暴走事故初公判、つえをつき補聴器姿の97歳被告「免許返納すれば外出できなくなる」

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福島市の市道で昨年11月、軽乗用車が歩道に乗り上げ、歩行者らが死傷した事故で、自動車運転死傷行為処罰法違反(過失運転致死傷)に問われた同市の被告の男(97)の初公判が2月28日、福島地裁(三浦隆昭裁判長)であった。
被告は「間違いありません」と起訴事実を認めた。
被告は右手でつえをつき、入廷した。両耳に補聴器を着けており、裁判長や弁護人の問いかけを聞き直す場面が何度もあった。
検察側の冒頭陳述によると、被告は1日1回程度、飲食などのために近距離の運転をしていた。
被告人質問で、被告は「慌てていてブレーキとアクセルを踏み間違えた」と説明。ケアマネジャーや長女から運転をやめるように何度も言われていたというが、被告は「免許を返納するべき年齢になっていたが、返納すれば、食事などどこにも外出できなくなる」と述べた。被害者や遺族に対しては、「本当に申し訳ないことをした」と陳謝した。
起訴状では、被告は昨年11月19日午後4時45分頃、同市南矢野目の市道で軽乗用車を運転中、ブレーキとアクセルを踏み間違え、少なくとも時速60キロまで加速。歩道にいた同市八島田、調理員川村ひとみさん(当時42歳)をはねて死亡させたほか、信号待ちの車に衝突して4人に軽傷を負わせたとしている。
次回期日は3月15日で遺族の意見陳述などが行われ、結審する見通し。

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