首相周辺も恐れる?急伸する参政党とは何者か 根強い「反ワク、極右」イメージも…減税なども唱えるその実像

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新興政党の1つ「参政党」が2025年6月の東京都議選で躍進するなどして、石破茂首相の周辺も恐れていると一部で報じられている。
右派支持層の一部が自民党からも流れているとされ、7月3日公示の参院選でも、その行方に注目が集まっている。
「日本をなめるな」。アニメのヒーローのような少年が、日の丸の旗を握りしめ、キリっとした目で前を見据えている。
参政党のこのポスターは、24年10月の衆院選でも活用され、外国資本や移民流入への危機感を示してきた。
「日本人ファースト」と唱えるその政策は、一定の支持を集め、同年の衆院選では、2%以上の票を獲得して公職選挙法上の政党要件を満たした。その後も、じわじわと支持を広げ、都議選では、3議席を獲得している。参政党は25年6月30日、日本維新の会を離党した梅村みずほ参院議員(46)が入党したと発表し、同党の国会議員は5人となって、2つある政党要件を両方満たすまでになっている。
この躍進を反映して、各メディアの世論調査でも、政党支持率の上昇ぶりが示されている。読売新聞が6月27~29日に行った調査では、同党の支持率が5%と、立憲民主・国民民主両党とほぼ肩を並べるまでになった。
参政党は、全国で300近い支部を設立し、地方議員約150人がいる。参院選では、比例代表10人に加えて、全45選挙区で候補者を擁立したと発表している。そんな勢いのある参政党とは、どんな政党なのだろうか。
同党は、20年4月に結成され、新型コロナウイルスの感染拡大が進む中で、反ワクチン、いわゆる「反ワク」の立場だと受け止められ注目を集めた。反ワクは、米国のトランプ大統領を支持する「Qアノン」と呼ばれる陰謀論の信奉者らの影響を受けているとされる。参政党の主張は、「アメリカ・ファースト」を掲げるトランプ大統領に近いとされ、公式サイトを見ると、「行き過ぎた外国人受け入れに反対」といった政策を並べ、極右だとの見方もされている。
もっとも、こういった見方は同党の主張の一部であり、掲げる政策はもっと幅広いものだ。
政策では、真っ先に「減税」を掲げており、消費税については、段階的に廃止すると神谷宗幣代表が参院選の討論会などで訴えている。
また、選択的夫婦別姓制度については、家族関係が複雑になり、治安が悪くなるなどと主張している。憲法については、改憲ではなく、ゼロから議論する創憲の必要性を唱えている。
こうした政策も、支持率アップにつながっているとみられるが、注目を集めるのは、やはり日本人ファーストなどの独特の主張だ。
参政党は6月30日に記者会見を開き、梅村氏を参院選比例代表で擁立すると発表した。この会見の席で神谷代表は、日本人ファーストといった主張について弁明した。
「左派系の方々からは、『差別だ、差別だ』というふうに叩かれているんですね。私たちは別に、排外主義でもなければ、外国人を追い出そうということでもない」と神谷代表は述べ、国民の不安を受けて声を上げているものの、ルールを守る外国人は歓迎しているなどと説明した。
一方で梅村氏は、「カルト・マルチ・陰謀論政党だとよく言われていますよね、今現在でも。で、私もその辺り、気にならなかったわけではないんです」と本音を漏らし、「より一層のファクトとロジックを持って、政策の正当性を裏付けていく」と抱負を語った。
神谷代表は、ヨーロッパなどの極右政党をモデルにしたのではないかと記者から聞かれたが、そのことは否定した。一方で、トランプ大統領を支持する共和党保守派などと接触したことは認め、「もし夏の参議院選挙で参政党が飛躍し一定の数を得たら、私は逆に、ヨーロッパへ行くなりアメリカへ行くなりして、また改めて彼らと親交を結んでですね、これからの世界のあり方については話し合いはしていきたい」との見通しを示した。
(J-CASTニュース編集部 野口博之)

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