アトピーのかゆみ改善する化合物を発見…佐賀大グループが製薬会社と新薬開発へ

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佐賀大医学部の出原(いずはら)賢治教授(アレルギー学)らの研究グループは10日、アトピー性皮膚炎のかゆみの症状を改善する化合物を発見したと発表した。
今後、製薬会社と連携して新薬開発に取り組む。
アトピー性皮膚炎は、かゆみを伴う湿疹が主な症状で、集中力低下や不眠にもつながる。厚生労働省の2020年の調査では、国内患者数は約125万人と推定されている。
研究グループはマウスを使った実験で、皮膚組織に含まれるたんぱく質「ペリオスチン」が別のたんぱく質と結合した結果、知覚神経が刺激されてかゆみにつながる仕組みを解明した。
さらに、別の製薬会社が同皮膚炎以外の用途で開発を進めていた化合物「CP4715」により、結合を防いで症状が抑えられることを確認した。同グループは、この化合物の効果について特許を申請中だ。
出原教授は「患者は子どもや若者に多く、日常生活に影響を及ぼす。多くの種類の薬を用意し、治療の選択肢を増やすことが重要だ」と話している。

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