除却命令受けたノースサファリ、札幌市は20年間で21回指導「さらに数年かかるのは理屈に合わない」

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札幌市は23日、無許可開発を続けてきた民間動物園「ノースサファリサッポロ」(南区)の運営会社「サクセス観光」に対し、10月末までに違法建築物の撤去を命じる「除却命令」を出した。
市は2005年の開業前から何度も指導、勧告してきたが、昨年9月の閉園後も撤去や動物の搬出は進まず、踏み込んだ対応が必要と判断した。
「長年指導してきて、さらに数年かかるというのは理屈に合わない」。札幌市の坪田修一開発指導課長は23日の記者会見で、こう強調した。
市は開業前から無許可で建設工事が行われていることを確認し、同社に許可を得るよう行政指導したが、同社は応じないまま開園し、施設の拡張も続けた。
市によると、文書や口頭での指導は約20年間で計21回に上る。同社は「改善する」としながら従わず、園内の違法建築物は24年12月時点で180棟超に膨らみ、今月5日時点でも獣舎など37棟が残る。1年余りで8割近くがなくなったものの、市は是正は十分ではないと判断した。
命令を受け、同社の代理人弁護士は「建物の除却は進める」とした一方、撤去期限の延長などが認められなかったことから「主張が認められず遺憾。命令書を精査し対応を検討する」とコメントしている。
ただ、命令の実効性には課題が残る。
市によると、過去に除却命令を出した6件のうち、5件では違法建築物の撤去が進まなかったという。市が費用を肩代わりして強制撤去する「行政代執行」という“最終手段”もあるが、費用回収が不透明なことなどから、市は「事業者自らが対応するのが第一」と慎重だ。
園内に残る動物の移送先確保も難航している。事業継承を目指す東京都の投資会社「ビーチキャピタル」は園の跡地や隣接地への移転を計画していたが、開発や運営には違法建築の撤去が前提となることから断念。道内での用地確保は不透明で、市は撤去まで飼育状況の確認を続ける。

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