「19歳女性はなぜ裸に?」“タレントに会える”ーー甘い言葉で女性50人を強姦した「ペテン男の悪質手口」(平成19年の凶悪事件)

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「タレントに会える」その一言が、19歳女子大生を地獄へ落とした。
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スカウト男の巧妙な罠、偽名の名刺、密室の撮影――40人近い女性を毒牙にかけた強姦男の「驚きの犯罪手口」とは……。平成19年、常識を覆した凶悪事件をお届け。なおプライバシー保護のため、登場人物はすべて仮名である。(全2回の1回目/続きを読む)
写真はイメージ getty
◆◆◆
被害者の女子大生・星川恵さん(当時19)は、若者が多い繁華街にあるタレントグッズショップの前で声をかけられた。
「芸能スカウトの者ですが、ちょっとよろしいですか?」
その男が差し出した名刺には『Jコネクション代表・宮本健太郎』と書かれていた。
「何でしょうか?」
「私、大手タレント事務所の関連会社の者ですが、ちょっと困っているんですよ……」
男が言うには、休憩中のタレントの話し相手をアレンジ(調整)していたところ、予定の女性がドタキャンしてしまい、代わりの女性を探しているのだという。
「あなたほどの美人なら文句なしなんですが……。ちょうど今、グループタレントがテレビ局で仕事していて、近くのホテルで休んでいるんですよ。時間がないんで、事態は急を要している。彼らに会ってやってくれませんか?」
男の説明によると、Jコネクションなる会社は「タレントの管理」が業務だという。人気タレントといえども、一人の若い男なので、異性に興味を持つのは仕方ない。だが、それが原因で思わぬスキャンダルに発展すると、タレント生命を失いかねないので、厳選した信用できる女性をあてがい、そのようなトラブルを未然に防ぐため、自分たちの部署が設けられているということだった。
「本当ですか?」
「もちろんですとも。何なら詳しく説明しますから、そこでお茶でも……」
恵さんは近くのファストフード店に連れて行かれ、『Jクラブ登録のしおり』なる書類を見せられた。
「タレントの相手をしてくれる女性をJヘルパーと呼ぶんですよ。当クラブに登録してくれれば、タレントにも会えるし、セックスもできる。当クラブから女優やタレントになった子もいますよ」
仕事の内容としては、タレントを癒す「精神的介助」と「肉体的介助」がある。女性は18歳以上であることが条件。秘密を厳守するための誓約書や同意書、身分証明書のコピーなども必要になるという。
「でも、お金がかかるんじゃないでしょうね?」
「それは大丈夫です。実は当クラブの運営費用は会員制の秘密クラブから出ているんですよ。一般会員の会社社長らに1回20万円でキミたちのビデオを見せるんです。そのビデオはタレント事務所のタレントたちも見ます。気に入られれば、指名されることだってあるし、それには私のレクチャーが必要です」
つまり、宮本とホテルへ行ってビデオを撮れば、今すぐにでも「Jヘルパー」として登録されるという。タレントの「肉体的介助」の適性を見るためにも、それは避けて通れないらしい。テレビで見ている人気タレントがよりどりみどりなんて……。最後は恵さんの好奇心が勝った。恵さんはタクシーに乗せられ、グループタレントのメンバーが待つというホテルに向かった。
「○○、女の子が見つかったよ。今から連れて行くからさ。えっ、玄関口に写真週刊誌が張ってんの。だったら裏口から隣のホテルに来てよ。レクチャーしてるからさ」
宮本は移動中にタクシーの中から電話をかけ、いかにもタレントと打ち合わせているように装った。ラブホテルに着くと、宮本は「撮影の約束事」として、こんな注文をつけた。
「ウチの一般会員たちは“ヤクザに犯される女性”という設定が好きなんだ。中に入ったら、私はヤクザのフリをするから、迫真の演技で怯えてね」
ホテルでビデオカメラがセットされ、恵さんの自己紹介から始まった。モデルのようなポーズを取るように言われ、一枚ずつ服を脱いでいき、下着一枚になったところで、宮本に言われた。
「オレはよぉ、本当はヤクザなんだ。ここにタレントは来ない。本当にJクラブなんて組織があると思ったか?」
「ええっ、そうなんですか。私、どうしよう……」
最初は余裕で対応していた恵さんも、宮本の話が具体的になってくるにつれ、だんだん怖くなった。
「さっきからオレたちの後ろをスキンヘッドの男が付いて来ていたことに気付かなかったのか。大人しくしていれば帰してやるが、騒いだら行方不明者のリストに載ることになるぞ。オレに物騒なモノを出させるなよ!」
宮本が持っていたカバンの不自然な膨らみを見て、恵さんは咄嗟に「拳銃だ……」と思った。なおも宮本は顔色一つ変えず、恐ろしげな脅迫を加えてくる。

「今、このホテルの周囲はウチの組のモンが固めている。別の部屋で同じように強姦されている女もいる。お前も今から犯されるんだ!」
それが演技なのかマジなのか、恵さんには判断がつかなくなり、戸惑っていると、男にベッドに押し倒された。恵さんは抵抗することなく、身を委ねた。
「素質がありそうじゃないか。次はコレを使ってみようか」
〈《懲役は…》「私に入れてって言え!」男に逆らえず死を選ぶ女性も…50人を強姦したペテン男の『悪質すぎる隠蔽工作』(平成19年の凶悪事件)〉へ続く
(諸岡 宏樹)

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