去年、関東で18件相次いだ強盗事件。一連の事件の首謀者とみられる男4人が逮捕されました。男らから指示を受けたとみられる実行役の男の裁判では、抜け出せず、“使い捨て”にされる実態が明らかになりました。■18件の強盗事件に関与か 男4人を逮捕関東で多発した強盗事件が、大きな進展を見せました。4日と5日に逮捕された斉藤拓哉容疑者(26)ら20代の4人。合同捜査本部は、この4人が18件もの強盗事件に関与しているとみて調べているのです。
東京・千葉・埼玉・神奈川の1都3県で、去年の夏以降に相次いだ強盗事件。被害に遭ったのは20人、被害総額は2000万円相当でした。神奈川県横浜市で去年10月に起きた事件では、暴行を受けたとみられる75歳の男性が、手足を粘着テープで縛られた状態で見つかり、死亡が確認されています。指示役に従って「闇バイト」で集められた実行役が起こしていた数々の事件。警視庁などによる合同捜査本部は、18の事件を一連のものと認定し、これまでに実行役や金の回収役など51人を検挙してきました。そして、今回逮捕された4人は18件のうちの一つ、去年10月、千葉県市川市で起きた事件の指示役とみられているのです。捜査本部によりますと、4人は闇バイトで集めた実行役らに指示を出し、住宅に侵入させて住人の50代の女性の顔などを殴ってケガをさせた上、現金などを奪った疑いがもたれています。■多くの人の手を介し“捜査かく乱”一連の事件で首謀者の逮捕はこれが初。1年以上にわたって行われた捜査で、捜査本部が着目したのは“被害にあった金の流れ”でした。捜査関係者によりますと、金を持ち出した実行役は、それを別の人間に渡すといいます。その人間は金を公園のトイレなどに置き、別の人間がそれを回収すると、今度は駅のコインロッカーへ。これを回収した人はまた別の人間に渡し、さらに別の人間が受け取り、ようやく指示役に近い人物の元へ。捜査をかく乱するため、多くの人の手を介していたという金の動き。捜査本部は防犯カメラの捜査などから関わった人物を特定し、指示役までたどりついたといいます。■指示役に“使い捨て”にされる実態明らかに一方で、次々と逮捕されている実行役の裁判からは、指示役に“使い捨て”にされる実態が明らかになっています。千葉県市川市や白井市の事件などで、実行役として起訴された高梨謙吾被告(22)。金ほしさから「闇バイト」に応募し、強盗致傷事件に加担することになったといいます。高梨被告らは、奪った現金などを指示役が指定したコインロッカーまで運ぶことに。裁判では、犯行後の心境について…。高梨被告「話と違う、まずい」「逃げたい、逃げたい」しかし、再び指示役から連絡が。指示役「ここにむかえ。報酬はこれが終わったら渡します」高梨被告は指示に従い、市川市の民家へ。再び強盗に手を染めてしまったといいます。しかし、高梨被告は報酬を受け取ることなく、警察に逮捕されました。下された判決は懲役16年の実刑判決。“使い捨て”の実行役を操っていた首謀者とみられる4人。被害に遭った男性は…。被害者「(逮捕の)リスクに見合う金額が手に入らないから、現実やらない方がいいなという判断ができるくらいの、しっかりした処罰が加えられるといいのかな」捜査本部は、他の事件についてもこの4人が関連しているとみて捜査する方針です。
去年、関東で18件相次いだ強盗事件。一連の事件の首謀者とみられる男4人が逮捕されました。男らから指示を受けたとみられる実行役の男の裁判では、抜け出せず、“使い捨て”にされる実態が明らかになりました。
関東で多発した強盗事件が、大きな進展を見せました。4日と5日に逮捕された斉藤拓哉容疑者(26)ら20代の4人。合同捜査本部は、この4人が18件もの強盗事件に関与しているとみて調べているのです。
東京・千葉・埼玉・神奈川の1都3県で、去年の夏以降に相次いだ強盗事件。被害に遭ったのは20人、被害総額は2000万円相当でした。
神奈川県横浜市で去年10月に起きた事件では、暴行を受けたとみられる75歳の男性が、手足を粘着テープで縛られた状態で見つかり、死亡が確認されています。
指示役に従って「闇バイト」で集められた実行役が起こしていた数々の事件。警視庁などによる合同捜査本部は、18の事件を一連のものと認定し、これまでに実行役や金の回収役など51人を検挙してきました。
そして、今回逮捕された4人は18件のうちの一つ、去年10月、千葉県市川市で起きた事件の指示役とみられているのです。
捜査本部によりますと、4人は闇バイトで集めた実行役らに指示を出し、住宅に侵入させて住人の50代の女性の顔などを殴ってケガをさせた上、現金などを奪った疑いがもたれています。
一連の事件で首謀者の逮捕はこれが初。1年以上にわたって行われた捜査で、捜査本部が着目したのは“被害にあった金の流れ”でした。
捜査関係者によりますと、金を持ち出した実行役は、それを別の人間に渡すといいます。その人間は金を公園のトイレなどに置き、別の人間がそれを回収すると、今度は駅のコインロッカーへ。
これを回収した人はまた別の人間に渡し、さらに別の人間が受け取り、ようやく指示役に近い人物の元へ。
捜査をかく乱するため、多くの人の手を介していたという金の動き。捜査本部は防犯カメラの捜査などから関わった人物を特定し、指示役までたどりついたといいます。
一方で、次々と逮捕されている実行役の裁判からは、指示役に“使い捨て”にされる実態が明らかになっています。
千葉県市川市や白井市の事件などで、実行役として起訴された高梨謙吾被告(22)。金ほしさから「闇バイト」に応募し、強盗致傷事件に加担することになったといいます。
高梨被告らは、奪った現金などを指示役が指定したコインロッカーまで運ぶことに。裁判では、犯行後の心境について…。
高梨被告「話と違う、まずい」「逃げたい、逃げたい」
しかし、再び指示役から連絡が。
指示役「ここにむかえ。報酬はこれが終わったら渡します」
高梨被告は指示に従い、市川市の民家へ。再び強盗に手を染めてしまったといいます。しかし、高梨被告は報酬を受け取ることなく、警察に逮捕されました。
下された判決は懲役16年の実刑判決。“使い捨て”の実行役を操っていた首謀者とみられる4人。被害に遭った男性は…。
被害者「(逮捕の)リスクに見合う金額が手に入らないから、現実やらない方がいいなという判断ができるくらいの、しっかりした処罰が加えられるといいのかな」