《別府・ひき逃げ殺人の時効が消滅》「死ぬ間際まで與一を心配していました」重要指名手配犯・八田與一容疑者の“最大の味方”が逝去 祖母があらためて訴えた“事件の酌量”

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2022年6月29日、別府市の県道で停車中のバイクに追突し、大学生2名を死傷させ、全国に指名手配されている八田與一容疑者(29)。当初は道路交通法違反(ひき逃げ)の疑いで捜査が進められていたが、ことし6月、殺意や凶悪性が立証されたことから容疑に殺人と殺人未遂が追加された。
【写真】「目が冴えるような金髪に真っ赤なリップ…」フルメイクを施した八田與一容疑者ほか
さらに警視庁は9月、「国民の関心を高め情報提供を増やし、一刻も早い逮捕につなげるため」として、容疑者に対する懸賞金(捜査特別報奨金)の受付期間を1年引き延ばし、2026年10月末まで継続することを決定。すでに3年以上、行方がわからない八田容疑者の逮捕への協力を呼びかけた。
NEWSポストセブンは昨年12月、雲隠れを続ける八田容疑者の祖父に取材を試みていた。懸賞金の延長を受け、あらためて9月末に実家を訪ねると、そこには洗濯ものを干している祖母の姿が。こちらが声をかけると、弱々しい声で「(八田の祖父は)死んじゃった」と語るのだった──。【全3回の1回目】
全国紙社会部記者が語る。
「大分県警の福岡弘毅刑事部長と後藤和樹交通部長が9月12日、連名でコメント。『本件は大分県警察の最重要課題のひとつであり、引き続き、全国民に情報提供を呼びかけ警察の総力を挙げて被疑者の身柄確保と、事件の真相解明に全力で取り組んでまいります』と宣言しました
全国から寄せられた情報提供数は8月末までで、のべ1万1000件を超えましたが、逮捕に繋がる重要な情報はいまだにないとみられます。県警は警視庁などと連携して鋭意、捜査を続けている」
動機はさだかではないが、事件前に八田容疑者と被害者の大学生は、現場付近の駐車場で軽い口論になっていたという。その後、時速100キロを超える猛スピードの軽自動車で被害者が乗るバイクを次々に轢いたとみられる。事件について容疑者の祖父はこう話していた。
「母親に聞いたら、與一はコロナにかかってしばらく休んでいた直後で、後遺症でほとんどまともに勤務できないし、うまく動けずフラフラの状態だったみたいなんだよ。判断ができずに逃げてしまった」
その後もこの祖父は、遺族に対しての謝意は示しつつも、「與一に暴力的な一面はない」「殺して逃げる必然性がないんだ」などと擁護していた。
八田容疑者は石川県生まれだが、学生時代のほとんどを母の実家で過ごしており、”おじいちゃんっ子”だった。一緒にいる時間が長かっただけに、愛孫を擁護するような言葉が出てきたのだろう。
そんな”最大の味方”ともいえる祖父が亡くなっていたというのだ。冒頭の祖母が、事件後初めて取材に応じた。
──NEWSポストセブンです。與一さんについて、時効もなくなり、懸賞金が延長されたことについてどう思われますか。
「お母さんじゃないと(答えられない)」
──八田さんの祖父は。
「死んじゃった」
──そうでしたか……。奥様で間違いないですか。
「そうです」
──いつお亡くなりに。
「ことし5月です」
──お孫さんが表に出てくることを願っていますか。
「そうですね……はい」
──おじいさまは亡くなる前まで、お孫さんについてなにかおっしゃっていましたか。
「はい。旦那は死ぬ間際まで與一のことを心配していました。旦那だけじゃなく、(家族)みんな気にかけています」
──警察に出頭することを勧めたいですか。
「はい、そうです」
──すでに亡くなっているという話もありますが、生きていると思いますか。
「それは私もわからない」
──被害者遺族に対しては。
「それは申し訳ないと思っています」
──旦那さんは、お孫さんにも言い分があると言っていました。
「コロナにかかっていたから、体の具合が悪かったんだろうなと。それで事故を起こしてしまったの」
──旦那さんは亡くなる直前まで、お孫さんを思っていた。
「そうです。ごめんなさい、そろそろ失礼します」
「まずは出てこいと言いたい」──八田の祖父は以前、そうも訴えていた。しかし月日は流れ、孫の安否さえもわからないまま彼は他界してしまった。
仮に八田容疑者がまだ生きていて、どこかで逃亡生活を続けているとしても、祖父が亡くなったことなど知る由もないだろう。被害者遺族だけでなく、家族の思いまで裏切り続ける八田容疑者はいまどこで、なにを思うのか。
次の記事では、八田容疑者がかつて勤務していたツアー会社の社長が、彼がみせた”奇行”などについて独占告白している。
(第2回に続く)
「NEWSポストセブン」では、八田與一容疑者に関する情報・タレコミを募集しています。「過去に面識がある」「似ている人を見た」など、どんな些細な情報でもかまいません。情報提供フォームまたは、下記の「公式X」のDMまで情報をお寄せください。
・情報提供フォーム:https://www.news-postseven.com/information
XのDMは@news_postsevenまでお送りください。

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