大阪・関西万博の高科淳副事務総長が16日、大阪・関西万博のメディアセンター記者会見室で記者会見を行った。
万博を巡っては、アンゴラ館、中国館、マルタ館、ネパール館などの海外パビリオンで工事代金未払い問題が発生している。関西の建設業者が工事を発注した業者に工事費の支払いを求め、東京地裁に提訴。ほかにも未払い被害を訴える工事業者らが集まり「万博工事代金未払い問題被害者の会」を設立するなど前代未聞の騒動となっている。
アンゴラ館について高科氏は「アンゴラ館は、現状『事業実施における技術的な調整』が続いてる状況。そもそも検査とかそういったプロセスは進んではいますけど、現時点でいつ開館できることになるのか、明確な指標があるわけではない」。
また、ネパール館について「(ネパールは)『引き続き出展したい』との意向で、今日から工事が再開してる状況。(工事が)いつまでかかるか、現時点で明確な開館時期は協会としても承知していない」という。
工事再開の理由について「そういった(工事費未払いの)問題が解決したので工事を再開しますと聞いています。工事再開しましたけど、引き続きネパール側と計画を聞きながら進めていきたい」とし、先月行われるはずだった「ネパールディ」の実施日について「未定」だと説明した。
マルタ政府から元請け業者に工事費が支払われているかについて「マルタ政府からは元請け業者に対して『契約上必要な支払いは行った』と聞いている」とし、中国館については「情報はない」と回答した。
工事について協会側は法令順守をガイドラインで示していたという。
「今の状況で被害者の会が結成されたり、訴訟が起きたりということに我々も工事関係者に『法令の順守』と言っていることから、そういった状況になっている事態は、非常に残念。協会が契約当事者の間に入る権利を持ってやれる立場にないので、やれることには限界がある。そういった中で、情報の共有とか相談の場を設ける必要があれば、お手伝いはできる。そこで解決できなければ、行政の相談窓口を紹介する」と述べた。