すっかり存在感が薄れていた自民党の小泉進次郎・衆院議員が、捲土重来を期して“異次元の対策”に着手したようだ。2月10日、求人サイト「インディード」に小泉進次郎事務所の私設秘書を募る求人が掲載されたのだ。抜群の知名度を誇る国会議員が、求人サイトで秘書を募集するという珍しい事態には、永田町の人たちも首をかしげている。
【写真】求人サイト「インディード」の画面。「アットホームな職場」で「有権者にセールスしてもらうお仕事です」。年収例は「入社5年目で564万9786円」〈小泉進次郎事務所での私設秘書業務〉と題した求人サイトの専用ページには、熱のこもった募集内容が記載されている。職務内容は〈小泉進次郎の地元事務所(横須賀市)にて、政治への関心や社会への問題意識を持って、政治に携わりたい方を募集しています〉〈小泉進次郎の分身として選挙区内(横須賀市・三浦市)で活動しつつ、有権者にセールスしてもらうお仕事です〉とあり、〈地元での議員随行〉〈各種会合への代理出席〉〈自民党員の勧誘〉〈自民党広報掲示板の設置〉などが並ぶ。
環境相も務めた進次郎氏の「分身」とはなかなか荷が重そうで、「有権者にセールス」という言葉も聞き慣れないが、雇用形態は「正社員」とされていて給与は月給25万円。年収例として入社1年目で486万384円、入社5年目で564万9786円、年1回の昇給と年2回(3か月分)の賞与もあるという。2020年には現役閣僚として初めて「育休」を取得した進次郎氏らしく、「育児休業」「産前産後の休業」「生理休暇」などももちろん完備されているようだ。 経歴や資格は不問で人物本位の採用として〈小泉進次郎と共に、政治を動かしたいという熱意のある方〉〈勤務態度などを考慮し、公設秘書(特別職国家公務員)への登用もあります〉とある。求める人材の「必須条件」は〈自民党に入党できる方〉など、通常の社員募集では見慣れない文言もあり、「こんな方も活躍できます!」という項目には〈芸能事務所などのマネージャーなどをご経験されてきた方も活躍できます〉との記載もある。 全国紙の政治部記者がこう語る。「国民からは人気のあった進次郎氏ですが、秘書のなり手はなかなかいなくて困っているということのようです。2021年には進次郎氏の事務所の“女帝秘書”と報じられた公設第一秘書の影響もあって、議員会館と地元で計7~8人前後いた秘書が、1年で少なくとも5人が辞めてしまったと伝えられました。そういうところからも、進次郎氏の事務所は働きづらさがあるのかもしれません。 私設秘書とはいえ、国会議員が求人サイトのようなところで秘書を公募することはめったにありません。秘書募集でいえば河井克行・元法相(公職選挙法違反罪で実刑確定)がハローワークで秘書を募集していたことが話題になったくらいです。ましてや進次郎氏は若くして閣僚経験もあり、4代続く国会議員一族で本人の知名度も抜群。いくらでも秘書のなり手は紹介されるはずなんです。もっとも、そうした旧態依然なことをせず、求人サイトのようなところで広く募ることで秘書にも新しいタイプの人材を採用して多様性をもたせたいということかもしれません」 本誌・週刊ポストは進次郎氏の事務所に、求人サイトに秘書募集をした経緯などを訊ねたが、期日までに回答はなかった。 進次郎氏といえば、岸田文雄首相の秘書官を務めた荒井勝喜氏の性的少数者や同性婚をめぐる差別発言についてブログ(2月4日付)で〈多様な価値観・生き方を否定するような発想では良い意味で「異次元」の政策には絶対にならない〉と批判し、〈「異次元」とは、自民党自身が過去の限界を超える政策に踏み込むことだと思います〉と岸田首相が掲げる「異次元の少子化対策」について注文をつけた。かつて自民党の若手ホープとされた頃の “進次郎節”が息を吹き返したとみるむきもある。〈過去の限界を超える政策〉は、自身の事務所においても実行しようとしているようだ。
〈小泉進次郎事務所での私設秘書業務〉と題した求人サイトの専用ページには、熱のこもった募集内容が記載されている。職務内容は〈小泉進次郎の地元事務所(横須賀市)にて、政治への関心や社会への問題意識を持って、政治に携わりたい方を募集しています〉〈小泉進次郎の分身として選挙区内(横須賀市・三浦市)で活動しつつ、有権者にセールスしてもらうお仕事です〉とあり、〈地元での議員随行〉〈各種会合への代理出席〉〈自民党員の勧誘〉〈自民党広報掲示板の設置〉などが並ぶ。
環境相も務めた進次郎氏の「分身」とはなかなか荷が重そうで、「有権者にセールス」という言葉も聞き慣れないが、雇用形態は「正社員」とされていて給与は月給25万円。年収例として入社1年目で486万384円、入社5年目で564万9786円、年1回の昇給と年2回(3か月分)の賞与もあるという。2020年には現役閣僚として初めて「育休」を取得した進次郎氏らしく、「育児休業」「産前産後の休業」「生理休暇」などももちろん完備されているようだ。
経歴や資格は不問で人物本位の採用として〈小泉進次郎と共に、政治を動かしたいという熱意のある方〉〈勤務態度などを考慮し、公設秘書(特別職国家公務員)への登用もあります〉とある。求める人材の「必須条件」は〈自民党に入党できる方〉など、通常の社員募集では見慣れない文言もあり、「こんな方も活躍できます!」という項目には〈芸能事務所などのマネージャーなどをご経験されてきた方も活躍できます〉との記載もある。
全国紙の政治部記者がこう語る。
「国民からは人気のあった進次郎氏ですが、秘書のなり手はなかなかいなくて困っているということのようです。2021年には進次郎氏の事務所の“女帝秘書”と報じられた公設第一秘書の影響もあって、議員会館と地元で計7~8人前後いた秘書が、1年で少なくとも5人が辞めてしまったと伝えられました。そういうところからも、進次郎氏の事務所は働きづらさがあるのかもしれません。
私設秘書とはいえ、国会議員が求人サイトのようなところで秘書を公募することはめったにありません。秘書募集でいえば河井克行・元法相(公職選挙法違反罪で実刑確定)がハローワークで秘書を募集していたことが話題になったくらいです。ましてや進次郎氏は若くして閣僚経験もあり、4代続く国会議員一族で本人の知名度も抜群。いくらでも秘書のなり手は紹介されるはずなんです。もっとも、そうした旧態依然なことをせず、求人サイトのようなところで広く募ることで秘書にも新しいタイプの人材を採用して多様性をもたせたいということかもしれません」
本誌・週刊ポストは進次郎氏の事務所に、求人サイトに秘書募集をした経緯などを訊ねたが、期日までに回答はなかった。
進次郎氏といえば、岸田文雄首相の秘書官を務めた荒井勝喜氏の性的少数者や同性婚をめぐる差別発言についてブログ(2月4日付)で〈多様な価値観・生き方を否定するような発想では良い意味で「異次元」の政策には絶対にならない〉と批判し、〈「異次元」とは、自民党自身が過去の限界を超える政策に踏み込むことだと思います〉と岸田首相が掲げる「異次元の少子化対策」について注文をつけた。かつて自民党の若手ホープとされた頃の “進次郎節”が息を吹き返したとみるむきもある。
〈過去の限界を超える政策〉は、自身の事務所においても実行しようとしているようだ。