食”していたというのです。大田市・建設部土木課 青戸将典課長「約2年前に危険ということで、一応、注意喚起していた」市によると、2年前に柵の腐食を確認し、コーンを置くなどして近づけないようにしていたといいますが、その後、作り直されることはなく、腐食についての注意書きもありませんでした。市は、日常的に通行量の多い道路の修繕を優先させていて、予算が回せなかったと説明しました。柵の修繕は、腐食の判明から2年が経過した、来年度の予定だったということです。大田市・建設部土木課 青戸将典課長「今後このようなことが二度とないように、早急な修繕に努めていきたいと思います」 ◇町中に潜む“老朽化”の危険は、ほかにもありました。国土交通省によると、全国に72万2176か所ある橋を点検したところ、腐食などが確認され「修繕が必要」とされた橋は、昨年度末の時点で6万1407か所あるといいます。しかし、そのうち対応が終わっているのは約17%で、着手済みが約24%、未着手が約59%あるといいます ◇栃木市にも、「緊急の修繕が必要」とされた牛落橋があります。橋の手前には通行止めの看板があり、4年以上、通行止めの状態になっています。約60年前につくられた橋は柱の倒壊の恐れがあり、さらに台風の影響で一部が落橋。市は2019年から復旧工事を計画していましたがなかなか調整が進まず、来年度以降、建て替え工事を始める予定だということです。 ◇死亡事故は、修繕が間に合わずに起きてしまいました。観光地や生活圏に潜む老朽化の危険に、早急な対応が求められます。
島根県にある世界遺産「石見銀山遺跡」で川沿いの柵が折れ、もたれていた女性が転落し亡くなりました。柵は腐食していて、このような“老朽化”による危険な橋が、昨年度末の時点で全国に6万1407箇所あるといいますが、その約6割で修理などが未着手だといいます。

島根県大田市が誇る世界遺産「石見銀山遺跡」は、どこか懐かしさを感じるレトロな町並みです。その一角で8日、観光で訪れた女性が木の柵にもたれかかったところ、木の柵が破損。愛知県から訪れていた田上やすえさん(68)は、約4メートル下の川に転落し、亡くなりました。
現場の近くには、石造りのアーチが特徴の羅漢町橋(らかんちょうばし)があります。人気撮影スポットの1つで、何があったのでしょうか。
観光客「水がきれいだから、のぞきたくなるのかな」
「寄りかかるだけじゃ崩れなさそうだと思うんですけど。木も太いですし…」
木の柵は、女性がもたれかかるだけで折れました。2010年に町並みに合わせて作られたものでしたが、“腐食”していたというのです。
大田市・建設部土木課 青戸将典課長「約2年前に危険ということで、一応、注意喚起していた」
市によると、2年前に柵の腐食を確認し、コーンを置くなどして近づけないようにしていたといいますが、その後、作り直されることはなく、腐食についての注意書きもありませんでした。
市は、日常的に通行量の多い道路の修繕を優先させていて、予算が回せなかったと説明しました。柵の修繕は、腐食の判明から2年が経過した、来年度の予定だったということです。
大田市・建設部土木課 青戸将典課長「今後このようなことが二度とないように、早急な修繕に努めていきたいと思います」

町中に潜む“老朽化”の危険は、ほかにもありました。国土交通省によると、全国に72万2176か所ある橋を点検したところ、腐食などが確認され「修繕が必要」とされた橋は、昨年度末の時点で6万1407か所あるといいます。
しかし、そのうち対応が終わっているのは約17%で、着手済みが約24%、未着手が約59%あるといいます

栃木市にも、「緊急の修繕が必要」とされた牛落橋があります。橋の手前には通行止めの看板があり、4年以上、通行止めの状態になっています。約60年前につくられた橋は柱の倒壊の恐れがあり、さらに台風の影響で一部が落橋。市は2019年から復旧工事を計画していましたがなかなか調整が進まず、来年度以降、建て替え工事を始める予定だということです。

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