ロックバンド「GEZAN」のボーカル、マヒトゥ・ザ・ピーポーさんが2025年11月29日、波紋を広げた高市早苗首相をめぐるポストについて釈明した。
マヒトゥさんが反応したのは、高市氏が21日、G20サミットへの出席に際し、Xで明かした「洋服選び」に関する悩みの投稿だった。
高市氏は外交交渉時の衣装選びについて、14日の参院予算委員会で安藤裕参院議員から指摘を受けたことを振り返り、「『安物に見えない服』『なめられない服』を選ぶことに数時間を費やしました」「外交交渉でマウント取れる服、無理をしてでも買わなくてはいかんかもなぁ」と率直な胸中を明かしていた。
マヒトゥさんはこの投稿を引用し、「マジでシンプルになんでこんなバカが国のトップなの?」と批判。「センス磨いてやるからGEZANの武道館こいよ。前売りかいとくから」と呼びかけた。
同バンドは24年に中国ツアーを行っており、中国にもファンがいるとされる。マヒトゥさんは寄せられた批判に対し、「そういう繋がりを断ち切りかねない高市総理の危険な感覚に警戒しない方がおかしくない?」と反論していた。
マヒトゥさんは29日、「先日の投稿について」として書面で釈明を行った。
「先日の投稿でバカと書いた部分は感情的で稚拙だった。対象が誰であっても適切な言い方ではなかったと思う」とし、投稿の背景について「あの投稿に中国政府を擁護する意図はなく、主語の全てはわたしで、音楽の現場を通して繋がった個人史の中でどうしても浮かんだ顔が多すぎたこと、それが奪われかけている現状への危惧が感情的な言い方になった理由です」と説明した。
さらに、過去の中国での経験にも触れた。
こうした背景から、「中国で計画された予定がなくなった時、それらの実感は怒りにすりかわり、瞬間我を忘れた」という。
「不快な想いをした人、ファンのみんな、心配をかけた友人、申し訳ない」とした。
今回の騒動を受け「わたしに寄せられた複数のメールには『殺すぞ』や『バンドができないようにしてやる』といった内容のものも多くあった」とも明かした。
マヒトゥさんは「これに関しては一切、認めることができない」強調。「誰一人として他者の自由を奪う権利はない。極端な解釈と思うかもしれないが、その図式は戦争へと繋がっていく」とし、「全ての戦争に反対」とした。
「わたしを殺すな。わたしはバンドをやる」と訴え、「わかりあえない人同士でも生きていける世界がいいよ」。「この文章が正しく読まれることを望んでいます」と結んだ。