こたつで「寝落ち」、突然死のリスクが上がるって本当? 内科医に真偽を聞いた

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暖かいこたつに入っているうちに眠くなり、そのまま“寝落ち”してしまった――。そんな経験がある人はきっと多いことでしょう。「こたつで寝ると風邪をひく」とは昔からよくいわれますが、実は、こたつで寝てしまうことによって「突然死」のリスクが高まり、実際に命を落とした事例もあるようです。
こたつで寝ると「突然死」の危険性が高まるのは本当なのでしょうか。内科医の市原由美江さんに聞きました。
Q.こたつで寝てしまうことで、突然死のリスクが上昇するのは本当ですか。
市原さん「本当です。こたつに入って寝ることは、すなわち『高温の環境で長時間過ごす』ことです。そのため、寝ている間に体温が上昇し、発汗による水分の喪失が起こります。また、寝ていると水分摂取ができず、水分の喪失が起こり続けるため、結果として脱水症状を引き起こします。
脱水によって引き起こされる病気として、脳梗塞や心筋梗塞が挙げられます。脱水で血液中の水分量が減ると、血液がドロドロの状態になり、血栓ができやすくなるからです。脳梗塞であれば意識障害やまひ、ろれつが回らないといった症状、心筋梗塞であれば胸の圧迫感や激しい胸痛が起こります」
Q.突然死を招きやすい「こたつの入り方」とは。
市原さん「こたつに入るのが脚の一部であれば、問題は少ないかと思います。しかし、こたつに下半身、あるいは上半身も含めて入っている状態で寝ると、体が長時間、高温にさらされることになるため、脱水症状を引き起こす可能性が高くなります。こたつの設定温度にも注意し、低めにしましょう。
また、飲酒した後も要注意です。飲酒後は利尿作用が高まっている状態のため、そのままこたつで寝ると、リスクはさらに上がります」
Q.万が一、こたつで寝てしまった場合、どうすればいいですか。
市原さん「脱水症状を引き起こしているときや、脱水状態に陥りそうなときは、吐き気や動悸(どうき)、倦怠(けんたい)感などの症状が出ます。また、起き上がったときの目まいやふらつき、皮膚・口腔内の乾燥、尿量の低下を自覚することもあります。
もし、こたつで寝てしまったら、まずは水分をしっかりと摂取してください。それでも改善しない場合は点滴での治療が必要なケースや、他の病気の可能性もあるため、医療機関を受診しましょう」

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