「OHH~!!」アピタのポップもはや芸術作品? 専属デザイナーが遠慮なく明かす、制作の裏側

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スーパーマーケット・アピタ長岡店に置かれた店頭販促物(POP)が、SNSで「神デザイン」などと話題になっている。大きなぬいぐるみの売り場を、冒頭のような独特な言い回しで熱烈に宣伝する。赤や黄、黒などのビビッドな色を用いた派手なデザインでありながら、商品情報を分かりやすく伝えていると好評だ。
取材に対し、ポップを制作したスタッフは2023年3月2日、前日に読んだマンガの影響でこのようなデザインになったと明かす。
話題になったポップは、マンガの枠線のように画面が4分割されている。各枠内の黄色背景の上には黒の集中線が描かれ、雑然とした印象を与えるが、インパクトのある文字が目を引く。
右上には「WoW!」と白く縁どられた黒文字。ギザギザの赤い吹き出し内では、ぬいぐるみの種類を紹介しており「大人気!!ワニ!!サメ!!イカ!!ムシ!!」と疾走感あふれる文言を採用している。一番下の枠には、白縁取りの赤い文字で大きく「\3590」(税抜き)と、値段が記されている。
美大生とみられるツイッターユーザーが2月25日、写真付きで紹介したことをきっかけに注目を集めた。投稿は3月2日17時までに1177万回以上表示され、3万9000件のリツイート、17万9000件の「いいね」が寄せられる大きな反響を呼んでいる。
さらに「これひょっとして漫画の吹き出し・書き文字と配置近い?」「なんで背景コマ割ったんだよ」などと、マンガらしい演出を指摘する声もあった。
アピタを展開するパン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(PPIH)の広報担当者は取材に対し、グループ傘下のユニー(愛知県稲沢市)が展開する店舗には、ポップデザイナーとよばれるポップ制作専属のスタッフが常駐していると説明する。
話題になったポップを作成した長岡店のポップデザイナーは、広報担当者を通じて、次のように制作背景を説明した。
「ヒロアカ」は、集英社「週刊少年ジャンプ」で連載中の人気マンガ「僕のヒーローアカデミア」の愛称だ。アメコミ風の画風で、勢いのあるオノマトペ(描き文字の擬音)や鮮やかなカラーイラストが特徴的だ。
ポップには「OHH~!!」「WoW!!」などの単語が用いられているが、ポップデザイナーは「『YEAH!!』が出てこなかったことが、今となっては悔やまれます!」と振り返る。確かにヒロアカのグッズなどには「YEAH!」「WOW」「BOOM」などのが表現が用いられていることがある。
ポップには実際の商品の写真を採用せず、大きさも書かれていない。これについては、次のような意図があるという。
実際にツイッターでは、ポップからは想像できないぬいぐるみの大きさにも驚く声も寄せられている。
販促した「大きなぬいぐるみ」は、ユニーのオリジナル商品で、恐竜や危険生物、深海生物をモチーフとしている。大きさは2メートルを超えるものもある。
開発担当者は、広報担当者を通じて、次のように制作した背景を述べる。
各動物の特徴を再現することに力を入れたそうで、ティラノサウルスは二本足と尻尾で自立するよう、足の付け根や尻尾の位置、中綿の量などの調整を重ねたという。サメは、ぱっくりした口とギザギザの歯を、フェルトでそれらしく表現した。
広報担当者によれば、大きなぬいぐるみシリーズは発売から3年経った現在も好評だそうで、とくに「ダイオウグソクムシ」、「ダイオウイカ」が「キモカワイイ」と人気だという。
ぬいぐるみの販促ポップが話題になったことを受け、ポップデザイナーが次のように感想を述べた。

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