高市政権とジェンダー平等、能條桃子氏に聞く「女性総理の誕生はゴールではない」地方議会から変える必要性を指摘

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

高市早苗政権発足から約1ヶ月、日本で初めて女性総理が誕生したが、政治のジェンダー平等は進むのか。政治分野のジェンダー不平等の解消を目指す「FIFTYS PROJECT」代表の能條桃子氏とともに、日本の政治における課題について考える。
【映像】高市総理“支持しない18.1%”その理由(図あり)
能條氏が代表を務める「FIFTYS PROJECT」は、ジェンダー平等実現を目指し、地方議会議員に立候補する20代、30代の女性(トランス女性を含む)やノンバイナリー、Xジェンダーなどの方への支援を展開している。
能條氏は、設立しようと考えたきっかけについて、「東京オリンピックの際に森喜朗元総理の女性蔑視と言われた発言に対する署名活動を行い、15万筆が集まった。その動きを一時的なネットのアクティビズムとしての盛り上がりで終わらせたくないと思った」と語った。
「デンマークに留学して、日本では当たり前だと思っていた景色から、実はジェンダー不平等がたくさん残っていることに気づいた。例えば、電車では『目を二重にしろ』『毛を剃れ』『ハゲはダメだ』などの広告が目につき、『こうじゃなきゃいけない』という規範に溢れている。また、就職の際にも、女子学生にだけ『子育てしやすい会社に就職しなさい』などと言われ、一方で男子学生は問われない」
「ジェンダー平等を日本で実現していく時に、仲間たちと何からすべきかという話になり『政治なんじゃないか』という結論に至った。そして、政治をどう変えていくかを考えた時に、地方議会から変えていくことが大事なのではないかと決めて、この『FIFTYS PROJECT』を立ち上げた」
地方議会における女性議員の割合は極めて少ない。能條氏は「市議会はまだ2割を超えていない。町村議会に至っては14.1%となっている。日本の“地方議員”のうち、半数以上が60代以上の男性(朝日新聞 2023年の調査)。一番生活に身近なことを話し合う政治の場が地方議会だと思うが、じゃあ私たちの代表はいるの?と考えた時に、20代~30代の女性は1%未満。そこから変えていく必要があると思う」と述べた。
能條氏は、若者の政治参加を促進する団体の代表としても活動する中で、多くの国会議員と面会をする機会があったが、そこで自身に求められることは主に3つのパターンに分けられたという。
「1つは、“若者と交流しているアピール”に使われる。話を聞いて、何もやってくれないけれど、最後に写真だけ撮って『若者の声を聞いています』みたいに使われる。2つ目は、若い女性に対して『子供を産んでくれる人』としての期待。少子化対策をどうしていくか議論をした時にも、その人がどう豊かな人生を歩むのかという点は見てくれなかった。3つ目は、自分の私利私欲を満たすこと。セクハラもそうだし、褒めてほしい、自尊心を高めたいという感じで、学生にちやほやされたいと思っている人もいるのだろうなと感じた。政治の場に今いる人たちに働きかけるのも大事だけれど、いる人たちの顔ぶれを変えないと、自分たちが思っていることは届いていかないのではないかと思うようになり、議員を送り出す活動を始めた」
初の女性総理誕生について、能條氏は次のように述べた。
「女性参政権から80年の中で、必要なステップではあると思うが、これがジェンダー平等という目線で見たときのゴールだとは全く思えない。高市総理はこれまで政治家として、ジェンダー平等の実現とは反するような活動をしてきた。選択的夫婦別姓に関しては反対を訴えることによって支持を広げてきたところもあるかと思う。女性総理という存在は分かりやすく、エンパワーメントされる人たちがいると思う。その気持ちは否定しないけれど、やはり政策を見ていかなきゃいけない」
加えて「今の政治家は、本当に朝から晩までずっと働いて、家事や子育てなどは誰かにやってもらえるのが前提だ。地元に妻がいて、地元周りは妻がしてくれて、自分は国会にいるという生活をする人が基本になっている。そんな生活をしている人たちが行う政治が、本当に私たちの生活を反映したものになるのかというと、そうではない。本当はそういうやり方を変えていかなければならないが、今の女性議員の割合で、高市さん1人が女性総理になったからといって、そのあり方自体が変わるかというとまだまだだと思う」との見方を示した。
(『わたしとニュース』より)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

SNSでもご購読できます。