ビル街はもっと暑い?「東京38.5度」は緑に囲まれた公園で観測したものだった

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8月30日、全国で40度超えの気温が観測され、東京都心でも統計史上5番目に高い38.5度が記録された。
【写真】こちらが東京都心のアメダス観測所
しかし今SNS上で大きな注目を集めているのはその観測の落とし穴。
「因みに東京の38.5℃というのは『ここ』
ビル街は…」
と都心のアメダス観測所の光景を紹介したのは筑波大学大学院生でウェザーマップ気象予報士の走る人参さん(@Runninzin)。
そこは草地で周囲を樹木に覆われた公園とおぼしき場所。アスファルトとコンクリートに囲まれた都心の大部分とはまったく異なる環境なのだ。もし人々が闊歩する本当の”都心”で気温を観測していたら…。
走る人参さんにお話を聞いた。
ーーこの観測値の詳細をお聞かせください
走る人参:東京では30日13時00分に38.5℃を観測しました。これは全国ではこの日21位の値ですが、東京としては1875年以降5位の気温となっています。東京都心のアメダス観測所は2014年にビル街の大手町から緑に囲まれた丸の内の北の丸公園に移転されており、前よりも高温がやや出にくくなっている中での観測でした。
ーー昨今の都内市街地の気温についてご感想をお聞かせください。
走る人参:ヒートアイランドと言われているように、都市部での気温は郊外の緑地よりも高くなる傾向があります。この傾向が顕著なのは冬、そして夜ではあります。ただ、やはり太陽からの放射だけでなく、暑くなった地面やビルといった横や下からの放射も確実に人間にとってしんどいものかと思います。
ーーご投稿に対し大きな反響がありました。
走る人参:うだるような暑さの中で頑張ってくれている人が沢山いるのだと感じました。ありがたいなぁと思います。この暑さをちょっと誇らしく思っている方もいて、その気持ちは少し分かります(笑)。
◇ ◇
SNSユーザー達から
「ここで38.5度なら、コンクリートで囲まれているところはヤバヤバですよ 」「確か熊谷も芝生で、館林が色々言われていましたよね(移転?)鳩山とか伊勢崎はどんな感じなんだろうとふと思いました。」「リプ欄が、『ビル街は… Aもっと暑い! B意外に涼しい。』の二派に分かれています! 都会に住んでないんでわからないんですが、真相はどっちですか!」
など数々の驚きの声が寄せられた今回の投稿。東京都心の大部分は観測結果より暑いであろうことがわかった。日中に外出する方はくれぐれも熱中症にご用心いただきたい。
なお今回の話題を提供してくれた走る人参さんは自身のYouTubeチャンネルでも気象解説などを行っている。ご興味ある方は要チェックだ。
(よろず~ニュース特約・中将タカノリ)

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