「連続震度5弱」→「震度6弱」の十島村長「風評被害は計り知れない」「早くいつもの島に戻ってほしい」

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鹿児島県のトカラ列島近海では先月21日から地震が相次ぎ、1000回を超えた。
【映像】悪石島の様子
2日に2回の震度5弱、そして3日には震度6弱を観測した鹿児島県十島村の久保源一郎村長に状況を聞いた。
※本インタビューは3日の震度6弱の地震発生の前に行われた。
━━昨日、十島村の悪石島を訪れたのか?
「県の防災ヘリを借りて運んでもらった。30分ほどしか滞在できず、着陸する前に島を1周したところ、外的には被害の状況を確認できなかった。その後着陸し、住民センター、いわば村の避難所に集まっている住民に対して説明した」
━━住民の方の現在の様子は?
「物的被害がないということでひと安心しているが、この群発地震が夜間にもいつ起こるかわからないという不安な夜を過ごし、心理的に不安が募ってきている。村としては、個別訪問をするために保健師2名と一般職の職員2名の派遣を決めた。うちの村は“無医地区”で月に1回から2回の巡回診療として医者を派遣してもらい、住民の健康を管理している状況だ」
━━インフラなどに影響は出ていないのか?
「電気、水道、電話回線などは通常通り動いていて被害がない。定期船も予定通り航海をしており、食料などの注文の品などは順次定期的に運べている」
━━住民にはどのような地震対策を呼びかけているのか?
「地震、台風などの災害に対応するべく、注意事項・注意喚起などについてはペーパーにして全世帯に配り、それに合わせた形で避難訓練等も毎年実施をしている。住民の方たちは、こういった場合はどこに集合するなど周知している。村の方でも、地震の度数によって対策等の職員の配置などいつでも対応できるような形で取っている」
━━2021年12月の悪石島における震度5強の地震の際には島外避難したのか?
「30名ほど鹿児島市と奄美市の方に分かれて10日から2週間ほど避難した。今回は、まだ現地の差し迫った情報なり被害なりがまだ出ていないため、村としても今のところは今の体制で住民の安全を確保していくことになるかと思う。ただし、もし大きな地震が来た場合、それが続くとなど予測の部分などがはっきりしたら、対策を早急に立てなくてはいけない。村としても、関係機関、国、県などと連絡を取って体制を整えている」
━━観光での十島村訪問を考えている人には何を伝えたいか?
「悪石島・子宝島などうちには7つの(有人)島がある。観光についてはまだ調査をしておらず、観光客の申し込みなどについてまだ声も上がっていない。今は、群発地震が起きているということで島の訪問なりは控えておいた方がいいと思っている。悪石島については、公共施設などの部分での宿泊などは止めており、民宿の方は各自の判断で『こういう時期で対応できない』という部分であって、自主的に申し込みを断っているようだ。風評被害という部分は我々も計り知れないが、早くいつもの島に戻ってほしいと願うばかりだ。ただ、我々も拒否しているわけではないので、ありのままの部分で情報を仕入れて、事前に連絡をして確認した上で訪問してほしいと思っている。今の状態では、船も定期的にちゃんと運航しており、交通も普段と変わらず動いている」(ABEMA/ニュース解説)

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