子どもに「まずい食事」出す指導も。炎上した不登校支援サービス、利用した親が明かす“驚きの実態”。医師も問題視。代表を直撃すると

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2023年度の文部科学省の全国調査によれば、小中学校において30日以上欠席した不登校状態にある子どもの数は34万6482人と過去最多を記録した。統計史上初めて30万人を超え、在籍児童生徒に占める割合は3.7%に上る。

文部科学省は、「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」の中で不登校について「多様な要因・背景により、結果として不登校状態になっているということであり、その行為を問題行動と判断してはならない」としている。

またその支援については「登校するという結果のみを目標にするのではなく、児童生徒が自らの進路を主体的に捉えて、社会的に自立することを目指す必要がある」と明記しており、休養や自己理解のための時間としての不登校も肯定的に捉えている。

そうした中で、「不登校を平均3週間で解決する」といったキャッチコピー(当時※1)を掲げて注目を集めた不登校支援業者「スダチ」は、ネット広告や検索結果などで頻繁に見かける存在となり、実際に利用する家庭も少なくない。

2024年夏には、東京都板橋区との連携が一時発表され、板橋区の教育委員会も試行的な導入を認めたが、「無理な再登校の促しはリスクが大きい」などの批判が相次いだ。すると一転、区教委が連携を否定。連携が白紙となる事態となった。

本記事では、こうした背景と、民間による不登校支援の実情について理解を深めることを目的に、スダチを一例として、元利用者の声や専門家の見解をもとに課題を考察する。また記事後半では、スダチの代表・小川涼太郎氏への取材内容を掲載する。
※1…現在、公式サイトのトップには「学校に行こうかなを2ヶ月間で 子どもが自ら再登校するためのサポート」と掲載。
※本記事では、登場する体験者のプライバシー保護のため、名前はすべて仮名とし、特定を避ける目的で一部の背景や状況を変更しています。

「欠席していた期間に関しては、娯楽はレゴや工作なども含め、とにかく暇を潰せるものは取り除き、家の中がつまらない状態にするよう忠告がありました。現実的にすべて取り上げるのは不可能で、かなり厳格なルールだと感じましたが、支払いを済ませていたので後に引けないと思い実行しました。

◆「親もデジタル機器を断つよう言われて…」

「子どもに接触せず、親がプログラムを実践していることを子どもに知らせないスダチのアプローチは、子どもの主体性をないがしろにしている印象を受けます。児童精神科や心療内科などの臨床現場では、初診で必ず不登校の本人の来院を求めています」(齊藤氏)

『子どものために再登校させる』という親の願望の押し付けが、どれだけ子どもの自信や独立心を奪って、子どもの可能性を奪ってしまうか考えてみましょう」(齊藤氏)

◆業者の見極めはより難しくなっていく

小川氏は次のように付け加える。

なお「窓のロック」の依頼についてはメールの記録が残っておらず、実施したかは不明だが口頭で伝えた可能性は否定できないとのことだった。

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