「唐津Qサバ」稚魚が大量死 今季の出荷ゼロ「初めて」海水温が影響か 佐賀

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佐賀県唐津市と九州大学が共同開発した、完全養殖のサバ「唐津Qサバ」。昨シーズンは2万匹を出荷しましたが、今シーズンは大量死し、出荷できなくなりました。猛暑が影響したとみられています。
■平山翼記者「呼子といえばイカですが、それに次ぐ水産資源として知られているのが『唐津Qサバ』です。」「唐津Qサバ」は、唐津市と九州大学による共同研究で生まれた完全養殖のマサバで、2014年から販売されています。稚魚のときから独自のエサで育てているので、これまでに寄生虫の報告例はありません。

生でも安全に食べられることや、脂が乗った身のおいしさが地元や都市圏の飲食店で人気を集め、昨シーズンは2万匹余りを出荷していました。ところが。
■平山記者「唐津市内にある『唐津Qサバ』の養殖場です。ことしの夏の暑さの影響で、ほとんどのサバが死んでしまったということです。」例年は、1年以上かけて育てた成魚を10月から翌年6月まで出荷していますが、今シーズンの出荷はゼロです。この養殖場ではおよそ6万匹の稚魚が死に、県内にあるほかの養殖場でもほとんどのサバが死んだといいます。地元に住む男性からは落胆の声が漏れました。■地元の人「(出荷ゼロは)さびしいね。(地元民は)誇りにしているから。イカとQサバは。」唐津市水産課によりますと、本来「唐津Qサバ」の生育に適した海水温は20℃程度で、これが25℃以上になると死んでしまう可能性が高くなります。ことしは9月になっても養殖場付近の海水温が30℃近くまで上がっていて、海水温の異常な高さが大量死の原因の一つとみられています。6年ほど前から「唐津Qサバ」を扱い、昨シーズンも1000匹以上入荷していたという直売所を訪ねました。■直売所を運営する佐賀玄海漁協・内田浩太郎さん「例年、活魚水槽を仕切って、イカと『唐津Qサバ』を分けて販売しています。『唐津Qサバ』の出荷がないため、水槽すべてイカがいる状態です。」準備していたのぼりも出さずじまいとなりました。■内田さん「完全にゼロというのは初めてです。『入荷はまだですか』という問い合わせを最近よく受けていました。お客様の期待に応えられないことが悔しい。来シーズン以降、少しでも海の状況が良くなって、 安定した成育状況になってくれればと祈るしかない状況です。」環境の変化が原因とみられる今回の事態を受けて、唐津市水産課は「夏場の対策を漁協・九州大学と協議していきたい」としています。※FBS福岡放送めんたいワイド2025年11月14日午後5時すぎ放送

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