《外国人観光客が増加》秋葉原在住のオバ記者が感じる街の変化「近くの古いマンションが民泊に変わった」、地域バスでは「ひと言も話さない外国人」

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円安の影響もあり、来日する外国人観光客が増加。街の風景も少々変わりつつある。女性セブンの名物ライター”オバ記者”こと野原広子さんが、外国人観光客が増えた東京の街について語る。
「なんじゃこりゃ~!」と叫びたくなるような光景を最寄駅で毎日見ている私。東京・秋葉原に引っ越してきた8年前は、まさかこんなことになるなんて想像もしなかったわよ。
そもそもオタクの聖地だから、マトモな感覚をお持ちのかたは、駅を降りたときから「なんじゃこりゃ~!」だと思う。ゴツい体のオッサンがセーラームーンのコスプレで歩いていても誰も見向きもしない街なんて、世界中探してもどこにもないもの。
でもそれは駅の周辺だけで、5分も歩けば昔ながらの静かな下町でね。私が住んでいるのはそっち。根無し草の独身女には、東京駅まで2駅という便利さも含めて、これ以上ない環境だったんだよね。
それがこの半年だよ。マンションを出ると外国人家族が何組もキャリーバッグを引いて歩いている。近くの古いマンションが民泊に変わったのよ。で、駅に近づくに連れてその数はどんどん増えていって、秋葉原の駅構内に入るともう外国人だらけ。東京駅、上野駅の構内はまっすぐ歩けないほどだ。
いまどきは国内旅行をする日本人だってキャリーバッグを引いているけど、外国人のそれはサイズが違う。中に人でも入っているんですか?と聞きたくなるくらい巨大なんだよね。それを2個動かしている人にエレベーターに乗り込まれたりすると、年寄りは壁にへばりつき、ベビーカーを押しているお母さんは弾き出されることになる。
それだけじゃない。最近では100円で乗れる小さな地域バスにも彼らは乗り込んでくるの。先日は、ガッツリとタトゥーが入っているラテン系カップルと、東南アジアの中年夫婦。日本人は運転手と区の職員と私の3人だけ。「私たち少数派ですね」と妙な連帯感が生まれちゃった。
彼らからしたら、いまの円安の日本は宿も食事も移動も「信じられな~い!」って小躍りしたくなるくらい激安なんだよ。1ドル80円だった1995年や2010年頃に、「うき~っ」と喜び勇んで、小金を貯めては世界の車窓ごっこに出かけた私には、「ああ、あれの逆バージョンね」と納得がいくの。
だけど、当時とはまるで違うんだよね。しばらく前のこと、築地にある家族経営の小さな寿司店に入ったら、突然、「×!?△」。アジア系の女性客が大声をあげたの。大将は少しも動じず、「はいはい」と彼女のちらし丼の上にまぐろの切り身を1つポン。後から聞いたら、メニューの写真よりネタが少ないと怒るのは”ある国の人だけ”なんだって。「その代わりに高価なイクラを多めに入れている、なんて言ったところで納得しないんだよな」と大将は首をすくめるんだわ。
地域バスに乗っても、外国人旅行者たちはひと言も話さない。目が合っても挨拶もしない。彼ら全員が手にしているスマホを見れば、自国語ですべての日本情報が入っているんだもの。タクシーで行き先を告げるのもスマホの翻訳機能が代わってしてくれるしね。いまどき道に迷っている人に「めいあい、へるぷゆー?」(なんか困ってない?)なんて声をかけたら間違いなく不審者だと思われるよ。
なんてことを思いながら異文化の人たちの群れを見ているからか、彼らに対する違和感はいつまでも違和感のまんまで、いるだけでこっちの気が張るんだわ。もしかしたら、最近よく耳にする「分断」ってこのことか? その原因は、彼らも私も持っているスマホか?──なんてね。てか、彼らは気が済んだら自国に帰るからいいけど、スマホ頼りで話さない外国人が移民としてもし入ってきたらどうなるの?なんて余計な心配までしちゃったわよ。
それはそうと、近頃の大学生は卒業旅行に行かないと言われて久しいけど、先日話した大学生にその理由を聞いたら、「海外旅行なんてもったいない。バイトで貯めたお金は投資に回します」と言うの。「日本とは違う理屈で回っている国を見たくないの?」と突っ込んでみたら、「興味がある国ならYouTubeで見るからいいです」だとさ。
そういう私も、次に海外旅行をするときは、パスポートよりスマホを大事にすると思う。パスポートを紛失してもスマホさえあれば捜す手立てはあるけれど、旅のスケジュールやら予約した宿の情報が全部入っているスマホがなかったら一歩も動けないもの。
便利! でも怖いわ!!
【プロフィール】「オバ記者」こと野原広子/1957年、茨城県生まれ。空中ブランコ、富士登山など、体験取材を得意とする。
※女性セブン2025年12月18日号

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