障害者施設で高温入浴し死亡、職員3人を書類送検へ…業務上過失致死の疑い

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宮城県石巻市門脇の障害者施設「ひたかみ園」で2022年12月、入浴介助を受けていた入所者の阿部加奈さん(当時38歳)が全身にやけどを負い死亡した事故で、県警は近く、湯の適切な温度管理を怠ったことが事故につながったとして、当時の職員3人を業務上過失致死容疑で書類送検する方針を固めた。
複数の関係者によると、書類送検するのは現場責任者だった男性職員と、入浴介助をした女性職員2人。阿部さんは心身に重い障害があり、言葉などによる意思表示ができず、車椅子で生活していた。
事故は、22年12月30日午前に発生した。阿部さんは介助を受けてリフト付き浴槽に入ったが、全身に熱傷を負って病院に搬送され、3日後の1月2日に呼吸不全で死亡した。職員3人は、湯温を適温に保つなど安全に入浴介助を行うべき業務上の注意義務を怠った疑いが持たれている。
施設の事故報告書によると、男性職員が阿部さんの入浴を指示し、女性職員2人が湯張りや介助を担当した。職員は湯温を素手などで確認したと説明したが、施設の検証で湯温が50度前後だった可能性が判明。職員が湯をかき混ぜなかったことや、温度測定の方法が統一されていなかったことなどが原因と指摘された。
遺族は昨年2月、職員3人を刑事告訴。県警が、現場施設の確認とともに、職員から当時の状況を聞くなどして慎重に捜査していた。

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