「電通多すぎる」と上司指摘…元次長が応札見込み報告、受注調整を加速か

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東京五輪・パラリンピックを巡る談合事件で、大会組織委員会大会運営局元次長の森泰夫容疑者(55)(独占禁止法違反容疑で逮捕)が入札前の2018年春頃、受注希望企業の応札見込みについて、上司に一覧表を示して報告していたことがわかった。
森容疑者は上司から入札方法の変更や「電通が多すぎる」などの注文を受けたという。東京地検特捜部は、上司の指摘がきっかけで森容疑者らが受注調整を加速させた可能性があるとみている。
関係者によると、森容疑者はテスト大会の計画立案業務の入札前、競技単位での入札を前提に各社の応札意向をまとめた一覧表を上司に示しながら報告。上司からは、「電通が多すぎる」と指摘されたり、「競技単位ではなく、会場単位での入札を」と注文されたりしたという。
これを受け、森容疑者は、電通元スポーツ局局長補の逸見(へんみ)晃治容疑者(55)(同)らとともに受注調整を急ピッチで進行。会場単位の入札に変更するにあたっては、一つの会場で複数の競技が行われるケースも多いことから、元請けと下請けを振り分けるといった内容などで一覧表を頻繁に更新したとみられる。森容疑者はこの上司に「なんとか応札してくれそうです」などといった報告もしたという。
特捜部は上司から任意の事情聴取を実施し、一連の経緯を確認。上司は特捜部に「受注調整には関与していない」と説明しているという。
上司は読売新聞の取材に対し、「談合が行われているようなことは全然知らなかった。(その点は)捜査当局にも理解してもらった」と不正への関与を否定し、「談合が起きないようにするよう伝えていた」とも語った。森容疑者から一覧表を示されたかどうかについては「言わない」とした。

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