施設から行方不明の93歳を保護、高校生2人に感謝状 擦れ違い後に転倒「とっさの判断」「自分の祖父と重なった」

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行方不明となっていた高齢男性を保護したとして、神奈川県警麻生署は8日、桐蔭学園高3年の吉岡杜萌輝さん(17)と佐藤菜摘さん(17)に感謝状を贈った。高齢化が進む地域で、支え合いの価値を示す行いだった。
2人は学校帰りの3月9日午後6時ごろ、川崎市麻生区内のフットサル場付近を歩いていた際、ふらつきながら歩く93歳の男性と擦れ違った。直後に男性が転倒し、左手から出血していた。佐藤さんが「大丈夫ですか?」と声をかけて、近くのベンチで止血の処置を施すと、吉岡さんが男性の連絡カードを発見した。男性が過ごす介護施設に連絡し、タクシーを手配。2人で同乗して施設まで付き添い、職員に引き渡した。
署によると、男性は同日午後1時ごろから外出し、施設側は同5時ごろに署へ行方不明者として連絡を入れ、署員が周辺をパトロールしていた。
「転んでしまったので助けたかった」。吉岡さんはとっさの判断だったと振り返る。認知症だった祖父を2年前に亡くしていた佐藤さんは「自分のおじいさんと重なった。お孫さんがいるのかなと思ったので、幸せに長生きしてほしい」と笑顔で語った。
厚生労働省の2023年の「市区町村別生命表」では、麻生区の平均寿命は男性が84・0歳、女性は89・2歳と全国で最も高い。署にも連日のように行方不明者の連絡が届くといい、高齢者の見守りが課題となっている。倉田文二署長は「他人に関わりたくないと思う人が増えた今の時代に、若い世代の協力は地域の安全・安心につながる」と2人の行動に目尻を下げた。

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