「妻殺害」県議逮捕に地元衝撃…「何で大輔君が?」「仲むつまじい夫婦だと」

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

長野県塩尻市塩尻町の自宅で昨年9月に妻を殺害したとして、自民党県議の丸山大輔容疑者(48)が殺人容疑で逮捕された事件。
逮捕から一夜明けた29日、県議会関係者には衝撃が走り、早期解決を待ち望んでいた地元の知人や支援者らは言葉を失った。
丸山容疑者の逮捕を受けて、同党県議団は、この日午後3時から議会棟で団会議を開き、情報を共有した。県議らは一様に固く口を閉ざし、重苦しい空気が漂った。会議後に取材に応じた県議団団長の風間辰一県議は「(容疑が)事実とすれば、県民の皆さまに不安と不信感を抱かせてしまった。深くおわび申し上げる」と陳謝した。
丸山容疑者は事件後も1年2か月にわたり在職し、県議会総務企画警察委員長も務めてきた。風間県議は、「県議として優秀な素質ある方。感情を表に出さず、言葉一つ一つ選んで話し、県職員からも信頼があった」とした。同委の委員でもあった風間県議は委員長としての丸山容疑者を「特段変わったことはなく、警察業務に支障を来すような活動、行動は一切なかった」と述べ、不審な点についても「なかった」と強調した。
一緒に仕事をしたことのある別会派の県議は「付き合いやすい立派な県議と思っていた。議員連盟などで勉強熱心で真面目な方という印象だった」と驚きを隠さなかった。丸山容疑者からの辞職願は29日現在提出されておらず、30日開会の県議会11月定例会は欠席の扱いになる見込み。
■「こんな結末迎えるとは」
現場となった塩尻市内の自宅兼笑亀(しょうき)酒造の周辺や知人にも衝撃が広がった。
「こんな結末を迎えるとは夢にも思わなかった。まだ間違いだと思いたい」。笑亀酒造と長年取引があった近くの商店の60歳代女性は涙を浮かべた。
「『何で大輔君が?』との疑問がある。ショックが大きい」と声を詰まらせたのは、亡くなった妻・希美さんの実家(塩尻市木曽平沢)近くにある漆器店の女性。「大輔君、のんちゃんと呼ばせてもらっていた。息子さん2人もまだ小さく、仲むつまじい夫婦だとばかり思っていた」と肩を落とした。
丸山容疑者と同世代で県議になる前から交友があるという塩尻市の百瀬敬市長(52)は、この日開会した市議会12月定例会の総括説明の中で逮捕に触れ、「あまりにも衝撃的で語る言葉もないが、警察の捜査を見守るしかない」と述べた。
今年9月に退任した小口利幸・前市長の後援会が今月13日に市内で開いた集いでは、丸山容疑者も含め約160人が出席し、希美さんの冥福(めいふく)を祈って黙とうした。出席した一人は「事実を隠し通せると思っていたとしたら本当に悔しい」と語気を強めた。
初当選時から支えてきた丸山容疑者の後援会長の男性(79)は「冷静に物事をみつめる堅実な政治家だと思っていた。言葉が出ない」と語った。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

SNSでもご購読できます。