先日、ガールズちゃんねるに「暇な店の店員さん、辛くないですか?」というトピックが立っていた。やることもなく、暇な時間をだらだら過ごす。これってしんどくないっすか?という内容だ。
読んでみると「無職のがマシ」などの声も書き込まれている。無職の方がマシなわけがないだろう。暇でも店にいるだけで金が入るんだから。
「なにが無職のがマシだよ、ちょっと考えて書け」と笑いそうになったが、まあ人によっては忙しい店で働きたいと思う人もいるんだろうね。繁忙店でのバイトはたしかに、時間が経過するのも早いし。
でも僕は、どうせバイトで同じ時給なら暇な店が断然いいなぁ。やりがいとかそういうのいらないですよ。(文:松本ミゾレ)
時代の流れと言うべきか、僕がかつて深夜にバイトしていたアダルト系のレンタル屋が7月半ばで閉店となる。
男性の欲求にストレートに応じた武骨で下品な店で、店員は男だけ。入荷するDVDはあらゆる性癖に対応する充実のラインナップ。もう近隣の好き者が24時間いつでも押し寄せる(というか一部常連は1日に5回も6回も来店する)という有様だった。
「男に性欲ある限りこの商売も安泰だな」とか思っていたのが2010年頃。ところがぼちぼちネットでDVDをレンタル宅配するというサービスを大手がスタートした。そうしてやがてはサブスクもスタートすると、従来からあった実店舗型は苦戦を強いられることになって客足も遠のいていった。
ま、そうはいっても僕の場合は深夜での勤務ばかりだったので、毎日仕事中は過疎っていた。
ただ、客がいなくて暇そうといっても、やることはある。僕が深夜にシフトに入っていた頃なんて2時間に1人程度しか客が来なくても全然問題なかった。新入荷タイトルの登録をしたり、掃除したり、有線チャンネルを色々弄ったり、延滞リスト調べたり。なんだかんだ仕事はあるのだ。まあ、何にもすることがなくてもそれはそれで別に良かったけどね。
それに、単価も高い店なら当然客も来店頻度は低くなる。ショッピングモールに入っている保険屋とかすごい暇そうじゃん。元から保険なんてそんなに誰しもが押し寄せてまで買い求めるもんじゃないから、あれでいい。
あと寝具店とか楽器屋もね。本当にろくすっぽお客さんが入ってこなくても、それでもそれが普通。「お客が殺到しなくて辛い、悲しい……」みたいなことを思っている店員なんてきっといやしない。
そもそも暇を持て余すのがしんどいと思うような人は、暇そうな店で働こうとも思わないだろうし、元々繁盛していた店が落ち目になったら退屈に感じてさっさと他所に行くような気もするよね。
傍から過疎店の中をガラス越しで観察して「辛そうだ」とか思う人の方がこっちからしたら人生が辛そうって感じるね。余計なお世話だな。