クマ出没相次ぐ秋田県、小中学校に保護者の送迎を求める緊急通知…臨時休校する学校も

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

秋田県内でクマによる人身被害や目撃情報が相次いでいることを受けて、21市町村の教育委員会が小中学校に対し、保護者による送迎を求めるよう伝えたことが28日、県教委への取材でわかった。
県教委は15~24日、全25市町村教委を対象に、過去に地域にクマが出た際、どんな対応を学校に求めたかなどを尋ねるアンケート調査を実施した。県教委による同調査の実施は初めてという。
調査結果によると、学校側に求めた対応として「部活動や校外学習の制限」をしたのが20市町村、「教職員が引率して集団下校」をしたのが6市町村だった。
関係機関との連携については「警察に見回りなどの協力を依頼」をしたのが16市町村、「通学路やスクールバスの停留所などで市町村職員による見回り」をしたのは11市町村に上った。「クマの出没状況の共有」は全市町村で行っていた。
この他の対応では、「学童保育施設まで児童をスクールバスで送迎」(横手市、鹿角市)、「スクールバスの経路を変更し、自宅近くで下ろす」(北秋田市)などがあった。
県教委は、クマの人身被害が相次いでいることや、2023年10月に中高生がクマの被害に遭ったことから、今月15日に全市町村教委に対し、屋外活動の制限などを求める緊急の通知を送付した。
県教委保健体育課の菊池勇拓チームリーダーは「各市町村の危機意識が高まっている。市町村教委で対応できないことがこれから出てきた際は、県教委として支援することを検討したい」と話した。
26日に警察官がクマを目撃し、立ち入りが規制されている秋田市中心部の千秋公園付近では、28日もクマの目撃が相次ぎ、付近の学校では臨時休校とするなどの措置を取った。
秋田中央署によると、午前4時50分頃、公園近くの同市千秋矢留町の民家で住人の女性が敷地内にいるクマを目撃。公園北側の市立明徳小では午後0時20分頃、同小の教諭が、敷地内のグラウンドでフェンスの上を歩くクマを目撃した。クマは公園方向に立ち去ったという。
同署によると、この日は公園付近で体長約1メートルのクマが複数回目撃されているが、同じ個体かどうかは分かっていないという。
明徳小はこの日から31日まで安全確保のため休校とした。このほか、公園に近い市立保戸野小や市立秋田東中は、児童・生徒の送迎を保護者へ依頼した。保戸野小の小野寺純也教頭は「学校の敷地内での目撃など、危険性が増すことがあれば休校も必要になる」と危機感をあらわにした。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

SNSでもご購読できます。