大手回転ずしチェーンのくら寿司は14日、山形市内の店舗で来店客による迷惑行為があり、その実行者を特定したことを明らかにした。
くら寿司のホームページによると、迷惑行為があったのは山形南館店。先週末にネットに投稿され、確認した時点で当該店舗のレーン上の商品を全て入れ替えた。実行者については警察に相談して対応を進めるという。
SNSに投稿された動画には、若い女性客がケラケラ笑いながら、レーン上を流れる皿の「抗菌寿司カバー」を開けて、次々とすしを素手で触ったり、しょうゆ差しから直接しょうゆを飲んだりする様子が映っていた。撮影者も女性だった。
くら寿司は2023年から、迷惑行為対策として、AIテクノロジーを活用した「新AIカメラシステム」を全国に導入している。レーン上ですしカバーの不審な開閉を検知すると、本部でアラートが鳴って不正行為を確認し、該当店舗に商品の取り除きを伝えるとともに、該当テーブルの客に声掛けをする。また、状況に応じて適宜、警察に通報するという。
回転ずし店での迷惑行為といえば、23年にスシローの岐阜市内の店舗で、少年がしょうゆ差しをなめる動画がSNSで拡散し、“ペロペロ少年”と騒動になった。スシローは、迷惑行為によって全国の店舗の信用が傷つき、客足が大幅に減少したことなどを理由に、約6700万円の損害賠償を請求。提訴後、調停手続きに移行し、最終的に和解が成立し訴えは取り下げられた。
また、同年にくら寿司の名古屋市内の店舗で、男性がしょうゆ差しに口をつけて飲んだかのような様子を動画撮影し、SNSで拡散した件では、男性は威力業務妨害罪などに問われ、名古屋地裁は懲役3年、執行猶予5年の判決を言い渡した。
飲食誌ライターは「スシローの件では、両親ともにそれぞれメディアの取材を受け、涙ながらに『反省』を口にしました。迷惑行為はSNSによって世界中に拡散し、チェーン全体が大きくイメージダウンするので、“若気の至り”は、昔のように謝っただけで済む問題ではなくなりました」と指摘した。