「親族に愛犬を殺されました」帰省中にペットを預けたら事故発生…治療費や慰謝料は請求できるのか

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年末年始の帰省や旅行。ペットのいる家庭では、友人や親戚に愛犬や愛猫を預けたり、一緒に連れて行ったりする機会が増える時期です。
しかし、環境の変化は思わぬ事故を招くこともあります。もし預け先でペットがケガをしたり、死亡するなど最悪の事態が起きた場合、相手に治療費や慰謝料を求めることはできるのでしょうか。
ペットをめぐるトラブルにくわしい渋谷寛弁護士に聞きました。
弁護士ドットコムには、実際にこのような悲痛な体験が寄せられています。
ある相談では、友人が犬を抱っこしていたところ、犬が跳び降りて骨折してしまったといいます。全治半年と診断され、ペット保険でカバーできない自己負担額は約30万円にのぼりました。
相談者はせめて「折半して」と頼みましたが、その後、友人と連絡が取れなくなったことにもショックを受けたそうです。
また別の相談では「帰省先に愛犬を連れて行ったら、親族がおもちゃで殴って死んだ」という深刻な体験も寄せられました。
環境が変われば、予期しないトラブルが起きることもあります。友人や親戚に預けたペットがケガや死亡した場合、治療費や慰謝料を請求することはできるのでしょうか。
──友人などにペットを預けて、ケガや死亡が生じた場合、相手の責任はどうなるのでしょうか。
ペットを預ける契約は、法律上は「寄託契約」にあたります。「有償(有料)」と「無償(無料)」かによって、預かった側の責任の重さが大きく変わります。
ペットホテルなどに有償で預けた場合、預かった側はプロとして高度な注意義務(善管注意義務)を負い、責任は比較的重くなります。
一方、友人や親戚に無償で預けた場合、預かった側の責任は軽減されます。この場合、預かった人は「自分の物として扱うのと同じくらいの注意義務(自己の物と同一の注意義務)」を負うにとどまります。
──治療費や慰謝料は請求できますか。
友人や親戚に預けたペットがケガや死亡した場合、治療費や慰謝料を請求できるかどうかは、注意義務違反があったかがポイントになります。
預かった側が、自己の物と同一の注意義務さえ果たしていれば、つまり自分の飼っているペットと同じように扱っていたのであれば、注意義務違反は認められず、原則として責任は生じません。
今回の相談事例でも、友人や親戚が、自分のペットと同等の扱いをしていたのであれば、責任を問うことは難しいでしょう。
一方で、自己の物と同一の注意義務を下回る、乱暴な扱いをした結果、ケガや死亡に至った場合には、注意義務違反が認められ、賠償責任が生じる可能性があります。この場合、ペットの治療費や、飼い主の慰謝料などを請求することができます。
なお、友人や親戚がペットに対して故意にケガを負わせた場合には、不法行為責任が成立します。治療費や慰謝料を請求できるだけでなく、動物虐待罪が成立する可能性もあります(動物愛護管理法44条)。
ペットホテルに預けた場合と比べて、友人や親戚に無償で預ける場合には、重い責任を追及することが難しいケースが多いと言えます。
つまり、無償で身近な人に預かってもらう場合には、このようなトラブルが生じた場合でも、それなりの覚悟をする必要があると言えるわけです。
──友人などにペットを預けたり、帰省や旅行に連れていく際、どんな点に注意すべきでしょうか。
ペットがケガをしないよう、預ける際にはペットの性格や癖、抱き方などの扱い方を具体的に説明し、十分に理解してもらうことが大切です。
また、費用はかかりますが、専門家としてペットを預かるペットホテルを利用することも選択肢の一つです。ただし、悪質な業者も存在するため、事前の情報収集は欠かせません。
【取材協力弁護士】渋谷 寛(しぶや・ひろし)弁護士1997年に渋谷総合法律事務所開設。ペットに関する訴訟事件について多く取り扱う。ペット・動物法学会理事も務める。事務所名:渋谷総合法律事務所事務所URL:http://www.s-lawoffice.jp/contents_01.html

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