ひめゆり発言で大炎上!自民党・西田昌司が落選の危機…!?激戦が続く参院選京都選挙区に行ってみた

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参院選の京都選挙区は2つの議席をめぐり、9人の候補者が争っている。
「考えたら、これまでの選挙では(応援弁士が)ほとんど来てくれることはなかったな」
こう呟くのは京都選挙区から立候補している自民党現職の西田昌司氏だ。
京都選挙区で4回目の当選を狙う西田氏だが、直近2回の選挙では2位に17万票以上もの差をつけてトップ当選してきた。京都選挙区は定数2のため、与野党で1議席ずつを分けるのが定番だった。しかし、今回は大きく様相が変わり、当落選上の厳しい選挙戦が続いている。
選挙戦序盤から萩生田光一元経産大臣や稲田朋美元防衛大臣など連日のように応援弁士が入り、終盤戦では小泉進次郎農水大臣や高市早苗元政調会長も応援に入る予定だ。
西田氏が当落線上にいることで京都選挙区は熾烈な戦いとなっている。2022年は自民、立憲、維新の三つ巴の戦いとなり、維新が2万票弱の差で敗れた。その前の2019年は圧勝する西田氏に対して共産党の倉林明子氏が僅差で立憲民主党の候補を破った。今回はそれらの4党による大激戦が繰り広げられているのだ。
党内きっての積極財政派として知られる西田氏は、演説でも主張の多くを財政政策に費やしている。7月12日に京都市内で行った街頭演説では安倍晋三元首相とともに積極財政論をリードしてきたことをアピールしていた。
「コロナのとき、1年に100兆円を超える巨大な補正予算を組んだ。しかし、その結果として財務省が言うような財政破綻は起きなかった。逆に経済が元気になって毎年税収が増えている。これがまさに経済そのものなんです。
政府がおカネを出して国民生活を助けたら国民の皆さんの所得が増えて、増税してないけども経済が大きくなって税収が増えた。まさにこれが、私がずっと言ってきたことです。我々がやるべきことはまず経済再生です。今回の参議院選挙を終えたらもう一度、自民党をこうした観点で政策の方向転換をさせなくてはなりません。そのためにも西田昌司の議席が必要なんです」
西田氏の苦戦には自民党への逆風がある。ただし、西田氏はそのきっかけとなった清和会のパーティー券裏金問題の当事者でもある。公明党は今回の参院選に出馬する「裏金議員」のうち、西田氏ら3人については説明責任を果たしているとして推薦を出した。
ところが、推薦を出したことへの批判が噴出すると、その後は残る7人の裏金議員への推薦を出さず、対応に苦慮する様子がうかがえる。さらに、西田氏が沖縄での「ひめゆりの塔」をめぐる発言も物議を醸したことも公明党支持者に嫌悪感を与えている。
西田陣営は「公明党がどこまでやってくれるかはわからない。ただ、それ以上に自民党支持層をまとめきれていない」と危機感を募らせている。3年前の参院選で、京都で獲得した自民党の比例票は約26万で、公明党は約10万である。ここをしっかり固められれば当選は確実だが、現状そうはなっていない。
その一つの象徴が自民党で京都府議を務めながら、京都市長選への出馬をめぐり西田氏と対立して除名となった二之湯真士氏だ。今回は無所属で出馬し、連日、西田批判を展開している。
京都市内で演説を終えた二之湯氏を直撃すると、こう語った。
「(京都府民は)みんな上品だから(西田氏の)悪事を知らないでしょ。私の当選は厳しいが、悪事を暴く、それが正義だと思ってます。(北陸新幹線延伸問題についての)政策を語りながらあの人の嘘、独裁ぶりを語っていきます」
二之湯氏は昨年の京都市長選に出馬したが、その際に自民党は二之湯氏ではなく松井孝治氏への推薦を決めた。二之湯氏はこの決定を公然と批判し、混乱を生じさせたとして除名処分を受けた。除名処分を主導した西田氏への怒りがいまだ収まらない様子だが、その二之湯氏が西田批判の矛先にしている一つが、北陸新幹線の延伸計画だ。
実は京都選挙区ではこの問題が大きな争点となっている。北陸新幹線への延伸ルートは小浜市と京都市を通る「小浜・京都ルート」に決定しているが、京都市内での工事で地下水への影響が出ることが懸念されることなどから反対の声が根強く、着工できないままでいる。西田氏はこの「小浜・京都ルート」の旗振り役である。
共産党の現職・倉林明子氏も7月12日に京都駅前で行われた街頭演説でこう指摘した。
「この京都選挙区で大きな争点に浮上してきたのが北陸新幹線の延伸計画です。この計画の首謀者は一体誰でしょうか。強行、推進、なんとしてもやり抜くと強引に進めてきたのが京都選挙区の現職の自民党候補ではありませんか。この選挙で審判を下すのが中止への近道です」
また、医療費削減を主張する日本維新の会に対しても厳しい批判を展開する。
「医療破壊、介護の崩壊が始まっています。あの維新が、自民・公明と合意したのが11万床もベッドを削るということです。こんなことをやったら守れる命も守れない。コロナの教訓を忘れたのかと言いたい」
立憲民主党は「4人の候補が横一線だ」として攻勢を強めている。11日には小川淳也幹事長が、13日には野田佳彦代表が京都に入る力の入れようだ。
衆議院議員を1期務めた経験を持つ山本和嘉子氏は京都の西脇知事との連携を訴えつつ、大阪府の吉村知事とのつながりが強い維新候補を批判する。
「いま、維新の候補者が大阪府知事と連携しています。大阪府知事と連携する維新はこの京都にはいりません」
この言葉は応援に駆けつけた福山哲郎元幹事長らも口にしていた。情勢調査で維新の新人・新実彰平氏の数字がいいことから、維新への警戒感が広がっている。
その維新だが、立憲は眼中にないようで、「3陣営の争い」と捉えている。
7月12日、維新新人の新実氏の演説会に現れた前原誠司共同代表はこう語った。
「ようやく自民党、共産党の背中が見えてきたという段階です。よく新実さんが上にいっているような調査結果もありますが、我々も毎週調査をしています。自民党や共産党は組織を締め始めているのでこの二つが伸びている。相手は組織があるが、我々にはない」
前原氏を直撃すると、京都での争点についてこう語った。
「企業団体献金を受け取らないからできる改革があるということと、北陸新幹線ですね。(北陸新幹線の小浜・京都ルートを主張しているのは)西田さんだけなので」
北陸新幹線の問題については新実氏もこう訴える。
「地下水にも影響を与え、東京ドーム16杯分の土砂は捨てる場所も決まってない。南海トラフ地震が来るから必要だというが、南海トラフは30年以内に80%の確率で発生するというのが政府見解です。間に合わないんです。それなのに、まだ自民党はこれを小浜・京都ルートが必要な理由に挙げています。不誠実極まりないと思います。我々は米原ルートという代替案を提案しています。代替案まで示して小浜・京都ルートはストップと言っている唯一の候補者が私です」
熾烈な選挙戦が展開される一方で、全国的に躍進を見せている参政党の存在感は京都においてはあまり感じられない。自民党の西田氏は参政党の神谷宗幣代表と自身のネット番組で対談するなど考えが近いことで知られる。
西田氏にその点を尋ねると、「参政党の神谷が言うとることは私が言うとることと同じことや」と語り、参政党を支持する層を取り込んでいるという認識のようだ。
西田氏は通常国会の期間中から「石破総理は辞職し、総裁選をやって新しい総裁で参院選を迎えるべきだ」と公然と主張し、石破総理の退陣を求めてきた。西田氏のみならず、自民党が全国的に厳しい戦いを強いられる現状にこうぼやいた。
「だから総理を代えなあかん、とずっと言ってきたやろ」
財政政策論で石破首相と相反する西田氏が当選するかどうかは、参院選後の自民党内における財政政策にも大きな影響を与えそうだ。
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