広島県福山市は17日、昨年11月に、緑町公園(緑町)に接する水路に、未就学の男児が転落して死亡する事故があったと明らかにした。
同じ水路では過去に2回、死亡事故が起きており、これで死者は計3人。市は現場にフェンスを設置し、2月には警察や住民、有識者でつくる事故の検証委員会を設置し、課題を話し合う。
市と福山東署によると、昨年11月2日午後、公園で遊んでいた子どもが見当たらないと家族が110番した。その後、公園の南東に接する水路で意識不明の状態で見つかり、搬送先の病院で死亡が確認された。
水路は長さ約200メートル、幅約2メートル、水深約1・4メートル。水路と接する遊歩道は生け垣で隔てられていたが、約20か所に隙間があり、こうした部分から転落した可能性もあるという。
同じ水路では2006年に小学1年の男児が、13年に40歳代の男性が死亡している。いずれも転落したとみられ、市は生け垣の増設や一部にフェンスを設けるなどの措置を講じたという。
今回の事態を受け、市は水路に面する市管理の公園60か所を緊急点検し、22か所で対策が必要と判断した。一方、事故が起きた緑町公園の水路には今月、生け垣の奥に高さ1メートルのフェンスを180メートルにわたり設置した。
枝広直幹市長は「痛ましい事故で重く受け止めている。これまで安全管理は怠りなく対策を講じてきたつもりだが、対応を見直し、市民の安全をしっかりと確保する」と述べた。