28日の衆議院内閣委員会で、民主改革の会の長妻昭議員が、防衛省・自衛隊による民間人の個人情報収集疑惑をめぐり政府側を厳しく追及した。陸上自衛隊の「現地情報隊」が、大学教授やNPO法人の代表ら数千人に及ぶ民間人の性的嗜好や異性関係、金銭感覚などを調査・記録したとされる内部文書「個人BSD(ベーシック・ソース・データ)報告書」の存在が取り沙汰されるなか、長妻氏はシビリアンコントロール(文民統制)や個人情報保護の観点から政府側に徹底究明を迫った。
【映像】「どういう女性がタイプか…」追及の瞬間(実際の様子)
質疑の冒頭、長妻氏は問題の文書が小泉防衛大臣らに手渡されている点に触れ、答弁席に立った小田原潔防衛副大臣に対し「ご覧になりましたか」と確認を求めた。小田原副大臣は文書を確認したことは認めたものの、「防衛省・自衛隊が公表したものではなく、出所や真正性を確認できない」として詳細な言及を避けた。
これに対し、長妻氏は「何人もの隊員がメディアに情報収集を証言し、公益通報も出ている。ある隊員は保管場所まで詳細に証言し、具体的な資料も出てきている」と指摘。「これが本物であれば私は違法だと思う。副大臣の責任で『これ本物なのか』と一言自衛隊に確認できないのか」と詰め寄った。
しかし、小田原副大臣は「文書の有無を含めて事実関係の確認は行った」「現時点で不適切な活動を行ったことは確認していない」と繰り返すのみで、情報活動でいかなる文書を作成しているかについては部隊の能力に関わるとして明言を拒み続けた。
続いて長妻氏は、防衛省設置法第4条第1項第4号(所掌事務としての必要な情報の収集・整理)や個人情報保護法との整合性を追及した。同委員会に出席した個人情報保護委員会の佐脇紀代志事務局長に対し、行政機関への実地調査や資料提出を求める権限を定めた法156条を挙げ、「警察が期限切れの運転免許証情報を使っていた事案では調査に入ると聞いている。この件についても強く調査を要請する」と迫った。さらに、個人情報保護を担当する古川俊治大臣にも見解を求めたが、古川大臣は個別の事案への判断は差し控えるとしつつ「一般論として問題が見られた場合には必要に応じて指導等の権限行使を行う可能性もある」と述べるにとどめた。
その上で長妻氏は、文書に記された個人のプライバシー侵害について言及。「この人物はどういう女性がタイプだとか、どういう性的嗜好があるのか書かれているが、どういうふうに使うのか? これは個人情報の逸脱だ」と厳しく追及した。
これに対し、小田原副大臣は「部隊の任務は海外での任務に必要な情報を収集するためのものであり、一般市民の私的な情報を収集することは目的ではない」と答弁。具体的な使途や収集の実態についての説明を避ける姿勢を崩さなかった。
自衛隊員が誇りを持って職務に当たれるよう、政治による厳格な文民統制が必要だと訴えた長妻氏は、「答弁が破綻している。きちっとシビリアンコントロールが効く組織にしていただきたい」と質問を締めくくった。
(ABEMA NEWS)