今年6月に大阪市内の中学3年の男子生徒が自殺し、市教委がいじめの「重大事態」として調査している問題で、亡くなった男子生徒の母親がMBSの取材に応じました。 亡くなった男子生徒の母親 「なんで気づいてあげられへんかったかな?なんで死ぬまでいじめるかな?」 今年6月、大阪市立の中学校に通っていた3年生の男子生徒(当時14)が、自らの命を絶ちました。大阪市は、いじめ防止対策推進法に基づく「重大事態」と認定して調査しています。
29日、男子生徒の母親は、MBSの取材に応じました。 亡くなった男子生徒の母親 「お布団とか、あの子がいたぬくもりがまだあって」 「結構大きくなるまで一緒に寝ていて。言ったらあかんやろうな、怒っているやろうな」 「反抗期が来ちゃって、一緒に寝てくれなくなくなったんですけど、その成長もうれしくて」 男子生徒は亡くなる数日前、学校で七夕の短冊にこんな文言を記していました。 「早く生き地獄から解放されますように」 しかし、遺族側が学校からこの短冊のことを知らされたのは、男子生徒が亡くなった後でした。 亡くなった男子生徒の母親 「なんで『遺族』になる前に教えてくれなかったのか。死んでから言ってきたって、遅いんです」 「短冊を書いてすぐに亡くなっているので、むしろそれは『遺書』だったんじゃないか」 大阪市教委によると、学校は男子生徒に対する同級生からの暴力事案などを複数把握していました。 さらに母親によると、男子生徒は中学1年のころから、特定の教員との関係に悩んでいて、「胸ぐらをつかまれ、階段から引きずり降ろされた」などとも訴えていたということで、市教委が調査する方針です。 30日、大阪市の横山市長は… 大阪市・横山英幸市長 「状況をしっかり聞き取ったうえで、いじめの有無や指導体制のあり方に問題はなかったのか、徹底して調査が進んでいくことを望んでいます」 亡くなった男子生徒は毎年、クリスマスになると、家族のためにケーキを作っていたという男子生徒。 亡くなった男子生徒の母親 「ケーキ、誰が作るの?って。今年も作ってほしいな。作りに帰ってきてほしいです。(亡くなったことを)認めたくなくて…本当にまだ」 男子生徒が関係に悩んでいた教員からの弔問は、いまだにないということです。