「市民への説明責任の放棄」田久保市長の「取材拒否」にメディアが猛批判 メガソーラー巡る主張は食い違い

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前代未聞の記者会見となった。伊東市の田久保真紀市長は2025年8月29日の定例記者会見で、発表項目以外の質問には応じなかったのだ。
百条委員会は同日、田久保市長への刑事告発を全会一致で決定。伊東市のウェブサイトでは同日、メガソーラー計画について「現状、工事の進捗は見られません」と田久保市長の主張に「反論」した。市長に対する包囲網が着々と築かれている。
29日の定例記者会見では、田久保市長が、事前に発表項目以外の質問には回答しないと明言していたことから、地元の記者クラブは会見前に誠実に取材に答えるように求める要請書を手渡した。
記者クラブの代表はこう指摘した上で、定例記者会見で今後取材に一切答えないと市の幹部に表明したという事実は「市民に対する説明責任を果たすことを放棄していると言わざるを得ない」と厳しく非難した。
田久保市長はこの日、伊東市の今夏の観光客数などについて発表したものの、記者から質問に答えない姿勢について問われると、「話題から外れるものに関してはお答えできない」とした。
会見の最後、記者クラブからの要請書の内容に触れた。市長は自身が「行方不明」と報じられたとしたうえで、これを否定。また、不信任決議について報道が先行していることを挙げ、「それに対する私の方針というものが、報道が一部されまして。私の方ではコメントを出したり、取材に応じたというような事実はない」と、これまた否定した。
そのうえで、
と説明した。
定例記者会見と同じ29日に開かれた最後の百条委員会では、「除籍と知ったのは6月28日」とする田久保市長の主張を「虚偽」と認定。
「卒業証書」とみられる書類を提出しなかったことや、委員会の場で「大学を卒業したと思い込んでいた」とする嘘の証言をしたことなど計4つの刑事告発を全会一致で決定した。今後、伊東警察署に地方自治法違反の疑いで告発状が提出されるという。
井戸清司委員長は「自己利益や保身に注視するあまり、このような破綻した、破綻した考えに至る者が市のトップとして現に存在すること自体、容認できることではない」と厳しく非難した。
市政の混乱は、9月1日に開会する市議会に補正予算が提出できない事態を招いた。予算には、ごみ焼却炉の補修費などが含まれ、遅れれば市民生活に影響を及ぼす恐れがある。
また、市のウェブサイトでは29日、伊豆高原のメガソーラー計画を巡り、「事業者は開発に必要なすべての許可を取得している状況ではないため、現状、工事の進捗は見られません。また、近年、事業者からの連絡もございません」と発表。市がメガソーラーを規制する条例を制定していることも明記し、田久保市長の「予断を許さない状況」との主張を否定した。
田久保市長は、これまで自身のXで何度もメガソーラー計画について言及。20日の投稿では「工事は止まっていますが、事業そのものは無くなっていませんし、裁判も続いていて予断を許さない状況であることに変わりはありません」と投稿した。前市長は事業者と秘密裏に確約書を結んだと主張している。

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