「電車内で相手が先に手を出したが、正しくなかった」 外国人配信者が暴力を謝罪、ネットでは批判収まらず

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スペインから来たという外国人男性が、電車内で注意した乗客を突き飛ばした問題で、この男性は、ユーチューブに投稿した動画でトラブルについて謝罪した。
動画では当初、「乗客が先に手を出したので、反応は当然だった」とも主張したが、批判は止まなかった。男性は、再び動画を投稿して、泣きながら全面的に謝罪する事態になっている。
この男性は、九州北部のJR九州の路線と見られる電車内で、ライブ配信で大声を上げ、注意しに来た中年男性の日本人乗客とトラブルになった。
日本の人気漫画「ワンピース」の主人公ルフィを気取り、麦わら帽子をかぶって優先席に座っていると、乗客が右手で胸を叩くような仕草をして「うるさいよ」と注意した。何回かのやり取りの後、男性は、背後から乗客を突き飛ばし、この乗客が車掌に「暴力です」と訴える騒ぎになっていた。
男性は他にも、カラオケ店に向け花火を打って大騒ぎしたり、日本の民家らしき場所に侵入して警察を呼ばれたりして、その様子が配信されていた。
ネット上では、男性への批判が巻き起こり、ライブ配信チャンネルが削除されるなどした。その後、男性は2025年9月25日、乗客を突き飛ばしたことへの謝罪と題して、自らのユーチューブチャンネルに投稿した動画でトラブルについて釈明した。
そこでは、男性は、世界中のメディアで取り上げられたと明かし、まず両手を握りながら、「皆さんのお許しを請います」と頭を下げた。「私は、酷い反応をして、行動が正しくなかった」としながらも、正当性を主張した。乗客は、酒に酔っており、普通の状態ではなかったとして、胸を触られたり、鼻や口をつかまれたり、暴力があったと訴えた。乗客について、「典型的な人種差別主義者だ」とも主張した。自らも手を出したことについて、防御しただけだとし、「彼が手を出そうとしたので、私の反応は当然だった」と強調した。多くの人たちが自分を擁護してくれたとしたが、別の車両に乗り換えるなど、もっと賢く行動すべきだったと反省点は口にした。
この動画を出すと、上っ面だけの謝罪だとして、男性への批判はさらに激しくなった。
すると、男性は翌9月26日、再び動画を自らのチャンネルに投稿し、半泣き状態で頭を下げて、全面的に謝罪した。
「この動画は日本のコミュニティ向けです」と日本語で説明し、動画では、「私にはただの知性が欠けていました。私は愚か者で、頭が悪かったのです」と非を認めた。そして、乗客が見つかれば、「彼と話をして起きたことを謝罪するため、日本へ行きたい」と明かした。「私はマナー違反の観光客です。日本の人々のおもてなしの心と、その素晴らしさを悪用するために日本に行ったのです」としながらも、「私は人間として成長し、もっと良い人間になりたいです。そして、世界で一番好きな国である日本に帰りたいです」と呼びかけた。
男性によると、「100ユーロで日本横断チャレンジ」と題して、日本には3か月間滞在し、北海道からルフィ像のある熊本へ向かうときにトラブルが起きたという。
ただ、男性の謝罪に疑問や批判の声が止まず、炎上状態が続いている。
乗客とのトラブルについて、JR九州の広報部は29日、事実関係が分かったとして、J-CASTニュースの取材に詳細を答えた。
それによると、佐賀県鳥栖市内のJR鹿児島本線・鳥栖駅で停車していた博多駅行き最終の普通列車内で、22日23時30分ごろにトラブルを確認した。日本人乗客から「外国人から押し倒された。暴行を受けた」と車掌に申告があり、車掌がJRに報告して駅員も応援に駆け付けた。しかし、男性は、「Sorry」「No」と繰り返すばかりで、英語でのコミュニケーションが難しかったという。乗客は、「列車を遅らせなくていい。警察も呼ばなくていい」と話したため、通報はしなかった。お互いを離すため、男性には、最後方の車両に移動してもらい、列車は5分遅れて出発した。乗客が酒に酔っていたかは分からないという。トラブルの原因については、乗客らから聞いていないため分からないとしている。
(J-CASTニュース編集部 野口博之)

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