楽天モバイルから25億円詐欺、元部長ら3人逮捕…水増し請求50億円か

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携帯電話の基地局整備に伴う業務委託費を水増しし、楽天モバイル(東京都世田谷区)から約25億円をだまし取ったとして、警視庁は3日、同社の元物流管理部長・佐藤友紀容疑者(46)(港区高輪)ら男3人を詐欺容疑で逮捕した。
警視庁は同社への水増し請求額が2019年からの3年間で計50億円に上ったとみて調べている。
ほかに逮捕されたのは、業務委託先の物流会社「日本ロジステック」(千代田区)元常務の三橋一成容疑者(53)(神奈川県愛川町)と、再委託先の運送会社「トレイル」(港区)社長の浜中治容疑者(49)(中央区勝どき)。
発表によると、3人は共謀して21年6月、楽天モバイルが携帯電話の基地局整備に伴う資材の保管・運送業務を日本ロジ社に委託した際、倉庫の賃料や輸送車両のチャーター費などを約9億2000万円水増しし、楽天モバイルに水増し分を含む約25億円を支払わせてだまし取った疑い。
水増し分の大半は、日本ロジ社とトレイルがそれぞれ別会社を通じ、佐藤容疑者の妻が代表を務める会社口座などに還流させていた。警視庁は、楽天モバイルの物流管理を統括する立場だった佐藤容疑者が不正発注を主導したとみている。
19~21年に楽天モバイルが日本ロジ社やトレイルに払った業務委託料は水増し分を含めて計約300億円だった。警視庁は、20年に携帯電話事業に本格参入した楽天モバイルが基地局整備を急いでいたことに目をつけ、3人が不正発注を繰り返したとみている。
楽天モバイルの社内調査で不正が発覚し、佐藤容疑者は昨年8月に懲戒解雇された。楽天モバイルは3日、「多くの皆様にご心配をおかけする事態となり、深くおわびする」とのコメントを出した。

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