国会が「238秒停止」「3連続音声オフ」 代打・小泉大臣にも大音量ヤジ 起立する議員続出…高市総理の発言めぐり紛糾

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16日の参議院予算員にて、高市早苗総理大臣の台湾有事に関する国会答弁について議論が紛糾し、「三度音声オフ」となる事態となった。
【映像】ヤジ・238秒停止・起立続出…異様な光景(実際の様子)
まず生じたのは「代打・小泉進次郎防衛大臣」への激しいヤジだ。
立憲民主党の広田一議員は「高市総理の『個別具体的な事例に即して、時の政府が情報収集をして総合的に判断する』と。これは確かにこれまでも縷々述べられているわけでありますけども、総理、私が聞いてるのはそこの部分ではないんです。今問題となっておりますのは『どう考えても存立危機事態である』という台湾有事を念頭に置いた総理のご発言部分に絞って確認をしたいと思っております。これは明らかに総理の個人的見解ではないでしょうか?」と質問。
高市総理への質問であったが、小泉進次郎防衛大臣が挙手し、藤川政人委員長がこれを指名。激しいヤジが飛び交い、納得がいかない議員たちが立ち上がる事態に。
小泉大臣は「いえ、これはですね、(広田)先生とは委員会でもやっていますから、この件について…」と話すがヤジは一向に収まらない。
この事態に藤川委員長は「じゃあ、はいはい、小泉大臣。申し訳ない。はい。総理、ご答弁願います」と高市総理を指名。
高市総理は「ご指摘の私の発言でございますが、あえて台湾周辺のことに触れられたご質問をいただいて、様々な想定を議論する中で、存立危機事態は、法律上の定義として、『我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生すること』が要件とされておりますので、武力攻撃が発生していない場合に存立危機事態を認定することはないという趣旨でございます」と回答。
だが、この回答にも激しいヤジが上がったため、委員長が「ご静粛に」と注意した。
一度目の国会中継「音声オフ」はそのわずか4分後。
広田議員が「高市総理、『台湾有事が発生し、それに対して戦艦が出ていって武力行使を伴うものであれば、どう考えてもこれは存立危機事態に相当するケースだ』と明確に述べられています。その大前提が『我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生すること』でありますので、さすれば、高市総理がその時に念頭に置いている『我が国と密接な関係にある他国』に台湾は含まれるのでしょうか? これも3回目なので、明確に答えてください」と迫った。
これに高市総理は「平和安全法制の法案審議事の際には、より分かりやすく説明を行うとの観点から、存立危機事態に当たり得る具体的なケースとして、当時の総理大臣が『例えば我が国近隣で武力攻撃が発生した場合、邦人輸送中の米国の艦艇が武力攻撃を受ける事例』を挙げて説明しております。しかしながら、ご指摘の台湾ということは事例に挙げておりません」と答えたところ、3人の議員が立ち上がった。
この事態を受け、藤川委員長は「速記を止めてください」と指示し、その後49秒間中継の音声が途絶えた。
二度目の音声オフは約6分後。
広田議員が「高市総理大臣は、台湾有事に関する存立危機事態に対して具体的に述べられています。これは、これまでの“鉄板”の政府の答弁ラインを高市総理は台湾の有事に絡めて、その限界をアドリブで超えてしまったわけです。ここが私は問題だと考えております。具体的な事例を挙げて説明することは今の政府の答弁ラインではできないんです。それは、安倍政権以来、歴代政権の皆さんが、まさしく抑制的にやってきた『矜持』でもあると私は考えています。それを高市総理大臣が乗り越えて具体的に述べられてしまったということはどう見ても個人的な持論・見解を述べられた。そういうふうに認めなければ、今後は高市総理の台湾有事の発言が我が国の政府の見解となってしまう。これは日本の国益に資するものではないと思う。この点は明確にご答弁ください」と訴えた。
高市総理は「我が国の見解、明確にお答えいたします。存立危機事態の認定に係る政府の見解は、いかなる事態が存立危機事態に該当するかについては、実際に発生した事態の個別具体的な状況に即して政府が全ての情報を総合して判断するというものでございます。さらに、去る11月7日の衆議院予算委員会における私の答弁は、岡田議員とともに、様々な想定を議論する中で存立危機事態の認定について述べたものでございますが、その上で、どのような事態が危機事態に該当するかについては、実際に発生した事態の個別具体的な状況に即して政府が全ての情報を総合的に判断すると明確に複数回答弁しておりますので、政府の立場は一貫しております」と回答。
だが、前回同様、発言が終わった時点ですでに3人の議員が立ち上がっていた。藤川委員長はすぐさま「速記を止めてください」と指示。二度目の音声オフは79秒にもわたった。
議論が再開し、藤川委員長が「広田君、申し訳ない。もう一度質問を続けてください」と促すと議場内に「質問に答えてないだけじゃない!」というヤジが飛んだ。
広田議員は「高市総理。ぜひ、奈良漬けのように噛み合った議論をしていただきたいと思いますし、総理は私の質問の趣旨も十二分にご理解をしていながらも、答弁をはぐらかしているわけでございます」と述べて質問を続けた。
三度目の音声オフは約7分後。
広田議員は「政府の立場はこれまでのまさしく政府見解でありますし、鉄板答弁なのです。政府はずっとこれ維持してきたんですけども、高市総理はそれを乗り越えてしまったということをまず指摘すると同時に、私の質問に答えてないんです。『台湾有事という仮定の質問にお答えすることは差し控えると、これについては今後とも政府として維持をしていく』と高市総理は明確に述べられました。そうだとすれば、高市総理の『どう考えても台湾有事は存立危機事態になるかもしれない』。このご発言は矛盾しますので、撤回すべきではないでしょうか?」と質問。
これに高市総理が「どのような事態が存立的事態に該当するかについては、実際に発生した事態の個別具体的な状況に即して政府が全ての情報を総合的に判断するという政府の立場は一貫しております。その“ある状況”が存立危機事態に当たるか否かについては、これに尽きます」と述べたのだが、前回と同様、高市総理の発言が終わる頃には複数人の議員が立ち上がる事態に。
藤川委員長は「速記を止めてください」と指示し、三度目の音声オフとなった。その後、110秒にわたる“議論停止”を経て再開された。
高市総理は「当日の予算委員会でもいかなる事態が存立危機事態に該当するか否かについての考え方、従来の政府答弁について繰り返し述べております。その後もずっと同じように『これが政府の見解である』という旨を述べております。そしてその上で私が反省点だと11日の日に申し上げたのが、それが従来の政府見解を越えるかのように受けとめられたのであったら、ということで私は申し上げましたけれども、政府の統一見解についてはもう繰り返し述べさせていただいております。政府の立場を一貫しております」と回答したのだが、幾度となくヤジが飛び交った。
広田議員は「高市総理のご答弁というのは非常に矛盾しておりますし、齟齬が大変多いということは明らかになったと思います。私は高市総理がいわゆる答弁書を棒読みしない、そういった姿勢は評価をしているのです。それは“高市カラー”でもあると思います。だからこそ国民の皆さんの高い支持があるのも事実です。しかしそれは時と場合によってはリスクがあるということをぜひとも自覚してもらいたいと思います。今回のこの台湾有事に係る存立危機事態発言はその典型例でありまして、これによって日中関係は経済的に冷え込み、安全保障面においても緊張感が高まって小泉大臣もレーダー照射について本当に適切に対応していると思いますけれども、こういった危機感が高まって、わが国の安全保障上重大な懸念事項になっているわけです。このことを総理はぜひとも今後自覚をして答弁をしてもらいたいと思いますけれどもいかがでしょうか?」と詰め寄った。
高市総理は「実際に発生した事態の個別具体的な状況に即して政府がすべての情報を総合して判断すると明確に本当に繰り返して答弁をいたしております。存立危機事態の認定に関する政府の立場は一貫しています。その上で日中間に懸案と課題があるからこそ、双方の努力によって課題と懸案を減らす理解と協力を増やしていくという私の方針に変わりはございません。日中間のさまざまな対話を行うことに日本側はオープンです。中国側の一連の措置による影響を含めて引き続き情報を注視して適切に対応してまいります」と答えた。
広田議員は「まだこの点についてもしっかりと議論していきたいなと思います」と述べ、次の質問に移り、30分以上にわたって続いた議論が区切りを迎えた。(ABEMA NEWS)

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