冠水した道路…流れに「沿って歩く」「逆らって歩く」どちらが危険? 記者が体験!雨の怖さと避難のポイント

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近年、全国各地で大きな被害をもたらしている集中豪雨。身近な道路が冠水して「ひとごとではない」と思った人もいるのでは。水害時の避難はどのくらい難しい? 心掛けるべきポイントは? 秋の長雨&台風シーズンを前に、コノコト編集室スタッフが体験してきました。
【動画】見えない怖さは想像以上!…暗い中で「流れと同じ方向に歩く」体験 ◇ ◇訪れたのは、地震や火災など、さまざまな災害について学べる体験型施設「四季防災館」(富山市)です。今回は、数ある体験メニューの中から、浸水時の避難を想定した「流水」と「風雨災害」の2つに挑戦。解説員の伊東勲さんに案内してもらいました。

まずは流水体験から。ここでは一方向に水が流れる深さ15、30、45僂凌總紊涼罎鯤發ます。「深さ15僂覆鵑董△燭い靴燭海箸覆ぁ廚班遒襪覆れ。子どもの頭をイメージした風船を沈めたところ、流れる水は風船をすっぽりと包み込みました。防災館では安全が十分確保されていますが、現実の避難時に転んで倒れると、おぼれてしまう危険性だってあります。さっそく胸まである胴長靴を着込み、流速0.5m/秒から挑戦しました。身長約158僂了笋砲箸辰董⊃綽15僂和首より少し上くらいの高さ。流れに沿って歩くぶんには、それほど難しくありません。ところが30僉覆佞らはぎの中ほど)になった途端に、足を締め付けるような水圧がかかり、45僉覆劼兇旅發機砲任藁れに押される感覚を味わいました。次に、流れに逆らって歩いてみたところ、先ほど以上に水の抵抗を受けて、足が重く感じます。特に水深45僖勝璽鵑蓮△なかに力を入れて歩く必要がありました。そのまま流速を1m/秒に上げると状況は一変。水深15僂了点で歩きにくく、30儖幣紊任和を高く上げると、バランスを崩しそうになります。すり足気味に進んでゴールを目指しました。水から上がって、一息ついていると「流れに逆らう方が体力は必要ですが、より危険なのは流れに沿って歩く場合です」と伊東さんからアドバイスが。ちょっと意外に思いましたが、後ろから押されると踏ん張りがききにくい上、浮遊物が流れてきても気が付かないと聞いて納得しました。そもそも、体験の水は透明で、段差部分には黄色い目印が付いていますが、これが泥水で足元が見えなかったら…気づかぬうちに深みにはまったり、危険物にぶつかったりするかもしれません。館内照明を消し、暗い中での歩行も体験しましたが、見えない怖さは想像以上でした。 ◇ ◇次は風雨災害体験です。ここでは暴風と豪雨の威力を段階的に味わえます。最大出力の風速30m/秒&降水量150/時は、家屋の倒壊や大規模災害が発生するレベル…やや不安を覚えながらも、いざ入室です!風速10m/秒(予報用語でいう、やや強い風)までは余裕の構えでしたが、20m/秒(非常に強い風)を超えたあたりから、伊東さんのマイクアナウンスが聞こえなくなり、安全バーを握る手にも力が入ります。マックス30m/秒(猛烈な風)になり、雨も同時に降り出すと、前かがみの姿勢で耐えるだけの状態に。全身に雨粒がバチバチと当たり、ゴーグルをしていても思わず目をつぶってしまいます。何より驚いたのは、あまりの風圧と雨量で息が苦しくなったことでした。「風速30m/秒は、高速道路を時速108kmで走るのと同じ風圧ですからね。実際には、風にあおられてさまざまな物が飛んでくるので、さらに危険な状態になります。強風時には外出を控えてください」(伊東さん) ◇ ◇伊東さんは「災害から身を守る上で、何より大切なのは早めの避難。自治体からの指示には、速やかに従ってほしい」と強調し、冠水した道を歩く際のポイントを教えてくれました。冠水した道を歩くときは…けがをしないように長袖・長ズボンを着用足元は、脱げやすいサンダルや長靴ではなく、スニーカーで荷物はリュックに詰めて両手を空ける深みや危険物を回避するため、杖や傘で周囲の地面を突きながら歩く流れに沿って進む場合は、後方からの浮遊物に注意一方、最近のゲリラ豪雨はあっという間に被害が拡大し、逃げ遅れることも考えられます。「夜間も含めて、外に出るのが危険と判断される場合は、上階へ逃げる『垂直避難』も検討してください」。玄関には浸水を防ぐために土のうを置きたいところですが、備えがない場合は、ごみ袋などに水を入れて並べるだけでも、急場しのぎにはなるといいます。近年の被害報道から「風水害は怖い」と思っていましたが、「見る」と「する」では大違い。疑似体験を通して、防災意識が一層高まりました。四季防災館では、誰でも災害体験が可能です。夜間の災害発生を想定した「ナイトツアー」なども企画されていますので、ぜひ参加してみてはいかがでしょうか。 ◇ ◇【富山県広域消防防災センター「四季防災館」】住 所:富山市惣在寺1090-1時 間:9:00~17:00(体験受付は16:30まで)入館料:無料休館日:毎週月曜、年末年始、その他※コロナ対策のため、一般の方の豪雨体験は休止しています(2022年8月現在。暴風体験は可能)※各体験コーナーには年齢制限があります。詳しくは公式HPで確認してください。(まいどなニュース/コノコト)
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訪れたのは、地震や火災など、さまざまな災害について学べる体験型施設「四季防災館」(富山市)です。今回は、数ある体験メニューの中から、浸水時の避難を想定した「流水」と「風雨災害」の2つに挑戦。解説員の伊東勲さんに案内してもらいました。
まずは流水体験から。ここでは一方向に水が流れる深さ15、30、45僂凌總紊涼罎鯤發ます。「深さ15僂覆鵑董△燭い靴燭海箸覆ぁ廚班遒襪覆れ。子どもの頭をイメージした風船を沈めたところ、流れる水は風船をすっぽりと包み込みました。防災館では安全が十分確保されていますが、現実の避難時に転んで倒れると、おぼれてしまう危険性だってあります。
さっそく胸まである胴長靴を着込み、流速0.5m/秒から挑戦しました。身長約158僂了笋砲箸辰董⊃綽15僂和首より少し上くらいの高さ。流れに沿って歩くぶんには、それほど難しくありません。ところが30僉覆佞らはぎの中ほど)になった途端に、足を締め付けるような水圧がかかり、45僉覆劼兇旅發機砲任藁れに押される感覚を味わいました。
次に、流れに逆らって歩いてみたところ、先ほど以上に水の抵抗を受けて、足が重く感じます。特に水深45僖勝璽鵑蓮△なかに力を入れて歩く必要がありました。
そのまま流速を1m/秒に上げると状況は一変。水深15僂了点で歩きにくく、30儖幣紊任和を高く上げると、バランスを崩しそうになります。すり足気味に進んでゴールを目指しました。
水から上がって、一息ついていると「流れに逆らう方が体力は必要ですが、より危険なのは流れに沿って歩く場合です」と伊東さんからアドバイスが。ちょっと意外に思いましたが、後ろから押されると踏ん張りがききにくい上、浮遊物が流れてきても気が付かないと聞いて納得しました。
そもそも、体験の水は透明で、段差部分には黄色い目印が付いていますが、これが泥水で足元が見えなかったら…気づかぬうちに深みにはまったり、危険物にぶつかったりするかもしれません。
館内照明を消し、暗い中での歩行も体験しましたが、見えない怖さは想像以上でした。
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次は風雨災害体験です。ここでは暴風と豪雨の威力を段階的に味わえます。最大出力の風速30m/秒&降水量150/時は、家屋の倒壊や大規模災害が発生するレベル…やや不安を覚えながらも、いざ入室です!
風速10m/秒(予報用語でいう、やや強い風)までは余裕の構えでしたが、20m/秒(非常に強い風)を超えたあたりから、伊東さんのマイクアナウンスが聞こえなくなり、安全バーを握る手にも力が入ります。
マックス30m/秒(猛烈な風)になり、雨も同時に降り出すと、前かがみの姿勢で耐えるだけの状態に。全身に雨粒がバチバチと当たり、ゴーグルをしていても思わず目をつぶってしまいます。何より驚いたのは、あまりの風圧と雨量で息が苦しくなったことでした。
「風速30m/秒は、高速道路を時速108kmで走るのと同じ風圧ですからね。実際には、風にあおられてさまざまな物が飛んでくるので、さらに危険な状態になります。強風時には外出を控えてください」(伊東さん)
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伊東さんは「災害から身を守る上で、何より大切なのは早めの避難。自治体からの指示には、速やかに従ってほしい」と強調し、冠水した道を歩く際のポイントを教えてくれました。
冠水した道を歩くときは…けがをしないように長袖・長ズボンを着用足元は、脱げやすいサンダルや長靴ではなく、スニーカーで荷物はリュックに詰めて両手を空ける深みや危険物を回避するため、杖や傘で周囲の地面を突きながら歩く流れに沿って進む場合は、後方からの浮遊物に注意
一方、最近のゲリラ豪雨はあっという間に被害が拡大し、逃げ遅れることも考えられます。「夜間も含めて、外に出るのが危険と判断される場合は、上階へ逃げる『垂直避難』も検討してください」。玄関には浸水を防ぐために土のうを置きたいところですが、備えがない場合は、ごみ袋などに水を入れて並べるだけでも、急場しのぎにはなるといいます。
近年の被害報道から「風水害は怖い」と思っていましたが、「見る」と「する」では大違い。疑似体験を通して、防災意識が一層高まりました。
四季防災館では、誰でも災害体験が可能です。夜間の災害発生を想定した「ナイトツアー」なども企画されていますので、ぜひ参加してみてはいかがでしょうか。
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【富山県広域消防防災センター「四季防災館」】住 所:富山市惣在寺1090-1時 間:9:00~17:00(体験受付は16:30まで)入館料:無料休館日:毎週月曜、年末年始、その他※コロナ対策のため、一般の方の豪雨体験は休止しています(2022年8月現在。暴風体験は可能)※各体験コーナーには年齢制限があります。詳しくは公式HPで確認してください。
(まいどなニュース/コノコト)

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