中国のアートトイブランド「ポップマート」が独占販売しているぬいぐるみ「LABUBU(ラブブ)」が世界的に大人気で、販売した瞬間に売り切れるという。中国では海賊版が大量に生産され供給過剰となり、7元(約140円)でさえ売れない状況のようだ。そのあおりで、本物の価格さえ下落している。香港メディア「香港01」が3日、報じた。
ラブブは、米国でセレブの人たちが持っているのがインスタグラムで広まり、世界中で人気となった。投機の対象となり、オークションで2000万円で落札されたものもあるほどだ。
ポップマート社が5月中旬に英国でラブブの新モデルを発売したところ、多数の客がラブブを求めて行列を作り、時には乱闘騒ぎを起こすなど、大混乱を引き起こした。ポップマート社は英国内16店舗でラブブの販売を一時停止することになったほどだ。この事件は世界中のファンに衝撃を与えた。
そんな中、河北省衡水市の毛皮工場地帯が、ラブブの海賊版を大量生産。そして、明らかに海賊版か、製造元の管理が行き届かないことがモロ分かりの粗悪品が市場に流れ込んだため、その海賊版も供給過剰となり、市場に流通できなくなったという。工場前の路上では海賊版のラブブを販売するようになり、安いものは140円と投げ売り状態となった。
一方、本物との区別がつかない精巧な海賊版ラブブも市場に流れたため、本物のラブブの価格が暴落。ピーク時と比べて70%も下落しているという。
詐欺師の中には、知識ゼロの個人投資家がラブブを投機対象にしていることに付け込み、オンライン上で詐欺を行っている。被害者の中には、約550万円もの損失を被った人もいる。香港のある母親は、娘の大学進学資金をすべてラブブの注文に投資し、資産を倍増させようとした。ところがオンライン詐欺に遭い、販売者は送金直後に姿を消し、母親は全額を失ったという。