娘(27)は元同僚の男に殺害された「持ち上げた娘は、生まれて初めて抱っこした時よりも軽かった」【強姦殺人事件 父親の訴え①】

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14年前の9月30日、岡山県内で起きた強姦殺人事件で、娘を亡くした父親【画像①】が、岡山県警本部で自身の辛い記憶を語りました。
【写真を見る】殺害された加藤みささん(当時27歳)
【第2話】娘(27)の遺体と面会した父「これが人間の肉体か」【第3話】元同僚の男にバラバラにされた娘 翌年には結婚の約束も「もうこいつは絶対許さない」【第4話】「加害者は、被害者が払う税金で暮らしている」娘の墓前で約束したこととは
(※RSK山陽放送が、今年2025年1月~12月10日まで配信した14,652本の記事のうち、2番目に読まれた記事を再掲載しています)
2011年9月30日(金)午後6時半から午後7時半の間(推定)に、加藤裕司さんの長女・加藤みささん(当時27)は、元会社の同僚の元死刑囚の男(当時29)に性的暴行を受け、ナイフで十数回刺され、殺害されました。その後、元死刑囚の男は、遺体を大阪へ運び、バラバラに切断してごみ袋に入れ、川などに遺棄しました。元死刑囚の男は、2013年2月、岡山地方裁判所で死刑判決を受けましたが、被告側の弁護人の考えで即日控訴しました。しかし、翌月に控訴を取り下げたため、死刑が確定し、2017年7月に死刑が執行されました。
事件から今年9月で14年。加藤さんは、「この14年が、長くも短くもあった」と話しました。(加藤裕司さん)「娘は『加藤みさ』【画像②】と申します。当時27歳でした。一方、元死刑囚の男は当時30歳。元会社の同僚ではありましたが、同じ部署で働いていたわけではありません」
「検察の起訴内容は、強盗、強姦殺人、死体損壊、死体遺棄、窃盗の6つの罪でした」「これ【画像③】は(事件の)ちょうど1年ほど前の写真です。岡山県北のどこかのひまわりの前で撮った写真で、私がとても気に入っている写真の一つです」
「私にとって長いか短いかと言われると、どっちもあるんですけども、『もう14年も経ったのか』っていうことと、『まだ悪い夢を見ながら目が覚めてないんだ』という認識と両方あります。ほぼ1日も忘れたことはありません」「この写真【画像④】は9月30日の金曜日の晩、仕事が終わった後、午後5時に仕事が終わり、職場の人が一人、この日に退職されるということで、ささやかなさよならパーティーをしたときのひとコマです」「娘の顔写真がしっかり写ってるのは、これが最後の写真です」
「この画像【画像⑤⑥】は、のちに会社からいただいた画像の一部です。これは、社内と社外の監視カメラの画像です。なぜこれをお見せしているのかというと、内と外では非常に映りが違います」「これ【画像⑤】午後6時10分に退出しようとして、タイムカードを打って外に出ようとしてる姿です。ところが一歩外に出ると、非常にぼやけた形になります【画像⑥】。これをちょっと記憶しておいていただきたいと思って見ていただきました」
「9月30日金曜日、普通だとだいたい午後8時前後に娘が帰ってまいります。私は娘の会話を楽しみに、心待ちにいつも待っているんです。私は父親ですから、母親とはちょっと違ってて、娘のことがすごく気になるんです」「一方、息子はどうかというとそんなに気にならない。息子には悪いんですけど、(娘は)やはり異性なんで分かんないんですね。息子の場合は、自分が育ってきたプロセスと重ねて考えることができるので、『大体こうなっていくだろう』という予測がつくんですけど、娘の場合はわかりません」
「だから、どうしても気になって、気になってしょうがない。娘が『どっか行く』とか『どっか遊びに行く』とか言うと『どこ行く?』『何時に帰ってくる?』とか(私が)すごく言うわけですよね」「それで娘にちょっと嫌われたりするんですけども・・・そんな思いでいつも帰りを待っていました」
9月30日(金)は、ヨガ教室に通ってから帰るため、午後10時過ぎに帰宅する予定だったみささん。加藤さんは「遅いな」と思いながらも、みささんの帰りを待っていました。しかし、午後10時を過ぎても、みささんは帰ってきませんでした。(加藤裕司さん)「妻が心配して電話をかけますが、留守番電話にすぐ変わって吹き込みました。しばらく待っていたんですけど、返事がないので、今度はメールを打ちます。これにも返事がありませんでした」
午前0時を過ぎても帰ってこなかったみささん。しかし加藤さんは、そんなに心配していなかったようです。「親としての心境というのは、そんなに心配もしておりませんで、大の大人ですから。当時お付き合いしていた彼氏がいるということもあり、金曜日の晩ということもあって、彼氏と会って、過ごしてるんだろうと、呑気に考えておりました」「しかし、翌朝(10月1日)になっても帰ってきておりません。彼氏と一緒に朝を迎えてるんだろうと。どうせ土曜日、日曜日は休みっていうことがあったので、そんなに心配もせず、『しょうがないな』ぐらいにしか思ってなかったですね」
加藤さんは仕事に出かけ、「もうおそらく娘は帰ってるだろう」と思い、午後8時ごろに帰宅しました。しかし、みささんは、家に帰ってきていませんでした。「妻の表情がですね、真っ白で、顔が真っ青というか真っ白というか。いくら電話をしても、いくらメールを送ってもその返事がない、と非常に引きつった感じで私に訴えてきたので、『これは何かあったな』とその時に思いました」
加藤さんは、みささんが車で通勤していたため、交通事故に遭ったのではないかと考え、情報を得るために近くの赤磐警察署(当時の瀬戸警察署)に夫婦で向かいました。「いろいろ説明したんですけども、『そういう連絡はまだ入ってない』と。お話をしてる最中に気がついたのは、娘の携帯電話にはGPS機能がついてるので、そのGPSの発信を調べれば居場所が分かるんじゃないかと思ったんです」
加藤さんは携帯会社にGPSの発信を調べて居場所を教えて欲しいと連絡しました。その後、携帯会社からの返答は、「夕方の5時までは電波の発信があった。ところが午後5時以降は電波の発信がない。電波の発信がなければ、追跡の仕様がない。その原因としては、携帯電話自体が壊れている、あるいは電源がオフになってるかでしょう。それ以上のことは分かりません」でした。「『あ、そうなのか』と思ってお礼を言って、私たち夫婦は家に帰りました。家に帰ったんですけども、何もすることはないんですよね。何もできないし・・・」
そんな思いを抱えていた加藤さん。みささんが車で通勤していることを思い出し、「ひょっとしたら、会社の駐車場に娘の車があるかもしれない」と思った加藤さんは、午後11時過ぎに、みささんが勤務する会社に行きました。(加藤裕司さん)「おそらくこの道を通って行くだろうと、大体想像がついてました。途中でコンビニが数軒あって、娘の性格からしてコンビニにたむろするとか、車をコンビニに置きっぱなしにするとかは考えにくかったんですけども、念の為と思って一件一件、寄って確認しました。当然いませんでした」
「会社の駐車場に着いたんですけども、会社の駐車場はよくある学校のグラウンドのような広い敷地に、蛍光灯が4か所ぐらいあったと思うんですけども、2か所だけ灯りがついていて、車が1台か2台止まっていました。会社は土曜日、日曜日は休みなので、ほとんど社員の方は出勤していなかったです」
休日の駐車場には車が無く、困った加藤さん。そこでふと思い出したのが、従業員の車通勤が多く、会社の駐車場だけでは足りないことでした。「近所の土地持ちの方とか、駐車場を経営されてる方の場所を借りて止めてる、というのを思い出したので、そっちの方も行ってみようと思って細い道をずっと通って行ったんですけども、結局車のライトは道路を照らしますけど、左右は見えないんですね」
「もしライト当てることができるとしても、大変失礼な行為になるので、ちょっとできないなと。それで諦めて翌日の日曜日にもういっぺん探してみよう、と思って帰りました」
10月2日(日)午前8時ごろ、加藤さんに岡山西警察署から連絡がありました。(加藤裕司さん)「『お嬢さんの車が見つかりました』という連絡をいただきました。ものすごくびっくりしました。『えっ』と思って。当然、車のナンバーと車種は伝えていましたけど、探していただいてるとは夢にも思っていなかったです」
当時、マスコミを騒がせたのは、関東で若い女性が「ストーカーにつきまとわれて困っている」と警察に20回以上相談しに行ったものの、ほとんど取り合ってくれず、その女性は殺害されたという事件でした。事件になって初めて、『警察が動いた』という話をニュースで聞いていたため、警察からの電話があったことに加藤さんは驚いた、と話します。「たかが1日姿が見えない娘を本気で探してくれるなんてことはないだろう、と思っていたので、電話をいただいた時は本当にびっくりしました。『探してくれてたのか!』と」
「しかも赤磐警察署から岡山西署に連絡が行って、調べたということですね。よく聞いてみると、同じ日(10月1日(土))の夜に、私と反対側からいろいろ探されていたようです。暗かったので、たぶん見つからなかったと思うんですけど、朝、明るいうちに調べたら、車があったということでした」
警察から「すぐに来てください」と言われ、加藤さんは、みささんの車が発見された駐車場に向かいました。(加藤裕司さん)「すでに10人ぐらいの警察の人がいらっしゃって、明らかに『半分は、鑑識だな』、と素人の私から見ても分かりました」
「車を開けてください、と言われたんですけど、当然、予備キーなどを持っていません。妻に電話しても『分からない』の一点張りだったので、業者を呼んで開けてもらいました」「いろいろ指紋をとったり、調べられたようなんですけど、結論からして、お嬢さんは金曜日(9月30日)の晩、駐車場に来ていません、とのことでした」「おそらく、会社を出られた後、一人でどっか行かれたのか、誰かと会ってその人の車あるいは、どっかに出かけられたんでしょうという結論でした」
「私も車の中を見たんですけど、後部座席に、ヨガ教室に行くマットとユニフォームがきちんと畳んで置いてありました。なので、『あっ、これは触ってないな』という印象を持ちました。『もう少し詳しい話を聞きたいので、奥さんと一緒に西署まで来てもらえますか』ということで妻に電話をして一緒に西署に伺いました」「『車どうしましょう』と言われたので、車は西署で預かっといてくださいとのことで預かっていただきました。いろいろ話をしたんですけど、それでもまだ2日しか経っていないんですよね」
「その時点でわれわれ夫婦は、彼氏がいるのになんで連絡してこないんだろう、と。悲しいかな、私は彼氏の電話番号など何も知らないんですよね。妻はおぼろげに住所は知っておりました」「その時点では、まだ心配もそんなにしてなくて。困った子だなぁという印象でした。今までこんなこと一度もなかったのに、というような思いでした」
警察との話がほぼ終わりかけたとき、加藤さんは警察から1枚の写真【画像⑫】を見せられました。(加藤裕司さん)「『この女性は、お嬢さんですか?』と聞かれたんですけども、この背格好、着てるもの、持ち物から見て『娘に間違いないと思います』と答えました」
「『じゃあ、こちらの男性は彼氏ですか?』と聞かれたんですけども、『彼氏ではないでしょう』と。彼氏はもう少し背が高くて、ビジネスマンのような格好はほぼしません」「『じゃあ、誰ですか?』と聞かれたんですけど、『わかりません』という答えしか出せませんでした。その時に見せられたのが、この1枚【画像⑫】だけなんです。この周辺の画像【画像⑬】は、事件が終わってから会社から提供を受けたものです」
加藤さん夫婦は、「写真に写っていたあの男性は誰なのか」と疑問に持ちながら、自宅に帰りました。「彼氏がいるのに、他の男性と一緒に行動するとか、歩くということはまず考えにくいですね」「娘にとっても、本気で付き合ってる男性というのは、彼氏しかいないので、こんなに親しく、親しくかどうか分かりませんが、一緒になって歩いていくことは、おそらく会社の同僚か、中学校・高校の時の同級生じゃないかなという想像をしました」
しかし、そこから加藤さんの心配はどんどん大きくなっていきました。(加藤裕司さん)「私は当時、高松に仕事に行っていた関係で、マリンライナーに乗って行くんですけども、約57分間ずっと娘のこと考えてます。考えれば考えるほど、涙が出てくるんですよ。涙が止まらないんです」
「『娘は元気にしてるんだろうか?』『しっかりごはんを食べているんだろうか?』『寝させてもらってるんだろうか?』そんな心配ばっかり湧いてきて、何もできない自分がすごく情けなくなるんですよね」「助けてやろうにも何もできない。そんな自分がすごくむなしくて涙が止まらない、そんな状況でした」
「仕事先に行くんですけど、仕事なんかできません。『仕事してる場合か』という自分の声がしてくるんです。相手先にお断りを入れ、申し訳ないけど、仕事が手につかないんだということで、簡単な事情だけ説明して、すぐ帰る。これの繰り返しです」
「実は、(娘の車が見つかった)駐車場で、10人ぐらいの警察の人がいらっしゃいましたが、そのうちの何人かは西署に戻らずに会社を訪ねたようです」「ところが、会社は土日が休みなので、当然、社員は出勤しておりません。簡単にガードマンの人に事情を説明すると、その人が、娘の直属の上司に連絡を入れ、すぐ上司が飛んできてくると」
「(娘の上司は)『加藤みさは間違いなく私の部下です。私も心配なので一緒に仕事場に上がって、周りを見てみましょう。ひょっとしたら携帯電話を忘れたかもしれない』ということで一緒に上がっていろいろ探されたそうです」「ところが何も出てこなかった。普通だったらそれでお礼を言って帰るというパターンかなと思うんですけども、私は岡山県警に大変感謝してると同時にこの会社の上司の人に感謝してます」
「上司の人は、『自分の会社はIT専門の会社だ。従って、建物の内外にあらゆるところにカメラを設置してる。この映っている動画を見れば、何かヒントが見つかるかもしれません』、ということで、その動画を全部提供されたそうです」「持ち帰った署員は何人かに分かれて、ずっと解析を続けたうちの1枚ということです。これ以外を私たち家族は見せられておりません。捜査に関わることだったと思うんですけど」
会社から提供された動画の中には、怪しい行動をしている男の姿が映っていました。(加藤裕司さん)「実はその中に両半身を、血だらけなのか、濡れてるのか分かりませんが、濡れたような格好で、トイレに入っては、『大量のモップ』と『大量のトイレットペーパー』を持ち出している姿が映ってたそうです。何度も往復してた」
「では、『この男は一体誰なんだ?』ということですが、日曜日の夜遅くなので会社もやってませんし、調べようがないということで。10月3日(月)の朝、会社で約240人の社員に対して面通しすると、この男は9月20日付けで退職届を出している元死刑囚の男だということが分かりました」「その瞬間、何人かの署員が、元死刑囚の男の実家の住所を聞いて大阪に飛んだと。そして何人かの署員が、現場に残って捜査を始めるということだったようです」
事件当日(9月30日(金))、みささんが会社を出た時に元死刑囚の男と会い、2人は会社の倉庫に向かって行きました。(加藤裕司さん)「これ【画像⑯】は会社の倉庫で、実は元死刑囚の男が辞める前まで、元死刑囚の男が管理をしてました。元死刑囚の男は『辞める』と決めた段階で、ここの鍵をコピーして持ってたということなんです」
「この時の会話は、検察と警察の調書で知った事実なんですけども、娘は元死刑囚の男と会って、(加藤みささん)『あれ、会社辞めたんじゃなかったの?』(元死刑囚の男)『いや、退職届は出したんだけど、不備があって返された』『どこをどういう風に直していいか、よくわからないから教えてほしい』と尋ねたので、娘はわかったということで、ついて行ったということです」しかし元死刑囚の男は、倉庫に入るなり、鍵をかけ、みささんが気絶するぐらい殴り倒したといいます。そこから始まったのは、あまりに残忍な犯行でした。【第2話】娘(27)の遺体と面会した父「これが人間の肉体か」【第3話】元同僚の男にバラバラにされた娘 翌年には結婚の約束も「もうこいつは絶対許さない」【第4話】「加害者は、被害者が払う税金で暮らしている」娘の墓前で約束したこととはに続く

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