伯母から相続放棄を迫られア然、1年後がめつい伯母に天罰がくだる

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幼いころは仲がよかった親戚でも、年齢を重ねると疎遠になることも少なくありません。そして「葬儀」という悲しいセレモニーで再会することもしばしば。
再会を懐かしむ人々もいれば、その再会が問題の種となる時もあるでしょう。今回は、そんな親戚づき合いにおいて起こったエピソードを紹介します。
◆祖母の容態悪化で久々の再会
話を聞いたのは菓子職人の智美さん(仮名・26歳)。10歳の頃に父親を亡くし、不幸にもそれから8年後の18歳の時に母親が他界したそうです。現在は東京郊外の一軒家に弟と二人で住んでいるとのこと。そんな智美さんには、伯母である母親の姉が二人いて、亡き母親の母、つまり祖母も健在だそう。
「母親が亡くなってからは母方の親戚とは疎遠になっていたんです。小さい時はおばさん二人ににもよく遊んでもらった記憶はあるんですが、母のお葬式以降は年賀状もこなくなり、付き合いがなくなりました」
そんなある日、突然伯母から連絡を受けたという智美さん。数年前から入院していた祖母の容態が良くないとの知らせでした。早速弟と一緒に見舞いに行くと、病床には想像以上に年老いた祖母が虫の息で横たわっていたそうです。
◆祖母の他界と伯母からの連絡
病院へ見舞いに行って1週間後、智美さんは伯母からの電話で祖母が他界した事を知ります。少し前に訪れた場所に、今度は喪服を着て弟と一緒に再び訪れることになった二人。参列者も多く規模の大きい葬儀だったようです。
「周りの親戚も年齢を重ねていて昔の面影はなかったり、それこそ全く会ったこともない人もいたりと、私と弟はお焼香を済ませて一応手短に親族にあいさつをして葬儀場をあとにしました。そしたら、その翌日の朝早くに伯母から電話がかかってきて、会いたいと言われたんです」
電話口では特に要件を話さなかった伯母は、とにかくできるだけ早く会いたいと言ってきたそうです。智美さんは不自然だと思いながらも、その週末の土曜日に新宿のとある喫茶店で会う約束をしたそう。
◆喫茶店で相続放棄を迫られる
約束の日、喫茶店で顔を合わせた伯母は、開口一番相続放棄について話し出します。話の意図がつかめない智美さんのことはお構いなく、カバンから取り出した一枚の用紙に押印を迫ったと言います。
「え?って感じでしたよ。いきなり話し出すんですもん。あまりにも意味がわからなかったので理由を聞いたら、祖母が生前に借金をしているかもしれないから、もし何らかの負債があったらあなた達に迷惑がかかるので、相続放棄をしてほしいと言うんです。よくわからないし、もう関わりも持ちたくなかったからハンコを押しました」
困ったような表情でそう語った智美さん。伯母は押印を確かめた後、ほとんど何も話さずにそそくさと帰っていったそうです。
◆法学部卒の弟に相談すると
智美さんは法学部を卒業している弟に伯母とのやりとりを話すと「それはさ、おばさんがおばあちゃんの家を独り占めしたいだけだよ」と一言。確かに、亡き祖父も祖母も負債を作るような人ではなかったと振り返る智美さん。
「弟の言う通りだと思いましたよ。でも、いいんです。私達に迷惑がかからなければね。本当に大嫌いです! でも、もう一人のおばさんは母親とも仲がよくて、おばあちゃんの葬儀の時にLINE交換したんです。それだけでも行ってよかったと思ってます」
◆1年後に自己破産した伯母
それから1年ほど経ったある日、姉が自己破産したともう一人の伯母から連絡が入ったそう。驚いたことに、祖母は生前証券会社の営業マンに上手く乗せられ先物取引に手を出していらしく、後に負債が発覚したとのこと。実家を処分しても穴埋めはできなかったらしいのです。
「もう一人の伯母も実は姉から相続放棄を迫られていたらしく難を逃れたらしいんです。ほんと、どこまで自分勝手なんでしょうね。神様が罰を与えたんでしょうね…もう伯母とは一生会うことはないと思います。一つだけ言うなら、今回のことで少しだけ相続について学べたような気がします」
―シリーズ「捨てて/やめてよかった!人・モノ・習慣」―<文/大杉沙樹>

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