《新型コロナ感染から4年》嗅覚がいまだ戻らない警察官「遺体の腐臭も感じない…。現場でにおいがわからないのは致命的」

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

警察や軍関係、暴力団組織などの内部事情に詳しい人物、通称・ブラックテリア氏が、関係者の証言から得た驚くべき真実を明かすシリーズ。今回は、いまも続くコロナ後遺症に苦しむ人たちについて。
【写真】感染症の予防の定番とは?
* * * 全国的に新型コロナと百日せきが同時流行している。原因は猛暑。エアコンがなければ命の危険さえあるこの暑さだが、エアコン使用で部屋は乾燥。乾燥した部屋ではウィルスが増殖しやすいらしい。こまめに部屋の換気をと聞くが、こう暑くては窓を開ける気にならない。コロナ禍では徹底されていた換気対策だが、コロナの恐怖が去った今、こまめに換気する人も少ないだろう。
コロナ禍の最中に新型コロナに罹患し、嗅覚が鈍くなってしまったいう20代の警察官に話を聞いた。コロナにかかったのは緊急事態宣言が解かれた頃。感染予防対策を万全にしていたとはいえ、不特定の人が出入りする派出所に勤務していたため、感染経路は不明。感染初期から味覚障害と嗅覚障害が起きた。症状が軽度であれば感染から数週間で症状が改善すると医師にいわれたが、「あれから数年たつが、まだ嗅覚が完全に戻らない」と彼はいう。
「既往症にアレルギー性鼻炎があり、花粉症の時期は鼻がつまり、ぐずぐずが止まらない。鼻が弱かったこともあるが、まさか嗅覚がなくなるとは。においがわからないというのは本当に困る」と彼は話す。「事故や事件現場に行くこともあるので、においがわからないとイザという時に危険のサインを察知できない」のだ。
地方交番に勤務する彼の所には、日々、管轄する担当地域で起きた問題が持ち込まれてくる。「落とし物をした、犬や猫が迷子になったなどの届け出は嗅覚と関係ないので支障ないが、一人暮らしの高齢者の姿が最近見えない、あそこの部屋から異臭がするなどの連絡が入ると緊張する」という。
「猛暑でも、電気代がもったいないとエアコンをつけなかったり、体温調節がうまくいかず、暑い部屋の中で冬服を着ている高齢者もいる。そういう人にもしものことがあった時、現場でまず感じる違和感はにおいの変化。夏場、亡くなって数日経っていれば遺体は腐臭を放ちます。遺体が発するにおいは独特で、嗅いだことのある警察官ならすぐにわかる。でも鼻が利かないとにおいが拾えない。部屋の中の状態が推測できない。異臭がすると訴えられても、においの強さもどんなにおいなのかもわからない」(警察官)
コロナに罹る前は、締め切った高温の部屋で食べ残しが腐っているにおいと、遺体のにおいの違いがわかったが、今は何も感じないという。
「警察官の仕事にこんなに嗅覚が必要だとは思いませんでした。嗅覚がなくて助かるのは腐乱した遺体を処理する時ぐらい。刑事になりたいと思っていましたが、現場でにおいがわからないのは致命的。危険物や薬物があっても自分には察知できない。ガソリンやガスが漏れていてもわらかない。火災現場で働く消防士もそうでしょうが、においは人の命に係わることもある。嗅覚が戻らなければ現場は無理でしょう」(警察官)。嗅覚障害は彼の未来を変えてしまったのだ。
飲食店に勤務する40代の元シェフはコロナに2度感染し、味覚障害の後遺症が残った。「自分は味覚障害で、同じ時期にコロナにかかった同僚は嗅覚障害が残った。料理人にとって味覚障害も嗅覚障害も致命的。材料のにおいがわからないシェフなんて無理。彼は事務職に転職したよ」。
そう話す男性の味覚障害もかなり重いものだ。「1度目にかかった時、味がまったくしなくなった。治ってから数か月経ち、ようやく味がするようになったところで再度コロナに感染。その後からほとんどの味がわからなくなった」と話す。
コロナで店を閉めている間に治ると思っていたそうだが、味覚は戻らなかった。「どんなに甘くても甘さを感じないし、いくら辛くても辛さがわからない。身体は辛みを感じるようで、激辛料理を食べると体が熱くなって汗が噴き出す。それでどれくらいの辛さかわかる。味覚はないが温度はわかるので、暑いとアイスをよく食べる。どれを食べても同じだが、先日チョコミントのアイスを食べたら。チョコの甘さはわからないがミントは感じることができた」と嬉しそうに話す。
「外食では食べたことのある物を選び、頭の中で味を思い出しながら食べる。困るのは会食。食べたことのない物を出されると味がしない」(男性)。木村拓哉さん主演の映画「グランメゾン・パリ」では、鈴木京香さん演じる絶対的な味覚を持つシェフ早見倫子もコロナで味覚障害を患っていたという設定になっていた。彼女は味覚を取り戻したが、男性の味覚は戻っていないどころか、感じられない味覚の幅が広がっている気がするという。「料理を作るのはもう無理だから運営側に回った。食べる楽しみ作る楽しみも今はない」(男性)。コロナ禍は過ぎ去ったとばかり思っていたが、そうではない人々がまだ大勢いる。
現在、流行している新型コロナのウイルスは、オミクロン株から派生した変異種で通称ニンバスという。カミソリを飲み込んだような強烈な喉の痛みが特徴だという。インバウンド客の増加に伴い人々の往来が盛んになった今では、いつどんなウイルスが持ち込まれても不思議ではない。感染しないよう、個々人がそれぞれ対策するしかない。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

SNSでもご購読できます。