中国の駐大阪総領事、高市首相に「その汚い首は一瞬の躊躇もなく斬ってやる」 「台湾有事」めぐり暴言→削除

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中国の薛剣(せつけん)駐大阪総領事が2025年11月8日深夜、高市早苗首相による台湾有事をめぐる国会答弁について、Xで「その汚い首は一瞬の躊躇もなく斬ってやる」などと投稿し、後に削除した。
薛氏の投稿は、朝日新聞デジタルによる「高市首相、台湾有事『存立危機事態になりうる』 武力攻撃の発生時」との記事に反応したもの。記事では高市氏が7日の衆院予算委員会で、日本が集団的自衛権を行使できる「存立危機事態」にあたる具体例について、台湾有事を挙げたことを伝えていた。
薛氏はこの記事を引用すると、「勝手に突っ込んできたその汚い首は一瞬の躊躇もなく斬ってやるしかない。覚悟が出来ているのか」(原文ママ・以下同)とし、怒り顔の絵文字を添えた。
薛氏の投稿は波紋を広げ、「文脈からして高市首相への殺害予告とも読み取れるので極めて悪質」などとする批判を呼んだ。
薛氏は、中国の攻撃的な外交スタイル「戦狼外交」の代表例として知られている。
過去にもSNSで過激な主張を繰り返しており、21年には台湾問題に関連して、「台湾独立=戦争。はっきり言っておく! 中国には妥協の余地ゼロ!!!」と投稿。これに対し、松原仁衆院議員が「言語道断である。このような恫喝は、断じて許されるものではない」などと質問主意書で批判した経緯がある。
25年6月には、Xでナチス・ドイツとイスラエルを同一視する投稿を行い、イスラエルのギラッド・コーヘン駐日大使から強い批判を受けた。
薛氏は9日夕方までに投稿を削除した一方で、「台湾問題は日本は関係ない、中国の問題なのだから中国人が解決するべき!」など、自身の主張を支持するような投稿をリポスト(拡散)している。
また、中国人民解放軍の動画を添え、「中国人民解放軍の真実の姿は今ご覧の通りで平和を守る世界一強力な砦となっている。中国内政への干渉、国家主権の損害、台湾両岸統一の妨害などは一切許さい」(原文ママ)とも主張。
別の投稿では、「『台湾有事は日本有事』は日本の一部の頭の悪い政治屋が選ぼうとする死の道だ」と訴え、持論を展開した。
そうした上で、「くれぐれも最低限の理性と遵法精神を取り戻して理性的に台湾問題を考え、敗戦のような民族的潰滅を喰らうことが二度とないようにしてほしい」と結んだ。
過去にも国会で薛氏の発言を批判していた松原仁氏は、薛氏の投稿を引用し「ペルソナノングラータ(編注:好ましからざる人物。外交官は派遣国から任命されるだけでなく、接受国からも承認を得る必要があるとする考え方)と国会で何度も訴えてきた。ウィーン条約に基づき国外追放すべきだ」としている。

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