パチンコ店がマスク着用義務を“いち早く”解除。ファンの声は

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◆コロナ初期、魔女狩りにあったパチンコ業界の決断 新型コロナ対策としてのマスク着用について、政府が3月13日から屋内・屋外を問わず「個人の判断に委ねる」という方針を決定したのを受け、パチンコ業界団体で構成される、パチンコ・パチスロ21世紀会では、2月15日、「パチンコ・パチスロ店営業におけるマスク着用の取扱いについて」という文書を発出した。
文書によれば、マスク着用の考え方を見直すとしながら、3月13日から遊技客のマスク着用は個人の判断に委ねることを明言した。その理由としては、一般の商業施設が、政府がマスク着用を推奨する対象となっていないことに加え、パチンコ店は他の商業施設と比べ格段に換気性能が良いことを挙げている。
またパチンコ店スタッフについては、遊技客との会話の機会が少なくないことや、遊技客に比較的高齢者も多いことから、3月中はマスクを着用とし、4月以降は、マスクの着用を求めないことを基本とするとした。これは政府が学校教育活動の実施にマスク着用を求めないことを基本とする時期に合わせたもの。
◆クラスターは現在まで0件だったパチンコ店
なお、基本的には上記のような対応となるが、パチンコ・パチスロ店内における感染対策上または営業上の理由等により、遊技客又は従業員にホール営業者の判断でマスクの着用を求めることは差し支えないと付記した。
政府の突然の判断で、まだ多くの商業施設で、客のマスク着用についての方針を明らかにしていないなか、パチンコ業界がいち早く「個人判断」を決断したことは正直驚く。
なぜなら、新型コロナウイルスの感染拡大が憂慮された初期、パチンコ店はクラスターが起こりうる危険施設かのようなバッシングが続き、ワイドショーをはじめとして連日メディアのトップとして報じられた。結果として客を巻き込んだクラスターは現在までも0件であるものの、当時は自治体首長らがこぞってパチンコ店を攻撃し、休業要請に従わない店舗名の公表等、社会的にパチンコ店は感染の温床のような扱われ方をした。業界にとっては、いつ吹き止むやも分からない社会的批判の嵐に晒され続けた。
◆日本一とも言われる換気性能
そのパチンコ業界が多くの業種業態のなかでも、いち早く、マスク着用を客の個人判断に任せるとしたことには、日本一とも言われる換気性能の良さに加え、過去3年間、一度もクラスターを出さなかったという実績の裏付けがある。
SNSでパチンコ業界団体が「3月13日からマスクは客の個人判断」と公表したことで、ファンからは様々な声が上がっている。
「やっとマスク解禁か…長かった」「遊技台の間にはボード(飛沫感染防止ボード)もあるし、着けたい人は着ければ良い」「マスク生活もあとわずか、喜ばしいこと!」「俺たちのアイドル店員が、アイドルじゃなくなってしまうかも…」
などとマスクを外すことに賛意を示す声が多い。これはパチンコ店に限った話ではなく、社会全体で歓迎する声が大きいことが反映されているのだろう。
一方で、まだマスクを外すことに不安を感じる人が少なからずいるという事実もある。特に高齢者層にその傾向は強く、ホール関係者からは、「他のお客さんがマスクを外したら、高齢者の方の足がまた遠のいてしまうのでは」と不安の声も漏れ聞こえる。
3年以上に及ぶ新型コロナの非常事態からの脱却を目指すのだから、社会的なハレーションが起こるのは仕様がないこと。あくまでパチンコ店でもマスクの着脱は「個人判断」としているので、当分の間は変わらずマスクを着用し続ける客もいるのだろう。
それでも社会の正常化を目指すうえで、過去の苦渋に苛まれ続けたパチンコ店が、この判断をしたことは大きな影響を及ぼしていくのではないか。
<文/安達夕>

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