リチウム電池があちこちで爆発・発火している。暑い夏はとくに発生しやすく、これまでの集計でも1年のうち8月が最多だ。専門家は、リチウム電池は45度以上になると故障の危険が増すという。猛暑日にバックの中に入れていたり、車のダッシュボードの上に置いたりしていると、たちまち45度は超える。
そもそも、リチウム電池はどんなところに使われているのか。
スマートフォン、ハンディーファン、モバイルバッテリー、ノートパソコン、電動アシスト自転車、コードレス掃除機、電動歯ブラシ、ワイヤレスイヤホンなどで、私たちはリチウム電池に囲まれて暮らしているといってもいい。それがいきなり爆発・発火するのだから怖い。
東京消防庁によると、とくに多いのはモバイルバッテリー、携帯電話機、コードレス掃除機で、原因は落とす、直射日光が当たるところや熱がこもりやすいところに長時間放置、ポケットに入れていて変形、過充電などで、可燃性の電解液が漏れて発火する。
では、1回でも落としたらもう使わない方がいいのか。「nite(製品評価技術基盤機)」は危険な前兆を解説している。(1)充電ができない(2)充電中に熱くなる(3)変形している(4)充電ケースの膨張(5)突然電源が切れる――こうしたことに気づいたら、使用しつづけたり、どこかに置きっぱなしにしたりせず、自治体や購入したショップで処分することを勧めている。もし落としたりしたら、異常はないか頻繁にチェックして使う。しばらくは充電中には目を離さない方がいいかもしれない。
では、もし発火したらどう対処するか。なにより急いで離れる。大量の水をかけて周りに燃え広がらないようにすることが大事だが、バッテリーの電解液は水では消えにくい。近くに消火器があればそれを使う。目撃したら、直ちに119番通報だ。リチウム電池を使っている製品には、『注意!』と書いたステッカーを張ってはどうか。
(シニアエディター 関口一喜)