《ラブホ通いの前橋市長》公用車使用の問題点 市の規定では「プライベートでの途中下車は認めず」、一方秘書課は「私事の送迎も行っている」と回答

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42歳独身の女性市長が既婚者である部下の市幹部と連日の”ラブホ通い”――「NEWSポストセブン」がスクープして注目を集めているのが、小川晶・群馬県前橋市長だ。
【写真】「露天風呂つきでベッド下から妖しい緑のネオンが…」前橋・42歳女性市長が利用したラブホ内部
取材班がつかんだ「ラブホテルでの密会」だけで十分衝撃的だが、「男女関係はなく、そこで仕事に関する相談や打ち合わせをしていた」とする市長の”珍回答”も話題となっている。
9月24日夜には緊急記者会見を開き、「誤解を招く軽率な行動だった」と陳謝した。
群馬は福田赳夫氏や中曽根康弘氏ら歴代総理を輩出した”保守王国”だが、その県庁所在地である前橋市長選で自民・公明が支持する現職候補を破り、2024年2月に初当選したのが小川市長だ。当時は全国紙も「初の女性、戦後最年少」などと報じている。
市関係者が語る。
「小川市長は大学卒業後に弁護士登録し、前橋市内の事務所に勤務しました。2011年4月の県議選に28歳で初当選して政界入りし、県議を4期務め、昨年2月の市長選に出馬。連合の推薦も取り付けて現職を破る、見事な勝ちっぷりでした」
そんな小川市長だが、取材班がつかんだだけでも今年7月から9月上旬までの約2か月の間に市幹部の既婚男性X氏と、平日・土曜の昼夜、お盆期間を含めて計7回にわたりラブホテルで密会していたのだ。そのうちの9月10日は、県内各所で1時間に100ミリ以上の雨が降り、災害の危険度が格段に高くなる「記録的短時間大雨情報」が出されたタイミングだった。
別の市関係者は、「当時、市の防災危機管理課は夜まで情報収集にあたっていた」というが、小川市長はその時間帯には退庁しており、午後6時過ぎから10時頃までX氏とラブホテルで過ごしていた。LINEなどで市の防災危機管理課が市民に大雨や雷雨、竜巻などへの注意喚起を行なっていた時間帯と重なる。
取材班は9月中旬にも、2日連続でラブホテルを訪れる小川市長とX氏を確認。2日目の17日夜、ホテルを出て市長の自宅に車で到着したところで直撃すると、運転席のX氏が窓を開けて応じ、本人であることを認めた。
後日、7~9月の計9回について、ホテルを訪れた日時を添えてメールで直接質問を送ると、それぞれから回答があり、2人とも「ホテルに行ったことは間違いありません」などと認めたが、男女関係は否定。
小川市長は大雨の緊急時のラブホ滞在について、「(災害警戒本部が設置される警報発令の)段階ではなかったので、通常時と同様に常に連絡の取れる体制をとっていた次第です」と回答し、こう釈明した。
「X氏にはプライベートでも仕事に関する相談や打ち合わせに乗ってもらっていた。2月頃までは飲食店やカラオケボックスで話をしていたが、周りの目があり、仕事の具体的な会話もできないことから、人目を気にせず話ができるホテルはどうかと(X氏から)提案を受けた」
一方のX氏も人目を避けられるラブホテルを提案したことを認め、「軽率であり思慮が浅かったと反省」しているとした。
「ホテルには行ったが、男女関係はなかった」とする市長の説明は有権者が納得できるものなのか。
男女トラブルに詳しい桜井祐子・弁護士はこう解説する。
「いわゆるラブホテルは男女の逢瀬を用途とするものという社会常識からして、裁判でそうした主張が認められる可能性は低い。『性的行為ではない、そこでしかできない何かをしていた』ことを裏付ける決定的な証拠などがあれば別ですが、そのようなケースは極めて稀です」
計9回の利用でかかった約5万円程度になるホテル代について、市長は「すべて私が私費で支払っています」と回答した。
今回の問題においては、「公費で賄われる公用車」を使い、ラブホに向かっていた事実があることも見逃せない。
9月17日午後6時過ぎ、市役所を出た小川市長は運転手が待つ公用車のミニバンに乗って出発した。
10分弱ほど走った後、薄暗い路地でひとり降車。乗車時には着けていなかったメガネやマスクなどを身に着け、何度も振り返って周囲を気にする様子で向かったのは数十メートル先に待つX氏の車だった。そうして後部座席に乗り込んだ後、車はラブホテルへと入っていったのだ。
退庁後、部下と合流してラブホテルへ向かう途中まで、公用車を使っていたわけである。
前橋市の令和7年度予算によると、市は公用車管理事業に3457万1000円を計上している。市の公用車は3台あり、市長専用のミニバンに関する支出のうち、リース代金は「令和7年4月から令和8年3月までで56万7600円」(前橋市財務部資産経営課)となる。リース代金以外にも、運転手の人件費(資産経営課の会計年度職員=非常勤職員が担当)や燃料代その他の車両維持費がかかっている。
市長は公用車の利用について、「プライベートの飲み会などに参加する場合も目的地まで公用車で移動する扱いになっています」と回答した。
改めて前橋市に公用車の使用規定について尋ねると、「前橋市公有自動車管理規定に則って、運用しておりますが、基本的には市役所から市長自宅、もしくは公務場所経由の自宅となり、プライベートでの途中下車は規定では認められていません」(資産経営課)と、市長とは矛盾するような説明だった。
また、同課は「途中下車の際には秘書課に伝えていると思うので秘書課に確認いただきたい」「今まで、市長において規定違反はないと認識している」とも回答。
そこで、同市秘書課に「市長がラブホテルに向かう途中まで公用車に乗っていた事実」を伝えたうえで確認すると、メールでこう回答した。
「公用車(市長車)の使用については、(中略)公務を円滑に進めるため1日の予定の中で随時判断しております。退庁時及び外出先での公務終了後、自宅以外の私事先への送迎については、自宅への送迎という考えで、私事先への送迎を行っています。ただし、すべての私事先への送迎を行っているわけではなく、その時の状況に応じて対応しております」
小川市長には公用車の使い途が適切かの説明責任も問われることになるだろう。
※週刊ポスト2025年10月10日号

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