《名古屋女子大生殺人》「自殺願望が4人を引き合わせた?」いじめ、孤独、結婚、親の介護…“生き残った”39歳女性容疑者が抱え続けた苦悩とは

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「小さい頃はよく笑う陽気な子だったのに、生まれつき足が悪いこともあって、それが理由でいじめられるようになると次第に暗い性格になっていったそうです。しかも今に至るまで親しい友人が1人もおらず、パートで働いていたクリニックでも人間関係がうまく築けなかった。だから、誰にも悩みを打ち明けられなかったんじゃないでしょうか。お父さんの介護が将来必要になるかもしれないことも気にしていたと聞いています」
【画像】亡くなる約1カ月前、同好会のボランティア活動が表彰されたときの加古結莉さん 12月6日に名古屋市中区のホテルで、女子大学生の加古結莉(かこ・ゆり)さん(20)が遺体で見つかり、一緒にホテルに宿泊していた福島県伊達市の渡邉真由美容疑者(39)、愛知県安城市(自称)の鈴木健太容疑者(48)、兵庫県姫路市の18歳の女子大学生が殺人の疑いで逮捕、送検された事件。渡邉容疑者の姉と付き合いのある知人は、渡邉容疑者の心境をこう推測した。事件のあった名古屋市中区のホテル 文藝春秋 住む地域も年齢もバラバラな4人だが、捜査関係者によれば「彼らは自殺願望を持っていて、SNSを通じて知り合った可能性がある」という。“生き残った”渡邉容疑者の心の闇の深さはいかばかりだったのだろうかーー。◆◆◆加古さんは名古屋市内の薬学部に在籍で、薬の知識があった まずは事件の経緯を振り返っておこう。社会部記者が解説する。「3人は同月5日から、加古さんとともに2部屋を予約し宿泊していました。6日、加古さんがチェックアウト時間を過ぎても部屋から出てこなかったことから、ホテル関係者が12時15分ごろに室内に入ったところ、ベッドの上で加古さんが仰向けに倒れているのを発見。12時25分に119番に連絡を入れるも、救急隊が到着した時にはすでに死亡が確認されています。 その後、警察による現場検証が行われ、加古さんに目立った外傷や争った形跡はなかった。しかし、彼女の頭にはビニール袋がかぶせられ、首のあたりにはビニールテープが巻かれて密閉されたような異様な状態でした。 司法解剖の結果、加古さんの死因は急性呼吸不全で、窒息死でした。さらに、室内からは睡眠成分が含まれる市販薬が見つかっています。加古さんは名古屋市内にある大学の薬学部に在籍しており、薬の知識があったと見られます」 翌7日には近隣の別のホテルに身を潜めていた容疑者3人が発見され、8日までに逮捕された。社会部記者が続ける。「逮捕の際、鈴木容疑者と18歳の女子大学生も薬物を服用していたようで、受け答えがおぼつかなかったといいます。捜査関係者は、加古さんは事件前に悩みを抱えていたため、それが原因で自殺を考えていたという見立てをしており、他の3人からも自殺を目的として集まったのかどうか聴取しているところです」渡邉容疑者が行方不明になり、家族は「警察に捜索頼めるか」 逮捕時に1人だけ薬物を服用していなかったとみられるのが渡邉容疑者だ。今月に入って、家族から行方不明届が出されていたという。福島県にある渡邉容疑者の実家の近隣住民はこんな“騒ぎ”を目撃している。「事件の少し前、見たことない車数台が渡邉さんの実家前に停まっていました。“親戚や友人が集まっているのかな?”と思っていたら、日が落ちた頃に玄関の外で『娘が消えた』『娘がこのまま帰ってこなかったら……』『警察に捜索頼めるか』などと話しているのが聞こえてきたんです。“真由美さんに何かあったのかな”と首を傾げていたら、その後のニュースで捜索願が出ていたと知り、あの日はそういうことが理由で集まっていたのかと納得しましたよ」 渡邉容疑者は両親と姉の4人家族で、姉は結婚後に実家を出ている。両親の面倒は渡邉容疑者がみていた。勤務先はクリニックで、診療報酬点数などを計算する会計係だったという。前出の知人が語る。39歳独身の実家暮らし…結婚、介護のプレッシャー「若い頃から医療系の仕事に就きたかったようです。ただ、定職には就けなくて何度か職を転々とする日々だった。医療事務は特に資格がいらないから、いまの仕事をしているのでしょう。そうやって月日が流れていくなか、39歳で結婚もしておらず、実家住まいだと世間体も良くない。だから『あんたはいつになったら……』と家族内で蔑まれている空気が常にあったようです。お父さんも『まーちゃん(渡邉容疑者)が嫁に行くまでは死ねない!』と口にしていたとか。 しかも、姉が結婚して家を出て娘1人になり、お父さんが体調を崩してからは、近い将来、介護生活に陥る事への不安を抱いていたそうです。人一倍敏感な性格だったようなので、相当なプレッシャーがあったんでしょう」 渡邉容疑者は自らの置かれた境遇を悲観して、わざわざ福島から愛知を訪れたのだろうか。記者は事件前の様子を聞こうと、車で帰宅した両親に声をかけた。しかし、事件での心労から体調がすぐれないのか、付き添っていた女性の肩を借りながら家の中に戻っていくのみだった。 亡くなった加古さんがなぜ死を選んだのか真相の解明が待たれるが、渡邉容疑者ら3人もまた悲しみの深淵をのぞいていたのかもしれない。 捜査関係者によれば、「彼らの容疑は殺人から自殺ほう助に変更され、起訴される可能性が高い」という。◆◆◆「文春オンライン」では、今回の事件について、情報を募集しています。下記のメールアドレス、または「文春くん公式ツイッター」のDMまで情報をお寄せ下さい。 メールアドレス:[email protected] 文春くん公式ツイッター:https://twitter.com/bunshunho2386(「文春オンライン」特集班/Webオリジナル(特集班))
12月6日に名古屋市中区のホテルで、女子大学生の加古結莉(かこ・ゆり)さん(20)が遺体で見つかり、一緒にホテルに宿泊していた福島県伊達市の渡邉真由美容疑者(39)、愛知県安城市(自称)の鈴木健太容疑者(48)、兵庫県姫路市の18歳の女子大学生が殺人の疑いで逮捕、送検された事件。渡邉容疑者の姉と付き合いのある知人は、渡邉容疑者の心境をこう推測した。
事件のあった名古屋市中区のホテル 文藝春秋
住む地域も年齢もバラバラな4人だが、捜査関係者によれば「彼らは自殺願望を持っていて、SNSを通じて知り合った可能性がある」という。“生き残った”渡邉容疑者の心の闇の深さはいかばかりだったのだろうかーー。
◆◆◆加古さんは名古屋市内の薬学部に在籍で、薬の知識があった まずは事件の経緯を振り返っておこう。社会部記者が解説する。「3人は同月5日から、加古さんとともに2部屋を予約し宿泊していました。6日、加古さんがチェックアウト時間を過ぎても部屋から出てこなかったことから、ホテル関係者が12時15分ごろに室内に入ったところ、ベッドの上で加古さんが仰向けに倒れているのを発見。12時25分に119番に連絡を入れるも、救急隊が到着した時にはすでに死亡が確認されています。 その後、警察による現場検証が行われ、加古さんに目立った外傷や争った形跡はなかった。しかし、彼女の頭にはビニール袋がかぶせられ、首のあたりにはビニールテープが巻かれて密閉されたような異様な状態でした。 司法解剖の結果、加古さんの死因は急性呼吸不全で、窒息死でした。さらに、室内からは睡眠成分が含まれる市販薬が見つかっています。加古さんは名古屋市内にある大学の薬学部に在籍しており、薬の知識があったと見られます」 翌7日には近隣の別のホテルに身を潜めていた容疑者3人が発見され、8日までに逮捕された。社会部記者が続ける。「逮捕の際、鈴木容疑者と18歳の女子大学生も薬物を服用していたようで、受け答えがおぼつかなかったといいます。捜査関係者は、加古さんは事件前に悩みを抱えていたため、それが原因で自殺を考えていたという見立てをしており、他の3人からも自殺を目的として集まったのかどうか聴取しているところです」渡邉容疑者が行方不明になり、家族は「警察に捜索頼めるか」 逮捕時に1人だけ薬物を服用していなかったとみられるのが渡邉容疑者だ。今月に入って、家族から行方不明届が出されていたという。福島県にある渡邉容疑者の実家の近隣住民はこんな“騒ぎ”を目撃している。「事件の少し前、見たことない車数台が渡邉さんの実家前に停まっていました。“親戚や友人が集まっているのかな?”と思っていたら、日が落ちた頃に玄関の外で『娘が消えた』『娘がこのまま帰ってこなかったら……』『警察に捜索頼めるか』などと話しているのが聞こえてきたんです。“真由美さんに何かあったのかな”と首を傾げていたら、その後のニュースで捜索願が出ていたと知り、あの日はそういうことが理由で集まっていたのかと納得しましたよ」 渡邉容疑者は両親と姉の4人家族で、姉は結婚後に実家を出ている。両親の面倒は渡邉容疑者がみていた。勤務先はクリニックで、診療報酬点数などを計算する会計係だったという。前出の知人が語る。39歳独身の実家暮らし…結婚、介護のプレッシャー「若い頃から医療系の仕事に就きたかったようです。ただ、定職には就けなくて何度か職を転々とする日々だった。医療事務は特に資格がいらないから、いまの仕事をしているのでしょう。そうやって月日が流れていくなか、39歳で結婚もしておらず、実家住まいだと世間体も良くない。だから『あんたはいつになったら……』と家族内で蔑まれている空気が常にあったようです。お父さんも『まーちゃん(渡邉容疑者)が嫁に行くまでは死ねない!』と口にしていたとか。 しかも、姉が結婚して家を出て娘1人になり、お父さんが体調を崩してからは、近い将来、介護生活に陥る事への不安を抱いていたそうです。人一倍敏感な性格だったようなので、相当なプレッシャーがあったんでしょう」 渡邉容疑者は自らの置かれた境遇を悲観して、わざわざ福島から愛知を訪れたのだろうか。記者は事件前の様子を聞こうと、車で帰宅した両親に声をかけた。しかし、事件での心労から体調がすぐれないのか、付き添っていた女性の肩を借りながら家の中に戻っていくのみだった。 亡くなった加古さんがなぜ死を選んだのか真相の解明が待たれるが、渡邉容疑者ら3人もまた悲しみの深淵をのぞいていたのかもしれない。 捜査関係者によれば、「彼らの容疑は殺人から自殺ほう助に変更され、起訴される可能性が高い」という。◆◆◆「文春オンライン」では、今回の事件について、情報を募集しています。下記のメールアドレス、または「文春くん公式ツイッター」のDMまで情報をお寄せ下さい。 メールアドレス:[email protected] 文春くん公式ツイッター:https://twitter.com/bunshunho2386(「文春オンライン」特集班/Webオリジナル(特集班))
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まずは事件の経緯を振り返っておこう。社会部記者が解説する。
「3人は同月5日から、加古さんとともに2部屋を予約し宿泊していました。6日、加古さんがチェックアウト時間を過ぎても部屋から出てこなかったことから、ホテル関係者が12時15分ごろに室内に入ったところ、ベッドの上で加古さんが仰向けに倒れているのを発見。12時25分に119番に連絡を入れるも、救急隊が到着した時にはすでに死亡が確認されています。
その後、警察による現場検証が行われ、加古さんに目立った外傷や争った形跡はなかった。しかし、彼女の頭にはビニール袋がかぶせられ、首のあたりにはビニールテープが巻かれて密閉されたような異様な状態でした。
司法解剖の結果、加古さんの死因は急性呼吸不全で、窒息死でした。さらに、室内からは睡眠成分が含まれる市販薬が見つかっています。加古さんは名古屋市内にある大学の薬学部に在籍しており、薬の知識があったと見られます」
翌7日には近隣の別のホテルに身を潜めていた容疑者3人が発見され、8日までに逮捕された。社会部記者が続ける。「逮捕の際、鈴木容疑者と18歳の女子大学生も薬物を服用していたようで、受け答えがおぼつかなかったといいます。捜査関係者は、加古さんは事件前に悩みを抱えていたため、それが原因で自殺を考えていたという見立てをしており、他の3人からも自殺を目的として集まったのかどうか聴取しているところです」渡邉容疑者が行方不明になり、家族は「警察に捜索頼めるか」 逮捕時に1人だけ薬物を服用していなかったとみられるのが渡邉容疑者だ。今月に入って、家族から行方不明届が出されていたという。福島県にある渡邉容疑者の実家の近隣住民はこんな“騒ぎ”を目撃している。「事件の少し前、見たことない車数台が渡邉さんの実家前に停まっていました。“親戚や友人が集まっているのかな?”と思っていたら、日が落ちた頃に玄関の外で『娘が消えた』『娘がこのまま帰ってこなかったら……』『警察に捜索頼めるか』などと話しているのが聞こえてきたんです。“真由美さんに何かあったのかな”と首を傾げていたら、その後のニュースで捜索願が出ていたと知り、あの日はそういうことが理由で集まっていたのかと納得しましたよ」 渡邉容疑者は両親と姉の4人家族で、姉は結婚後に実家を出ている。両親の面倒は渡邉容疑者がみていた。勤務先はクリニックで、診療報酬点数などを計算する会計係だったという。前出の知人が語る。39歳独身の実家暮らし…結婚、介護のプレッシャー「若い頃から医療系の仕事に就きたかったようです。ただ、定職には就けなくて何度か職を転々とする日々だった。医療事務は特に資格がいらないから、いまの仕事をしているのでしょう。そうやって月日が流れていくなか、39歳で結婚もしておらず、実家住まいだと世間体も良くない。だから『あんたはいつになったら……』と家族内で蔑まれている空気が常にあったようです。お父さんも『まーちゃん(渡邉容疑者)が嫁に行くまでは死ねない!』と口にしていたとか。 しかも、姉が結婚して家を出て娘1人になり、お父さんが体調を崩してからは、近い将来、介護生活に陥る事への不安を抱いていたそうです。人一倍敏感な性格だったようなので、相当なプレッシャーがあったんでしょう」 渡邉容疑者は自らの置かれた境遇を悲観して、わざわざ福島から愛知を訪れたのだろうか。記者は事件前の様子を聞こうと、車で帰宅した両親に声をかけた。しかし、事件での心労から体調がすぐれないのか、付き添っていた女性の肩を借りながら家の中に戻っていくのみだった。 亡くなった加古さんがなぜ死を選んだのか真相の解明が待たれるが、渡邉容疑者ら3人もまた悲しみの深淵をのぞいていたのかもしれない。 捜査関係者によれば、「彼らの容疑は殺人から自殺ほう助に変更され、起訴される可能性が高い」という。◆◆◆「文春オンライン」では、今回の事件について、情報を募集しています。下記のメールアドレス、または「文春くん公式ツイッター」のDMまで情報をお寄せ下さい。 メールアドレス:[email protected] 文春くん公式ツイッター:https://twitter.com/bunshunho2386(「文春オンライン」特集班/Webオリジナル(特集班))
翌7日には近隣の別のホテルに身を潜めていた容疑者3人が発見され、8日までに逮捕された。社会部記者が続ける。
「逮捕の際、鈴木容疑者と18歳の女子大学生も薬物を服用していたようで、受け答えがおぼつかなかったといいます。捜査関係者は、加古さんは事件前に悩みを抱えていたため、それが原因で自殺を考えていたという見立てをしており、他の3人からも自殺を目的として集まったのかどうか聴取しているところです」
渡邉容疑者が行方不明になり、家族は「警察に捜索頼めるか」 逮捕時に1人だけ薬物を服用していなかったとみられるのが渡邉容疑者だ。今月に入って、家族から行方不明届が出されていたという。福島県にある渡邉容疑者の実家の近隣住民はこんな“騒ぎ”を目撃している。「事件の少し前、見たことない車数台が渡邉さんの実家前に停まっていました。“親戚や友人が集まっているのかな?”と思っていたら、日が落ちた頃に玄関の外で『娘が消えた』『娘がこのまま帰ってこなかったら……』『警察に捜索頼めるか』などと話しているのが聞こえてきたんです。“真由美さんに何かあったのかな”と首を傾げていたら、その後のニュースで捜索願が出ていたと知り、あの日はそういうことが理由で集まっていたのかと納得しましたよ」 渡邉容疑者は両親と姉の4人家族で、姉は結婚後に実家を出ている。両親の面倒は渡邉容疑者がみていた。勤務先はクリニックで、診療報酬点数などを計算する会計係だったという。前出の知人が語る。39歳独身の実家暮らし…結婚、介護のプレッシャー「若い頃から医療系の仕事に就きたかったようです。ただ、定職には就けなくて何度か職を転々とする日々だった。医療事務は特に資格がいらないから、いまの仕事をしているのでしょう。そうやって月日が流れていくなか、39歳で結婚もしておらず、実家住まいだと世間体も良くない。だから『あんたはいつになったら……』と家族内で蔑まれている空気が常にあったようです。お父さんも『まーちゃん(渡邉容疑者)が嫁に行くまでは死ねない!』と口にしていたとか。 しかも、姉が結婚して家を出て娘1人になり、お父さんが体調を崩してからは、近い将来、介護生活に陥る事への不安を抱いていたそうです。人一倍敏感な性格だったようなので、相当なプレッシャーがあったんでしょう」 渡邉容疑者は自らの置かれた境遇を悲観して、わざわざ福島から愛知を訪れたのだろうか。記者は事件前の様子を聞こうと、車で帰宅した両親に声をかけた。しかし、事件での心労から体調がすぐれないのか、付き添っていた女性の肩を借りながら家の中に戻っていくのみだった。 亡くなった加古さんがなぜ死を選んだのか真相の解明が待たれるが、渡邉容疑者ら3人もまた悲しみの深淵をのぞいていたのかもしれない。 捜査関係者によれば、「彼らの容疑は殺人から自殺ほう助に変更され、起訴される可能性が高い」という。◆◆◆「文春オンライン」では、今回の事件について、情報を募集しています。下記のメールアドレス、または「文春くん公式ツイッター」のDMまで情報をお寄せ下さい。 メールアドレス:[email protected] 文春くん公式ツイッター:https://twitter.com/bunshunho2386(「文春オンライン」特集班/Webオリジナル(特集班))
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「事件の少し前、見たことない車数台が渡邉さんの実家前に停まっていました。“親戚や友人が集まっているのかな?”と思っていたら、日が落ちた頃に玄関の外で『娘が消えた』『娘がこのまま帰ってこなかったら……』『警察に捜索頼めるか』などと話しているのが聞こえてきたんです。“真由美さんに何かあったのかな”と首を傾げていたら、その後のニュースで捜索願が出ていたと知り、あの日はそういうことが理由で集まっていたのかと納得しましたよ」
渡邉容疑者は両親と姉の4人家族で、姉は結婚後に実家を出ている。両親の面倒は渡邉容疑者がみていた。勤務先はクリニックで、診療報酬点数などを計算する会計係だったという。前出の知人が語る。
「若い頃から医療系の仕事に就きたかったようです。ただ、定職には就けなくて何度か職を転々とする日々だった。医療事務は特に資格がいらないから、いまの仕事をしているのでしょう。そうやって月日が流れていくなか、39歳で結婚もしておらず、実家住まいだと世間体も良くない。だから『あんたはいつになったら……』と家族内で蔑まれている空気が常にあったようです。お父さんも『まーちゃん(渡邉容疑者)が嫁に行くまでは死ねない!』と口にしていたとか。
しかも、姉が結婚して家を出て娘1人になり、お父さんが体調を崩してからは、近い将来、介護生活に陥る事への不安を抱いていたそうです。人一倍敏感な性格だったようなので、相当なプレッシャーがあったんでしょう」
渡邉容疑者は自らの置かれた境遇を悲観して、わざわざ福島から愛知を訪れたのだろうか。記者は事件前の様子を聞こうと、車で帰宅した両親に声をかけた。しかし、事件での心労から体調がすぐれないのか、付き添っていた女性の肩を借りながら家の中に戻っていくのみだった。
亡くなった加古さんがなぜ死を選んだのか真相の解明が待たれるが、渡邉容疑者ら3人もまた悲しみの深淵をのぞいていたのかもしれない。 捜査関係者によれば、「彼らの容疑は殺人から自殺ほう助に変更され、起訴される可能性が高い」という。◆◆◆「文春オンライン」では、今回の事件について、情報を募集しています。下記のメールアドレス、または「文春くん公式ツイッター」のDMまで情報をお寄せ下さい。 メールアドレス:[email protected] 文春くん公式ツイッター:https://twitter.com/bunshunho2386(「文春オンライン」特集班/Webオリジナル(特集班))
亡くなった加古さんがなぜ死を選んだのか真相の解明が待たれるが、渡邉容疑者ら3人もまた悲しみの深淵をのぞいていたのかもしれない。
捜査関係者によれば、「彼らの容疑は殺人から自殺ほう助に変更され、起訴される可能性が高い」という。◆◆◆「文春オンライン」では、今回の事件について、情報を募集しています。下記のメールアドレス、または「文春くん公式ツイッター」のDMまで情報をお寄せ下さい。 メールアドレス:[email protected] 文春くん公式ツイッター:https://twitter.com/bunshunho2386(「文春オンライン」特集班/Webオリジナル(特集班))
捜査関係者によれば、「彼らの容疑は殺人から自殺ほう助に変更され、起訴される可能性が高い」という。
◆◆◆
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