石川県を舞台にしたアニメ「花咲くいろは」の聖地、金沢市の湯涌温泉では、「ぼんぼり祭り」が18日開かれ、訪れた人たちが作品にゆかりのある能登の復旧復興を祈っていました。MROラジオ「あにまにあ」の西尾知亜紀パーソナリティ―が13回目を迎えた祭りを取材しました。
2011年に放送されたアニメ「花咲くいろは」は、金沢市の湯涌温泉をはじめ、2024年の能登半島地震で大きな被害を受けた七尾市中島町にある・のと鉄道「西岸駅」などが舞台モデルになっています。
会場には、飲食店やアニメグッズを販売する特設ブースが設けられ、作品のファンや観光客でにぎわいました。
こちらのオムライスは、作品で主人公が母親に反抗の意思を示すために作った料理「ママきらいオムライス」を再現したもので、アニメグッズのみならず作品にちなんだ食べ物も登場しました。
能登半島地震発生からまもない2024年1月12日、「花咲くいろは」は、YouTubeでチャリティー配信が開始され、配信の収益を寄付するなど被災地の支援にいち早く乗り出しました。
P.A.WORKS・堀川憲司社長「花咲くいろは製作委員会ってすごく多くの会社が関わってるんですけども、みんな花咲くいろはっていう作品とか、この湯涌温泉にに対して思い入れがあって、それもかなりいい思い出だと思うんです。成功例というか、これだけのお客さんが盛り上がってくれて、毎年お祭りでも、未だにこんなにファンの方たちとか地元の方たちが頑張ってくれてるっていうことは作り手にとって誇りだと思うので、僕らがお世話になった、一緒に地元と一緒に作り上げたあの作品を作ったところが大変なことになってることに対しての何か権利とかそういうものを時間をかけて話し合おうみたいなものはなく非常にスピーディーだった」
そして、作品から7年後の世界を描いた小説版「花咲くいろは~いつか咲く場所~」は、輪島市町野町出身のシナリオライター・藤本透さんが執筆。
小説の出版を手掛ける富山県南砺市のparubooksはチャリティーイラストやイベントなどで復旧復興を継続して応援し続け、今回のぼんぼり祭りでもブースを出展しています。
今年からは、能登半島復興支援メンバーシップ「つなぐSupport NOTO note」を運営、月800円で会員限定のオリジナルコンテンツを読むことが出来ます。
執筆メンバーは、「花咲くいろは」の小説版を執筆した藤本透さん、輪島市出身の作家・上田聡子さんら北陸にゆかりのある5人が作品を発表しています。
地震・豪雨の記憶を風化させず、継続的に支援ができる取り組みとしてスタートしました。
parubooksを運営する一般社団法人 地域発新力研究支援センター・佐古田宗幸代表理事「能登の方には震災後も足を運んでるんですけど、ちょっとずつ(建物の)解体が進んだりとか、道が直ったりとか、復旧復興は確実に進んでるとは思います。プロジェクトは、最低10年は続けたいと思っています。生活を取り戻すのにもそれぐらいかかるというふうには思いますので、ひとつの目標にしています。」
アニメで描かれた神事を再現したぼんぼり祭りの会場には、多くのぼんぼりが掲げられ、多くが能登の復旧復興を願い言葉が書かれていました。
テレビ放送から10年以上たった今もなお、作品の聖地として多くのファンが、毎年この時期に湯涌温泉を訪れます。
京都から来た男性「9回、この祭りに来ています。職場の同僚にも湯涌温泉の話をしていて、今回は同僚と一緒に来ました。」
願い事が書かれた「のぞみ札」を神様に届ける「お焚き上げ」の神事で祭りはクライマックスを迎えます。
2025年も雨の降るあいにくの天気となる中、訪れた人たちは、能登の一日も早い復旧復興を祈っていました。