じつは、いつの間にか日本は「単独(ひとり)世帯が一番多い」国になっていたことをご存知でしょうか。
今、ひとり世帯の現代人が密かに気になっている「ひとりで死んだらどうなるのか?」「死ぬ前に何をしておけばいいのか?」「死亡届の「届出人」は誰がなるのか?」「引き取り手のない遺体はどうなるのか?」……
注目の新書『おひとりさま時代の死に方』では、意外と知らない制度のことから誰にも聞けない悩みまで、国内外メディアから取材殺到の第一人者がぜんぶ答えます!
【推薦、続々!】
樋口恵子さん「この本を読めば、ひとりでも幸せに死んでいける!みんなが安心できる本です」
高橋源一郎さん「人は誰もが死ぬ。ぼくもあなたも。わかっているのはそれだけ。どうやって? どんなふうに? ならば井上さんに訊ねよう。きっとすべてを教えてくれるから」
(本記事は、井上治代『おひとりさま時代の死に方』の一部を抜粋・編集したものです)
いま日本では、いろいろな種類の樹木葬が出現し、ある調査では「一般墓」を抜いて一番契約数の多い形態になっている。
私は「あちこちに樹木葬ができて、木が1本植えられているだけで、大きな石が置かれたものまであるが、それらをどう思うか」とよく聞かれるようになった。
それほど日本の「自然」を謳った墓の多様化が見受けられる。
日本人のいう「自然の正体」は何なのか。
それを解き明かすために、日本における自然と葬地とのかかわりや、海外の自然葬墓と比較して、日本の樹木葬の特徴を浮き彫りにしてみたい。
私は1991年、アメリカ・韓国・中国の、葬儀場・散骨・火葬場、墓などを視察した。当時、日本における葬儀ビジネスの拡大化や異業種参入(生協・農協)、墓の継承問題や散骨など墓をつくらない葬法が現れて、それらを見極めるためだった。
その後、私が自然葬法に関して海外と接触したのは、イギリスの死と葬送に関して視察したときだった。ロンドンの葬儀社・火葬場・墓地などを視察し、社会学者であるトニー・ウォルター教授や宗教者に聞き取り調査を実施。また自然葬法を推進している団体の「ナチュラル・デス・センター(The Natural Death Centre)」を訪問し、さらに自然葬法を実践している「緑の安息所・森林埋葬墓地(Greenhaven Woodland Burial Ground)」を視察した。
2000年以降には、韓国(2005年~2019年)、スウェーデン(2006年)、中国(2008年)、フランス(2013年)、アメリカ(2023年)、の自然葬法を視察した。ドイツはエンディングセンターのスタッフが現地に行って調査した(2013年)。その後私は、2014年に日本で国際セミナーを開催した。参加国はドイツ・韓国・日本で、日本の参加者は、私のほかに埼玉県や東京都の関係者であった。
本記事の抜粋元『おひとりさま時代の死に方』では、「親や自分のお墓をどうするか」「死後の手続きには何が必要なのか」、第一人者が平易に解説しています。ぜひお手にとってみてください。
【つづきを読む】多くの人が意外と知らない、ひとりで死んだらどうなるのか「不条理な現実」