高齢女性、金の延べ棒約1億9800万円分だまし取られる 急増「ニセ警察詐欺」被害男性が語る巧妙な手口

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北海道で高齢の女性が、「金の延べ棒」およそ1億9800万円分をだまし取られる事件がありました。これは「ニセ警察詐欺」でした。詐欺の被害にあった男性が、「news zero」の取材に応じ、その巧妙な手口を語りました。 ◇だまし取られたのは、金の延べ棒、およそ1億9800万円分。“今年最悪レベル”の詐欺事件が起きました。被害にあったのは、北海道函館市に住む70代の女性。きっかけは、今年1月の警察官を名乗る男からの電話でした。

警視庁の警察官を名乗る男「資金洗浄事件を捜査している。あなたのお金を調べる」ニセの警察官から“お金を調べるため”にと指示されたのは、「金の延べ棒を買う」ことだったのです。この言葉を信じた女性は、あわせて1億9800万円分にのぼる金の延べ棒を購入しました。今年3月から5月の間、3回に分けて購入し、その都度、自宅の玄関に置いて渡していたといいます。その後、男とは連絡がつかなくなり、不審に思った女性が警察に相談。事件が発覚しました。こうした警察官を名乗り、捜査の名目で現金などをだまし取る「ニセ警察詐欺」は今、急増しています。今年1月から6月までの半年で5000件近く確認されていて、被害総額は、およそ400億円にものぼるといいます。中でも被害が拡大しているのが20代から30代の若い世代で、実に被害の4割近くを占めています。今年3月、愛知県に住む30代の女性のもとに警察官をかたる人物から「資金洗浄に加担しているのではないかと容疑がかかっている」との詐欺電話がかかってきました。その時のやりとりです。警察官かたる人物「奈良県内で起きた事件と聞いて警察から連絡が来て心当たりなかったでしょうか?」女性「ないです」警察官かたる人物「全くないですか?」女性「はい」ひやっとした経験があるという大学生に話を聞きました。大学生(20)「ちょうど昨日(電話が)かかってきて、なになに署のなんちゃらでカードがどうのこうのって感じで言われて。でもクレジットカードもってないので詐欺なんだなって、すぐに着信拒否して、連絡もブロックしました」私たちの身近に潜む「ニセ警察詐欺」の危険。28日、「news zero」が話を聞いたのは今年に入ってから「ニセ警察詐欺」の被害にあったという男性です。被害にあった男性(30代)「『京都府警のものです』と電話がかかってきました」ある日、携帯に突然かかってきた電話。被害にあった男性(30代)「『最近、特殊詐欺グループの主犯格の人物を逮捕しました』と。その人物の押収品から私名義のキャッシュカードが出てきたと」それから2時間ほどして、男性は、およそ200万円を警察官をかたる人物らにだまし取られたといいます。男性は、人がいないところに移動するよう指示され非常階段に向かったということです。そこで、電話は別の役職だという人物に切り替わり…被害にあった男性(30代)「ニセの警察官がニセの警察手帳を見せてきた。ポリスって書いてあって、あ、ぽいなという感じでしたね。身の潔白証明は難しいから出頭いただくことになるのはもうほぼほぼ8割、9割ですみたいなことを言われて」その人物から送られてきたのは、ニセの逮捕状。“身の潔白を証明するために必要”だと説明されたのが…被害にあった男性(30代)「あなたの口座のお金を一時的に捜査用の口座に振り込んで調べさせてもらいますと」その後、資金の調査のために必要だと言われた口座番号と残高の情報も伝えました。被害にあった男性(30代)「じゃ、そこまで電話つないだまま行ってくださいっていって。で、コンビニ行って振り込んだって感じですね」「シンプルに電話しながらコンビニのATMに行って振り込んでるのって、なんか詐欺みたいだなって、その当時も思ってましたね。思いながら、いやでも警察だしなっていう」その後、警察に相談にも行きましたが、いまだに振り込んでしまったおよそ200万円は戻ってきていないといいます。被害にあった男性(30代)「一番は腹立たしいのと、自分をちょっと責めてしまうのと半々くらい」警察庁は、警察官が電話で「捜査対象になっている」などと伝えることはないとし、警察官などを装って現金などを要求された場合は、警察に相談するよう呼びかけています。(8月28日放送『news zero』より)
北海道で高齢の女性が、「金の延べ棒」およそ1億9800万円分をだまし取られる事件がありました。これは「ニセ警察詐欺」でした。詐欺の被害にあった男性が、「news zero」の取材に応じ、その巧妙な手口を語りました。

だまし取られたのは、金の延べ棒、およそ1億9800万円分。“今年最悪レベル”の詐欺事件が起きました。
被害にあったのは、北海道函館市に住む70代の女性。きっかけは、今年1月の警察官を名乗る男からの電話でした。
警視庁の警察官を名乗る男「資金洗浄事件を捜査している。あなたのお金を調べる」
ニセの警察官から“お金を調べるため”にと指示されたのは、「金の延べ棒を買う」ことだったのです。
この言葉を信じた女性は、あわせて1億9800万円分にのぼる金の延べ棒を購入しました。今年3月から5月の間、3回に分けて購入し、その都度、自宅の玄関に置いて渡していたといいます。
その後、男とは連絡がつかなくなり、不審に思った女性が警察に相談。事件が発覚しました。
こうした警察官を名乗り、捜査の名目で現金などをだまし取る「ニセ警察詐欺」は今、急増しています。
今年1月から6月までの半年で5000件近く確認されていて、被害総額は、およそ400億円にものぼるといいます。中でも被害が拡大しているのが20代から30代の若い世代で、実に被害の4割近くを占めています。
今年3月、愛知県に住む30代の女性のもとに警察官をかたる人物から「資金洗浄に加担しているのではないかと容疑がかかっている」との詐欺電話がかかってきました。その時のやりとりです。
警察官かたる人物「奈良県内で起きた事件と聞いて警察から連絡が来て心当たりなかったでしょうか?」
女性「ないです」
警察官かたる人物「全くないですか?」
女性「はい」
ひやっとした経験があるという大学生に話を聞きました。
大学生(20)「ちょうど昨日(電話が)かかってきて、なになに署のなんちゃらでカードがどうのこうのって感じで言われて。でもクレジットカードもってないので詐欺なんだなって、すぐに着信拒否して、連絡もブロックしました」
私たちの身近に潜む「ニセ警察詐欺」の危険。28日、「news zero」が話を聞いたのは今年に入ってから「ニセ警察詐欺」の被害にあったという男性です。
被害にあった男性(30代)「『京都府警のものです』と電話がかかってきました」
ある日、携帯に突然かかってきた電話。
被害にあった男性(30代)「『最近、特殊詐欺グループの主犯格の人物を逮捕しました』と。その人物の押収品から私名義のキャッシュカードが出てきたと」
それから2時間ほどして、男性は、およそ200万円を警察官をかたる人物らにだまし取られたといいます。
男性は、人がいないところに移動するよう指示され非常階段に向かったということです。そこで、電話は別の役職だという人物に切り替わり…
被害にあった男性(30代)「ニセの警察官がニセの警察手帳を見せてきた。ポリスって書いてあって、あ、ぽいなという感じでしたね。身の潔白証明は難しいから出頭いただくことになるのはもうほぼほぼ8割、9割ですみたいなことを言われて」
その人物から送られてきたのは、ニセの逮捕状。“身の潔白を証明するために必要”だと説明されたのが…
被害にあった男性(30代)「あなたの口座のお金を一時的に捜査用の口座に振り込んで調べさせてもらいますと」
その後、資金の調査のために必要だと言われた口座番号と残高の情報も伝えました。
被害にあった男性(30代)「じゃ、そこまで電話つないだまま行ってくださいっていって。で、コンビニ行って振り込んだって感じですね」「シンプルに電話しながらコンビニのATMに行って振り込んでるのって、なんか詐欺みたいだなって、その当時も思ってましたね。思いながら、いやでも警察だしなっていう」
その後、警察に相談にも行きましたが、いまだに振り込んでしまったおよそ200万円は戻ってきていないといいます。
被害にあった男性(30代)「一番は腹立たしいのと、自分をちょっと責めてしまうのと半々くらい」
警察庁は、警察官が電話で「捜査対象になっている」などと伝えることはないとし、警察官などを装って現金などを要求された場合は、警察に相談するよう呼びかけています。

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